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定例市会報告

◎9月議会

〇決算特別委員会

 2023年度の決算を審査する「特別委員会」が開かれ、議員団からは、広瀬・松岡議員が委員として質疑を行いました。

●松岡議員
・進む市財政の硬直化。大型開発の見直しを

 令和5年度普通会計決算の概況は、実質収支が24億円の黒字、単年度収支は1億円の赤字、そして、経常収支比率は2.3ポイント悪化し97.6%に財政の硬直化が進みました。
 松岡議員は最初に「昨年の市長選で、市長は3期目当選を果たしたが、直後の9月議会中公職選挙法違反疑いが報じられ、市政の停滞を招きかねない状況だった」と述べ、議会で「あらゆる機会を通じて説明責任を果たす」としてきた市長の説明責任を問いましたが、これまで同様、「可能な場合に説明してきた」という答弁が繰りかえされました。

松岡議員:市長への不信感から駅前再整備など事業の進行に影響を与える可能性を高めた令和5年度となったが、経常収支比率は過去にみられない悪化の数字が示されており、決算の概況から今後に向けた市の課題認識を聞く。

財政課長:実質収支は黒字を確保できたが、単年度収支は赤字で、基金残高も積みあがることなくほぼ横這いで推移するなど、この数年と異なった状況であり、5年度決算の状況が継続するのかは、慎重に令和6年度決算を見極める必要があると考えている。

松岡議員:枚方市の職員数は、全国平均を下回る状況にあり、行き過ぎた職員削減で災害時に市民の命や暮らしを守ることができるのか。人事政策の見直しを求めるが、こんなに職員削減が進むのは、市駅周辺再整備事業費確保が原因ではないのか。本決算を見る限りは、今後大きな開発事業を進めるには、見極めが必要だ。慎重な判断がいるのではないか。

市長:事業実施の必要性はもとより、財政面での将来影響については 、長期財政の見通しなどによる検証を踏まえ判断していく必要があると考える。

松岡議員:命や暮らし守る施策は必ず必要ななか、老朽化する庁舎建て替えこそが急がれるのに、先行している大型開発への慎重な判断を求める。

・環境影響評価・維新プレス(市長ビラ)は誤り

 令和5年度は市駅周辺再整備に係る環境影響評価業務委託料が計上されており、提案時の議会説明では、「庁舎位置に関わらず」準備として必要な経費と説明されていました。
 ところが、市長自らが作成、配布した維新プレスでは「環境影響評価では『「府民センター(D街区)位置への移転が前提』なのに、議会が市役所移転条例を否決したのは、矛盾した態度だと批判しました。
 松岡議員は市長に、環境影響評価業務の考えを質しました。市長は「庁舎位置に関わらない環境影響評価」と答弁をし、維新プレスの誤りを認めた形となりました。

・納得できない行政サービスフロア(枚方モール内)までの通行料

 松岡議員は、行政サービスフロア床購入費について問いました。
 駅前に開設された、行政サービスフロアは駅直結の通路は10時まで使えず、それまでは駅直結でないことがわかりました。 市は、一旦外にでなければならない別ルートを確保し、しかも利用するためには、市は年間約300万円もビル事業者に支払う必要があります。
 議会が説明を受けたのは、フロア業務開始直前であり、納得できないと批判しました。

・保護者に責任転嫁の入所システムでいいのか

 令和5年度から新たな保育入所選考方法が実施されています。管理経費約1千万円を超えるシステムを使い、入所選考が行われますが、希望園を多く記載した方が優先され、最大10園まで記載可能となっています。

松岡議員:なぜ10園まで園名を記載できるようにしたのか。

入園課長:保育を必要とされている家庭の事情は様々で、より入所の可能性を高めるためにも、保護者の希望により記入いただけるものとした。

松岡議員:同点だった場合は、希望園を多く書いた方が優先される選考だが、自転車しかのれない方と車に乗る方とでは条件が全く異なる。また、癌治療で保育が必要となる方からご意見いただいているが、利用調整にはこうした項目がない。保育所が十分にないことが要因なのに、点数に影響するからとできるだけ多くの園を書くように求められ、多く書かないから保育園を落ちると言いたげだ。保護者はどんな気持ちになるのか。10園も記載しなくても、保育所に入所できるよう環境を整備することを求める。

・水道事業は、福祉の観点が必要(水道事業会計)

