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定例市会報告

◎3月議会

〇「2024年市政運営方針」に対する代表質問(要旨)
…つつみ議員

 3月議会初日に表明された、伏見市長の令和6年度「市政運営方針」に対し、日本共産党議員団を代表して、つつみ議員が質問を行いました。

・市民の暮らしに寄り添った支援策が不十分

 市政運営方針では、子育て・教育環境の充実と枚方市駅周辺再整備を最重点施策として、「選ばれるまち」をめざす。このため、さらなる行財政改革を推進するとして、市民への福祉サービス削減を続行し、市民、高齢者への支援策が乏しい内容、交通運賃助成など切実な要求にこたえていません。「誰一人取り残すことのない市政運営」と銘打った市政運営方針とはおよそ程遠い内容です。
 質問では、物価高騰で暮らしが厳しい枚方市民の福祉サービス削減を改め、市民と職員の意見を真正面から受け止め「真に市民が主役となる」市政運営を進めることを強く求めました。

・市民の声を聞き、市民が主役の市営運営を

つつみ議員:「市民が主役」という本市まちづくりの根源に立ち返るとのことだが、具体的には、どういうことを意味するのか。
市長:市政運営や、まちづくりの施策展開において、市民を中心に据え、ニーズや課題に即した取り組みを進めていくといった、基本的な取り組み姿勢を表したもの。
つつみ議員:新型コロナの影響で厳しい事業者や物価の高騰の中、市民の暮らしも大変厳しい状況だ。その上、国民健康保険料や介護保険料など社会保障費の負担は増えていく。こんな現状をどうとらえているのか。市民のニーズや課題に即した取り組みを進めていくために、市民の声をどのように聞き、市政運営にどのように反映されているのか。
市長:様々な機会を捉えて、市民の皆様からの声にしっかりと耳を傾けながら、市政へと反映していく考えだ。
 また、市民や事業者に対しては、長引くエネルギー価格や物価高騰の影響を受けている現状を踏まえ、必要な支援を講じている。
つつみ議員:これまで、どんな機会に声を聞いてきたのか。市民からの懇談要望に応え、子どもたちの声、子育て中の方の声、高齢者の声、障がい者の声など、様々な声に丁寧にきちんと向き合い、だれもが安心して暮らせるまちになるよう求める。

・防災予算を増やし、巨大地震への備えを

つつみ議員:能登半島地震被災者への支援と、障がい者や高齢者など社会的弱者への対策はどうなっているのか。
市長:「安否確認や避難支援」「避難所における生活環境の充実」や「福祉用具の確保」「福祉避難所での受け入れ体制の整備」など多岐にわたる取り組みが必要であり、具体的な対策などを検討していく。
つつみ議員:これから起きる可能性が十分に考えられる巨大地震に対しての備 えは、市民の命を守るために防災へ の予算を増やすなどしっかり進めて ほしい。高齢者や障がい者など社会的弱者といわれる方々への対策は、当事者の方々の声も聞き進めるよう求める。

・待機児童対策…思い切った施策を

つつみ議員:待機児童は461人。待機児童「通年のゼロ」をどうやって目指すのか?
市長:国や他市の動向等も踏まえながら検討するとともに、今後、策定予定である「(仮称)こども計画」のニーズ調査の結果も踏まえ、保育需要を見極めながら、待機児童対策も含めて検討していきたい。
つつみ議員:これほどの待機児童数が発生しているということは、やはり市における保育施設数が絶対的に足りていないということだ。保育所を増やすなど思い切った施策を打ち出すべき。

・人員体制を確保し、人権施策の推進を

つつみ議員:4月からの機構改革で、男女共同参画を担っている人権政策室を廃止し、人権政策課にすることが示されている。男女共同参画やジェンダー平等、女性活躍の推進も含めた計画策定に向けての市民意識調査など、多岐にわたる業務や相談対応を進めていくことになる。専門職をはじめこれまで以上の職員体制が必要となるが、どのように対応するのか。
市長:この度の機構改革においては、機動力を重視し、全庁的に「室」を廃止することに伴い、人権政策室も「課」に再編することを予定しいるが、人権政策室が行っている男女共同参画も含めた人権施策の推進などに対応できる体制整備を行っていく。

