３月定例月議会

◎予算特別委員会

　大型開発推進、くらし守らぬ新年度予算（一般会計・国保・後期・介護）に反対
…新年度予算に対する日本共産党議員団の討論（広瀬議員）

・市民のくらしに焦点を

　令和6年度一般会計当初予算の規模は、対前年度比12億円(0.8%増)の1,557億円として計上された。所信表明と同様に、子育てと市駅周辺再整備、この2つの最重点施策を強力に推進するとともに、ひらかた万博の推進を図ることを予算編成の基本的な考え方として示した。
　市長は所信表明で、今こそ、市民が主人公という本市のまちづくりの根源に立ち返り市政運営に取り組むと述べたが、掲げた最重点と万博推進は、その市民の思いにかみ合っているのか。物価高騰や超高齢化、人口減少が進むなか、市民が不安に思っていること、今困っていること、市民の暮らしの支援にもっと焦点を当てるべきだ。

・人口減少時代に大型開発はすべきでない

�@枚方市駅周辺再整備について
　能登半島地震を教訓として、災害対策の強化が求められる。いつ起こるか分からない巨大地震に備え対応できるよう求められているのは、職員力とともに、老朽化した市役所を早期に再整備することだ。
　全員協議会で示された、�C�D街区のまちづくりの新たな道路案は矛盾だらけ。�C街区庁舎案の真剣な検討も不十分、�D街区庁舎案ありきの対応だ。人口減少時代に、過剰な開発計画を進め市の命運を託すようなことはすべきではない。

�A子育て施策について
　子ども食堂の充実、小学校給食の無償化に踏み込んだ。共産党議員団としても要望を重ねており大賛成だ。憲法で定められた「義務教育は無償」の観点から国が実施に踏み込む世論形成に、自治体としても力を尽くすべきだ。
　少子化に歯止めをかけるために、政府は「こども未来戦略」を打ち出した。新年度予算にも関連予算が計上されているが、これで少子化に歯止めがかかるとは到底思えない。

・ジェンダー平等の推進を

　同時に、少子化対策の中で、産めよ増やせよとの圧力がかからないように、リプロダクティブ・ヘルス/ライツが守られること、性の多様性が尊重されることが重要であり、ジェンダー平等政策の推進が必要だ。しかし、新年度から人権政策室が廃止され、体制の弱体化を懸念する。
　新年度予算にも公立保育所の民営化経費が含まれるが、子どもの権利を守るとか保護者に寄り添うとか言うのであれば、それに反する公立保育所潰しはすべきではない。
　市長は、開発により子育て世帯を呼び込もうとしているが、子育ての社会化、介護の社会化を図り、枚方市に住みたい、住み続けたいと思えるまちづくりをすべきだ。

・市独自の少人数学級を廃止

　教育も最重点課題だが、決して十分ではない。不登校支援対策の充実が図られている点などは評価するが、新年度予算では、少人数学級編制事業の充実のための予算4,508万円が減額され、市独自の努力はダブルカウントのみとなった。しかし、必要となる先生の確保も不十分で、10名程度の市費講師が不足となっている。市費講師の魅力アップに向けた特別の対策が必要だ。教員不足の解消に向け一層の努力を求める。

・問題だらけの万博推進

�Bひらかた万博の推進と、万博子ども招待について
　この間、「ひらかた万博って何やねん」という疑問に応えるため、吉本芸人を呼ぶなどし、取組を進めてきたが、果たして、ひらかた万博は市民に浸透してきたのか。そもそも、万博を関西経済の起爆剤にと取り組まれているが、大本にはカジノIRがあることを繰り返し指摘してきた。こどもゆめ基金の活用による2回目以降の招待にも反対だが、学校行事としての万博遠足は、安全性の確保がしっかりと図られること、学校の自主的な判断を尊重することを改めて求める。

・切り捨てられる高齢者福祉

�C老人福祉費の減額
　まちかどデイハウスの補助金廃止、特養ホームの目標整備数の引下げは納得できない。交通運賃助成など高齢者の願いもふくまれていない。
　以上の理由で、一般会計、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計、後期高齢者医療特別会計に反対する。

◯一般議案審議

・保育施設における保育士配置基準の一部条例改正について
保育士配置さらなる拡充を

　３月議会最終日（３月２８日）、国の法改正に準じた保育施設における保育士配置基準の条例改正が提案され、松岡議員が質疑・賛成討論を行いました。
松岡議員：今回の改正は、1948年以来そのままだった、４歳児以上の保育士配置に合わせて、３歳児の配置基準の改善もされ、国に準じた配置基準改正を行うことになるが、市は、配置基準の改善の必要性について、どのような認識か？
子ども未来部長：本市ではこれまでから、一歳児の保育士を独自で配置をしてきた。きめ細やかな保育を提供する上で、職員の配置改善の必要性については十分に認識している。
松岡議員：４・５歳児の配置基準は30対１から25対１へ、3歳児は20対１から15対１と改善される。しかし国は１歳児の基準は令和７年度以降に見直すと先送りし、１歳児以外も『当面の間』という経過措置を設けた。　市はこの『当面の間』という期間をどう捉えているのか。
　また、改正後の基準は保育施設で適用していくのか。
　さらに、国基準に枚方市独自で保育士配置の上乗せをし、保育環境の改善をすすめるべきではないのか。
子ども未来部長：実施時期等については、国の動向等を注視していく。
　公立保育所では、新たな配置基準にて運営し、民間施設についても、人材確保策の検討と、改正後の条例に基づいた運営の実施を促す。

…松岡議員の行った討論
　今回の改正は、国民の強い願いだったものだ。しかし、保育士配置実施の経過措置（当面の間）については、期限も示さず公私間格差を生む可能性がある。よって公私問わず実施を求める。
　そのためにも、国の改善を待たずとも保育士確保策の拡充を進めることとともに、市独自で保育士の配置改善を図ることを期待して賛成とする。