 松岡議員は今年の夏に、電気・ガス・水道が止められた相談を受けました。昨年度から水道料金の滞納が続き、水道局は状況を把握していましたが、福祉部局につなげることなく、給水停止を続けていました。
 松岡議員は、一般質問でこの問題とりあげましたが、市長は「適切な事務執行と認識している。」と答弁をしました。
 引き続き、決算委員会でも水道料金徴収業務のあり方を質しました。

松岡議員:水道の給水停止について、令和5年度は約1千件を執行したということだが、水の供給がなければ、命の危険が生じる可能性がある。市は給水停止をした世帯にどのような徴収業務を行っているのか。

水道課長:一定期間お支払いがなければ現地訪問による状況確認や徴収を実施している。

松岡議員:訪問による徴収も行っているとのことだが、何度訪問しても会えないといった世帯をどう対応するのか慎重さが求められる。国の通知では、生活困窮者を把握した時は、機械的な給水停止を回避することを求めている。また、市の条例でも経済性の発揮だけでなく、公共の福祉の増進も求めている。福祉の観点も考慮した取組が必要だが、どのように対応しているのか。

水道課長:国の通知を踏まえ、納入期限の延長など柔軟な対応を行うとともに、給水停止予告や、給水停止通知書は、原則手渡しを行っている。手渡しができない場合は、福祉相談窓口の案内とともに投函している。複数回の訪問を行っているが、今回のご指摘踏まえ、生活困窮者を把握した際には、福祉部局と情報を共有するなど更なる連携が図れるよう検討を進める。

松岡議員:命に関わる問題だ。確実に実施していただきたい。特に今年のような猛暑のなかでは慎重な対応をするよう求める。

・介護予防は社会教育事業として実施を(介護予防・介護保険事業)

 枚方市は、令和4、5年の2年間で約2千万円の介護保険料を活用し、民間事業者に委託をした介護予防事業(PFS事業)を実施しました。松岡議員は、事業実施のあり方を質しました。

松岡議員:この事業では、目標とした自主グループ組成数は半数弱、高齢者居場所の登録数も目標数の5分の1で、目標達成が果たせていない。健康づくり課が介護予防で取組むべきは、外出をしやすくすることや、学習市民センターなどの市税の利用料減免を行うなど環境づくりではないか。部長に見解を求める。

健康福祉部長:PFS事業では、これまでの介護予防では参加していなかった方の参加や、効果的なPR方法など多くの成果が得られた。今回得られた成果を活かし、健康的な生活習慣が継続できるよう取組んでいきたい。

松岡議員:なぜ介護保険料でこの事業をしなければならなかったのか理解できない。生きがい想像学園の廃止や、高齢者の外出支援事業の廃止など、あるものは大切にしないで、グループ組成が重要とあらたな事業を行う。社会教育事業として実施を求める。

・保険料減免制度の改善を(介護保険事業)

 令和5年度は、令和8年度までの「ひらかた高齢者保健福祉計画21(第9期)の策定が行われ、すべての方の保険料の値上げが示されました。こうしたなかで、肝心の減免制度には、これまでになかった要件の追加をしています。市の考え方を聞き、改善を求めました。

松岡議員:低所得者層のうち「真に生活に困っている方を対象とした減免(特別軽減)の制度があるが、令和6年にかけて適用要件として「減免に係る年度分の保険料を過去に滞納していない」という項目を追加しているが、理由を聞く。

保険年金課長:減免をうけた場合、年金からの保険料引き落としではなくなり、減免後の保険料納付忘れが多く発生することが課題だった。保険料を遅延なく納付して頂いている方との、公平性を図ることや、保険料の納付を促すことで、介護保険の財源確保することにつながる。

松岡議員:お隣、高槻市では「納付の意思があれば」制度を受けられるようになっている。真にお困りの方への制度ではないのか。制度目的にそった運用を求める。

・情報公開・条例遵守の徹底を

 情報公開制度は、市民の知る権利を保障する民主主義の根幹をなす制度の一つです。適切に運用されているのか質しました。

松岡議員:事務概要では、情報公開請求について、非公開や部分公開、不存在とされた件数が多くある。3月に市民が市駅周辺再整備に関する会議録などの請求を行ったが、独立行政法人の職員名を黒塗りにしたと聞いている。何故黒塗りにしたのか。

市駅課長:独立行政法人の職員名等は非公開情報でないにも関わらず、個人情報にあたると誤り部分公開(黒塗り)とした。

松岡議員:この他にも、市駅周辺再整備事業は継続中にも関わらず、保存期間を5年と定めて、廃棄をしている文書もある。つくば市では、経緯に関する文書は、終了日以降10年と定めている。最低でも、計画終了までは当然保存するべきではないのか