・比較平和都市宣言市の市長として役割を果たせ

つつみ議員:枚方市は平和首長会議、日本非核宣言自治体協議会に加盟し、自治体協議会では副会長を務めている。先日、長崎市に視察に行った際に、広島・長崎の両市議会議長からぜひ核兵器禁止条約の早期締結を求める署名活動を進めてほしいとの訴え文書をいただいてきた。枚方市でも、市をあげて署名活動の促進について取り組むべきと考えるが見解を伺う。
市長:本市では、非核平和都市宣言をい、核兵器の廃絶と世界平和を願って平和施策を推進している。
 署名は、市民の皆様における自発的、主体的な行動によるものであると考えているが、本市が加盟する平和首長会議において、署名活動の促進を、核兵器廃絶の取り組みの一つとして実施している。
つつみ議員:ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザへの攻撃などが続き、平和を求める声をより大きく広げる必要がある。ぜひ、枚方市でも署名の推進をするよう求める。

〇2024年度当初予算について

・一般会計 前年度比12億円増の1557億円

 令和6年度当初予算では、小学校給食の無償化をはじめ、子育て世帯をターゲットにした施策の充実に一層取り組むとともに、市駅前サービスフロアのオープンに向けた取り組みなど枚方市駅周辺の再整備を進めると示されました。加えて、万博会場への子どもたちの無料招待の予算や機運醸成のためなど課題のある予算も計上されています。また、高齢者の方々の要望でもある、公共交通運賃助成などは含まれておらず、高齢者への支援策が乏しい予算となっています。
 議員団は、現在開かれている予算委員会(広瀬議員・みわ議員)に、市民の暮らしを支える為の予算となっているのかという視点で審議にのぞんでいます。
 主なもの
 ・小学校給食の無償化
  令和6年度の2学期から小学校給食の無償化を実施(約5億8300万円)
  また、物価高騰の影響が給食の質の低下につながらないよう対策を講じる。
  (約7000万円)
 ・市駅周辺再整備事業
  B街区行政サービス再編関連事業、岡東町地区土地購入費等
  (約10億1800万円
 ・万博会場への無料招待
  万博会場に、4歳から高校生までの希望者のみ無料招待する。
  (約6600万円)
 ・子ども食堂補助制度の拡充
  子どもの居場所の充実として、子ども食堂でより多くの食事提供に対応する。(約500万円)

〇予算特別委員会

 2024年度当初予算の審議が、3月12日〜25日開かれ、共産党議員団から、広瀬・みわ議員が質疑を行いました。

●広瀬議員

・ジェンダー平等を推進し、少子化対策・子育て応援の充実を

 新年度予算編成では、市駅周辺再整備とともに子育て施策の充実が最重点課題だとして、「こども・子育て応援パッケージ」約60億円を打ち出しました。

広瀬議員:子育て、教育の予算はどう増額されたのか。
財政課長:児童福祉費は前年費12億6300万円、4.2%増の313億2200万円、教育費は19億700万円、13.8%増の157億300万円。学校給食の無償化以外、市独自の支援として、子どものSNS相談(18歳まで対象拡大)不登校支援員の配置強化等を計上している。
広瀬議員:子育て、教育をあわせると31億7千万円、7.2%の増額となる。ところが、「こども・子育て応援パッケージ」は約60億円と2倍の金額で示している。新規事業だけだと6億8450万円だ。約60億円とはどういうことか。
企画課長:児童手当など市の裁量の及ばない事業をのぞいたうえで、子育ての負担軽減、教育の一層の充実、子どもの課題解決などにつながる新規・拡充事業、既存事業の主なものを選びまとめたものだ。
広瀬議員:60億円という金額でアピールしているように聞こえる。誰向けのアピールなのか。
 豊中市の新年度予算は、こども・教育分野に対前年度比52億8224万円、9.6%の大幅増となる大胆な配分を行い、修学旅行費や教材費の無料化など義務教育の無償化を追求し、「子育ての社会化」を目指し、積極的な施策を打ち出している。子育ての負担がまだまだ女性や家庭にのしかかっており劇的に変えていく必要がある。子どもの権利を守り、ジェンダー平等社会をめざし、必要な施策の更なる推進を求める。