コンプラ課長:公文書の保存期間の基準は定めている。実際の文書は、所管課において、個別・具体的に判断すべきもの。

松岡議員:いまのままでは、終了するまで残すのかは、所管課によって異なる判断がされることになる。それはおかしい。市として統一の基準とすべきだ。そもそも、情報公開請求があれば原則は全部公開であり、条例にさだめる非該当事由に該当する部分のみ公開しないことになっている。適切に運用されていないのではないか。部長に見解求める。

総務部長:全体としては日々適切に運用できるよう努めているが、開かれた市政の推進のため重要な制度であると再認識し、引き続き適正な運用を確保するとともに、定期的に職員研修を実施するなど取組を継続していく。

松岡議員:今回は同文書が大阪府にあったことで間違いが明らかになったもので、これまでも同様の誤りをどの部署でも起こしている可能性はある。市では過去に誤って文書を焼却したこともある。市民は黒塗をされてしまえばどうしようもない。条例の主旨遵守の徹底を求める。

・福祉バスなど高齢者活動の支援を

 老人クラブの減少が続いています。クラブの継続を求める声を複数頂いています。松岡議員は、資料請求(右下)をし実態示しながら活動を支える市の役割を質しました。

松岡議員:老人クラブへは国も高齢者が可能な限り自立し、地域で生きがいを持ちながら安心して暮らしていけること等を目的に補助金を出している。また、一定の「介護費用抑制効果」もあると推測される老人クラブに対して、市は必要性をどのように考えているのか。

健康福祉課長:高齢者の健康づくりにつながる活動のほか、地域福祉の推進に大きな役割を果たしている団体と認識している。今後も継続的に活動いただけるよう、支援していく必要がある。

松岡議員:老人クラブの方からは、「福祉バスについて」令和3年度には利用回数が年2回利用から年1回になり、令和5年度からは「一般道のみの走行で往復150km以内」と変更が続き、バスを使った行事が同様にできなくなり「楽しみが半減した」という意見をいただいている。
 「福祉バス」の利用者は、コロナ前と比較して約7割も減少している。せめてこれまで通りの活用ができるようにするべきではないか。

健康福祉課長:今後の運用については、障害者団体、高齢者団体それぞれの利用ニーズ等を考慮しつつも、運転手の確保等、様々な課題を踏まえ、方向性を検討する必要があると考えている。

松岡議員:福祉バスの課題は以前からわかっていたことだ。代替施策をしめさないまま今日まで来ている。枚方市は、「福祉バス」サービスの低下、「生きがい創造学園」の廃止、老人福祉センターの有料化、高齢者外出支援事業の廃止とことごとく求められた高齢者の自主活動を支援せず、老人クラブの減少対応もできずにきたのではないか。ニーズにあった対策を強く求める。

●広瀬議員
・生活保護ケースワーカーの適正な人員配置を

広瀬議員:生活保護ケースワーカーの配置状況は、令和5年4月末で、標準配置数74人に対して54人の配置で20人不足している。これでは適正な配置とは言えない。
 また、本来は正規職員が担うべきだが、ケースワーカーの一部は、任期付常勤職員を配置されている。この職員の月額給与は、他市と比べて数万円の差が生じている。このため本市で経験を積んだ後に他市に人材流出するといったことにも繋がっているのではないか。こうした状況について、どのように課題認識をもっており、対策を講じてきたのか。

職員課長:職員数の適正化を進める中でも、人材確保が困難な職種については状況を勘案し、処遇面の見直しを行ってきた。任期付常勤の生活保護ケースワーカーの確保が困難な状況にあることは認識しており、今後も引き続き、人材確保に努めていきたい。

・クーラー設置の実態を把握し支援策を

広瀬議員:生駒市では生活保護を受けていてエアコンを設置していなかったり、故障して使えなかったりする世帯などを対象に、10万円を上限にエアコンの購入や設置にかかる費用を助成することを決めた。6月に市が市内の生活保護を受給しているおよそ480世帯を対象に実態を調査したところ、少なくとも15世帯がエアコンを設置していなかったということだ。本市でも実態を把握し、必要な支援策を講じるべきだ。
 また、夏季加算についても国府に要望を。

生活福祉課長:エアコンの設置は、保護開始時や転居の際に新旧設備の相違がある場合等に冷房器具の持ち合わせがない等、一定の要件を満たす生活保護世帯に対して、購入・設置費用が扶助される仕組みとなっている。支給要件を満たさない世帯で、エアコンが使えない世帯に対しては、社会福祉協議会の貸付の利用を助言している。エアコンの設置状況は、ケースワーカーが訪問する時などに状況を確認し、助言等に努めている。
 また、夏季加算については、昨今の猛暑に対し、電気代支払いに対する不安からエアコン利用が抑制されないよう、今後も引き続き要望していく。

広瀬議員:この夏、生活保護を利用されていた方が自宅で熱中症で亡くなられたが、クーラーは設置されていなかった。実態把握できる体制をつくり、支援策を講じるべき。
 市は児童相談所設置に向けたロードマップを発表するとされているが、福祉事務所の現状を見ると、専門人材の育成、確保ができるのか心配になる。専門人材の育成、配置がはかられないことで市民の人権や命が脅かされることはあってはならない。現状は不適正であり、しっかり改善を。

・障害者サービスの利用開始を円滑に

広瀬議員:障害支援区分認定審査会とはどのような体制で実施されているのか。また、開催頻度はどうなっているのか。
 新規認定、変更に要する期間について概ねどの程度の期間を要しているのか。

障害支援課:審査会の委員定数は20名で、5名の委員で構成される4つの合議体があり、障害支援区分の認定審査を合議体ごとに行っている。令和5年度は月2回程度の割合で、25回開催し、審査件数は855件。また、申請があってから、障害支援区分が認定されるまでに要する期間については、平均すると概ね2か月程度。

広瀬議員:介護サービスの認定より期間を要する。障害福祉サービスでは、介護サービスとは違い、申請日に遡っての対応ができないと聞く。この点について市ではどのように考えているのか。

障害支援課:障害者総合支援法では、障害支援区分認定について明確な遡及規定がないことから、原則遡及していない。

広瀬議員:緊急、その他やむを得ない事情により、直ちに支援が必要な方にはどう対応されているのか。」

障害支援課:障害支援区分の認定までの期間で、緊急、その他やむを得ない理由によりサービスが必要な場合には、制度として特例介護給付費による対応を行っている。一旦、自費でサービスを利用していただき、後日、支援区分の認定後、サービスの支給決定を行い、支給決定された範囲内において、要した費用を償還払いで支給する。

広瀬議員:事情をしっかり把握し適切に対応を。
*障害支援区分認定…障害者サービスの利用を開始するときに必要となるものです。

・教員の欠員は深刻 最大で小学校13名、中学校11名が不足

広瀬議員:令和5年度小学校で11名、中学校で11名の欠員が5月1日時点から生じていたが、この欠員についてはどのように対応をされてきたのか、最大で何名の欠員状態となったのか。

教職員課長:令和5年度の欠員の最大数は、小学校13名、中学校11名でした。欠員となった際は、補充教員が見つかるまでは校内体制で対応をしています。人材確保のためには、のべ1000件を超える電話連絡等やペーパーティーチャー・大学生向け説明会の実施、SNSによる求人掲載等を行うと共に、メンタルヘルス対策の充実を進め、安心して勤務できる職場環境づくりを強化し、枚方で勤務したいと思う方を一人でも増やすよう取り組んだ。

広瀬議員:欠員は校内体制で対応というが、フォローに入る先生の業務負担は増大する。補充が見つからないまま年度を終えるケース、最大期間はどうだったのか。

教職員課長:欠員の補充教員が見つからないまま令和5年度を終えたケースの最大期間は10ヶ月。

広瀬議員:欠員が補充できないのは本当に大変だ。今年度は市費の講師が9名確保できずダブルカウントが実施できない学級が生じている。1年生のクラスで36人学級となり、騒がしくてクラスに入るのがしんどいと子どもが言っているとの話も聞く。
 また、保健室の先生がいいない、担任がいない、修学旅行の引率も他学年が応援しなければならない、緊急信号があちこちでともっている。
 府費の定数内講師の人数と割合は令和3年度が39名で4%、4年度が52名で5%、5年度が67名で6%と年々増加傾向だ。全国的に見ても大阪府の非正規率は高いのではないか。府費の講師確保も教職員課の業務だ。正規の教職員確保も非常に困難な状況だが、最大限の努力を大阪府教委にも引き続き強く求めていただきたい。

・共産党議員の要望を受け入れ、減らされた雑誌タイトル数が徐々に回復

広瀬議員:雑誌タイトルは増加しているが、資料費はどうなっているのか

中央図書館長:雑誌等の購入に係る逐次刊行物購入費の令和5年度の決算額は、1,011万6,386円となっている。  広瀬議員:逐次刊行物の購入費は、令和3年、令和4年度は800万円程度に落ち込んだが、令和5年度は約1,000万円まで回復をした。しかし、漫画については相変わらず寄付頼みという事で新駅前図書館もすべてが新刊のなかマンガだけは違う状況だ。ぜひ一度、社会教育委員会議でも漫画を含む蔵書計画について意見を聞くべきだ。

〇庁舎の老朽化対策、空調改修について

 令和4年度に予定されていた庁舎本館の空調整備が5年度に先送りに。5年度に部分改修を実施したが、6年度、酷暑の中、空調が故障。室温が30度を超える状況に。また、5年度は外壁落下、雨漏りによる漏電の被害も生じた。庁舎の老朽化は深刻で早期建替えが必要だ。

・国民健康保険の令和5年度の差し押さえ件数は1188件
維新府政がすすめる保険料統一にメリットなし

広瀬議員:令和5年、6年度、保険料の完全統一が実施されている都道府県の状況を聞く。あわせて、広域化により大阪府の財政負担の割合は増加されているのか。

保険年金課長:保険料の完全統一が実施されている都道府県は、令和5年度は0件、令和6年度は大阪府と奈良県の2府県。大阪府の財政負担は、医療給付費等の9%、低所得者に係る保険料軽減分の3/4・保険者支援分として1/4で、広域化前と変わりません。

広瀬議員:実施は2府県にとどまっており、保険料を統一することは義務ではない、そして、国会でも府議会でも確認しているが、今も保険者である市町村には保険料の決定権がある。また、説明されたように、大阪府の財政負担が強化されるわけでもない。にもかかわらず大阪府が保険料を統一する意味、必要性はどこにあるのか。とりわけ、物価高騰が続く中で6年度からの統一を進めることが妥当だと言えるのか。

保険年金課長:府内のどこに住んでいても、「同じ所得、同じ世帯構成」であれば「同じ保険料額」となるよう、府内全体で被保険者間の受益と負担の公平化を図るため、保険料を統一したもの。

広瀬議員:基金に7億円あっても独自で軽減にはあてられないと言うことになる。 大幅値上げのもと滞納者の状況がどうなっているのか。令和5年度3月末日時点の滞納世帯数の割合を聞く。

保険納付課長:令和6年3月末日時点の国保加入世帯数は46,482世帯、うち滞納世帯数は4,138世帯であり、割合としては8.90パーセントになる。

広瀬議員:これらの滞納世帯に対する差押件数について、コロナ以前の令和元年度及び直近の令和5年度の件数は?

保険納付課長:差押件数は令和元年度が合計276件、令和5年度は合計1,188件。

広瀬議員:元年度と比べると5年度は差押件数は約4倍となっている。なぜここまで件数が増えているのか。市民から厳しい取り立てを行っているのではないか。

保険納付課長:令和4年度から財産調査に重点を置き取り組み、資力のある滞納者が多く判明したことによる。

広瀬議員:どれだけ窮状を訴えても分納相談にもいきつかず、滞納世帯の生きる希望も奪う現状ではないか。納付困難な方に対しては、寄り添った対応を行うべきだ。

・後期高齢者医療 窓口2割負担は受診抑制を招く

 75歳以上の後期高齢者医療の窓口負担は、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合200万円以上、複数世帯の場合合計320万円以上の方は、窓口負担割合が2割となりました。

広瀬議員:窓口負担割合が2割となる対象割合と人数を聞く。また、こうした方を対象に令和4年10月1日から令和7年9月30日までの3年間は、1か月の外来医療の窓口負担割合の引き上げに伴う負担増加額を3,000円までに抑え配慮措置が実施されている。この適用で払い戻しとなる方は、高額療養費として、事前に登録されている口座へ後日自動的に払い戻しが行われ、口座が登録されていない方には申請書を郵送し、記入の上で返信をしていただく必要がある。対象者のうち口座登録がされている方の割合と郵送で申請書を送った方のうち返信がない方はいなかったのか。

保険年金課長:令和5年度末時点で、本市において窓口負担割合が2割である被保険者は15,284人で、全体の23.73%。
 窓口負担割合が2割になった方への配慮措置について、対象者のうち払い戻し先の口座登録がされている方の割合は、算出できない。

広瀬議員:広域運営により実態がわからないが、後期高齢者を狙った詐欺被害も多く、郵送物も何を信用すればよいのかわからないという声もある。負担緩和の制度が利用されないと言うことのないよう、広域連合と連携し、安心できる手法で口座登録が進むよう取り組んでいただきたい。
 2割負担になり、先生と相談して薬を減らしたとの話を聞く、民医連の調査では大阪でも「手遅れ死」が生じている。制度改悪に歯止めをかけるよう求めていただきたい。

●討論(松岡議員が行いました)

 2023年度の特徴の一つは、長く続いたコロナは5類となり、医療費自己負担が必要となった。また、激しく物価が高騰し、市民の厳しい暮らしの状況が続いた。
 23年度の一般会計決算は、実質収支が24億円の黒字、単年度収支は1億円の赤字となった。経常収支比率においては、97.6%と昨年度より一層の硬直財政に陥った。
 また、物価高騰が、市駅周辺再整備事業にも影響を及ぼし、総概算事業費について109億円の増額がされた。決算では、市駅再整備事業費は、「財政面での将来の影響について、慎重に24'年度の決算状況を見極める必要がある」との見解が示された。大型開発ではなく、市民の暮らしや命を守る施策を実施するべきである。
 こうしたなかでも、暮らし支える水道料金減免、小規模事業者支援、学校給食費支援、福祉施設などに対する光熱費等支援、子ども医療費助成の充実、若者入院助成の実施、またトイレに生理用品の設置、さらに市独自として住民税均等割りのみ課税世帯への給付等の実施については、(一定の)評価をする。
 以下、個別の課題について意見を述べる。

市駅周辺再整備事業について
 23年度決算額として、B街区の床購入費が含まれた約75億円が計上された。
 多額の税投入がされたうえ、朝の10時までは行政サービスフロアに行くには警備のための費用として、約300万円が必要となった。
 環境影響評価の決算額も計上されたが、市長の公約などが掲載された維新プレスでは、議案説明と異なる「D街区が前提の事業」と記載されていたため確認を行った。結局議会説明が正しいことを確認できたが、執行機関の代表者として混乱を起こさぬよう努めるべきである。市役所庁舎移転条例は、再提案もされず、C街区への計画変更もされず一年が過ぎた。計画内容を見直すべきだ。

民主主義守る自治体としての役割について
 公職選挙法違反疑いでは、市民らは警察に告発した。今回の処分は「起訴猶予」であったことを市長は受け取めるべきだ。
 組合事務所をめぐる団体交渉拒否問題では、市の敗訴が確定した。裁判費用約229万円は市民負担だが、弁護士との相談記録は、残っていない。その他の文書でも、公開文書を非公開とするなどの例もある。条例の主旨に沿い事務執行を行うよう徹底することを求める。

暮らしや命守れる人事政策について
 枚方市の職員数は、全国中核市平均と比較して少ないなか、職員の方々は能登半島支援にも参加をした。また、職員の基本的給与額部分は市の負担である万博の協会に数年にわたり3名もの職員派遣も行っている。3名もの派遣は府下で5市のみであることや、こうした派遣の実態はどこにも記載がなく知ることができない。改善を求める。

子どもの成長・発達を支える保育、教育について
 保育所の待機児童は、年度途中で国定義で約40名、市定義で500名を超えている。0歳から就学前までの保育施設を設置すべき。民営化ではなく、プランで示した公立の役割をしっかり果たせ。
 教育では教員や、支援教育支援員、肢体不自由介助員の処遇改善とともに確保を行い、増加している不登校児童の対応などに務めるよう求める。

企業・各特別会計について
国保会計:予定収納率以上の収納率を確保し、差押さえ等の件数は19年度比較で4倍以上だ。物価高騰で市民が苦しむなか、府下統一保険料をやるべきでない。
後期高齢者会計:窓口負担が引き上げられ,医療控えが心配。広域運営は問題だ。
介護会計:介護保険料を原資にしたPFS事業が初めて取り組まれたが、結果は目標未達成となった。全ての世帯の保険料値上げと実態に見合っていない特養確保数が23年度に策定した、高齢者保健福祉計画第9期で示された。問題だ。
水道会計:給水停止執行は今後さらなる福祉部局との連携実施を求めて賛成
病院会計:自治体病院の看護師不足は全国的な課題。処遇改善と合わせて人材確保に取り組むよう求めて賛成
 一般会計には反対であり、国保・後期高齢者・介護の各特別会計にも反対。他の会計及び、各未処分利益剰余金の処分についての議案については賛成する。

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