・暮らし、高齢者支援の予算は不十分

広瀬議員:厳しい暮らしが続くなか市独自の暮らしの支援は新年度予算としてどのようなものが見込まれているのか。
財政課長:子育てや教育の支援策のほか、悩みごとの解決に向け必要な支援につなげる福祉サービス検索システムの導入や不妊治療検査費助成、急病時に受診できる医療体制の確保としてひらかた病院への負担金などを計上している。
広瀬議員:高槻市は市独自に20億円のプレミアム商品券事業に取組む。子育て世帯に限らず暮らしの支援もしっかり講じてほしい。
広瀬議員:老人福祉費は、昨年度は、27億6千万円であったが、新年度は13億1千万円と14億5千万円も減少している。その理由は何か。
財政課長:特別養護老人ホームなどの公的介護施設等整備事業経費について、前年度比10億5千万円減の9,100万円となったこと。新型コロナウイルス感染症対策における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業補助金について、前年度比4億1千万円減の4,100万円となった。
広瀬議員:公的介護施設等整備事業費の減額、10億5千万円は非常に大きい。子育てとともに、介護の社会化が求められてきた。そのために介護保険制度がつくられたわけですが、まだまだ介護離職が迫られる状況にある。詳細は特別会計で聞くが、ジェンダー平等社会をつくる柱として、「介護の社会化」、基盤整備にも取り組んでいただきたい。
 また、高齢者の移動の権利を保障する、交通運賃助成など高齢者のみなさんから強く要望をされている施策についても、ぜひ進めるよう要望する。

・一般ごみ収集100%委託の見直しを

 一般ごみ収集業務の委託化は、平成31年1月に策定された「ごみ収集業務体制の見直し実施計画」にもとづき、段階的に進められており、令和6年度から100%委託となり、7年度には契約更新時期を迎えます。
 令和6年度の一般ごみ収集業務委託料は、10億731万4千円で、委託車両の台数は、2t塵芥車45台、3.5t塵芥車11台、小型ダンプ車が2台の計58台となっています。
広瀬議員:計画策定前の平成31年度には、1台当たり約1,685万円だったものが、令和6年度には、1台当たり約1,737万円と52万円引き上がっている。しかも乗車人数は3人から2人に減員されており、仮に直営の職員が諸経費も入れて1人あたり約700万だとしたら、コストメリットがあるのか疑問だ。
 次期、委託契約では人件費の引き上げが見込まれるため、委託料はさらに引き上がるはずだ。令和6年度に計画の最終年度を迎え、一般ごみ収集は100%の委託となるが、計画の検証や見直し作業は行われるのか。
家庭ごみ業務第2課長:「ごみ収集業務体制の見直し実施計画」の最終年度を迎え、これまで、適時、検証等を行いながら計画を進めてきた。引き続き、市民サービス水準の維持・向上が図れるよう効率的・効果的な収集体制の構築に取り組む。
広瀬議員:検証を行いながら進めてきたとのことだが、コストメリットも不明確だ。自然災害などの不測の事態が発生した場合に、本当に支障が出ないのか危惧する。災害時に市民のために働ける職員がいることが最大の災害への備えであり、このまま一般ごみの100%委託を進めるべきではない。

・王仁公園のフットサルコート提案内容実施できず、
無責任なやり方でpark‐PFIを拡大するな

広瀬議員:王仁公園にPark-PFIの手法を用いて、フットサルコートの設置が予定されていたが、関係機関との協議に時間を要するため4月からの事業実施が出来ないと知らされた。整備状況を伝える写真が添えられていたが、これにも驚いた。提案時はクラブハウスは2階建てだったが、どこからどう見ても1階建て、2階には「フットサルコート利用の方以外もくつろげる空間をつくる、男女別の更衣室を設置する、1階には障がい者用更衣室やトイレも設ける」となっていた。
 提案内容はなぜ変更され、どう変更されているのか。事業実施の状況が提案内容から大きく逸脱する場合、どう対応をとるのか。そもそも実績がなく期日通りの実施が出来るのかと不安視をされてきた。市は今後どう対応していくのか。
工事委託課長:現在整備中のPark-PFI事業は、多目的に利用できる運動施設として公募したもので、昨今の急激な物価や人件費の上昇といったやむを得ない事情により、公募設置等指針の求める要求事項に適合する範囲での変更を認めたものだ。
 今後は、早期の整備完了と運営開始ができるよう、引き続き、当該事業者に対し指導と助言を行っていく。
広瀬議員:「クラブハウス等の外観やその構造・設備等についても王仁公園全体の魅力向上にとって有益であり、バリアフリーなどに配慮している点も評価できる」として選定したにもかかわらず、これがどう変更されたのかも説明できない。
 こうしたPark-PFIの更なる拡大は理解できない。

●みわ議員

・学校給食について

みわ議員:学校給食費支援に、7,013万8千円、小学校給食無償化に5億1,338万の予算について伺う。
 学校給食は、令和6年度2学期から給食を無償化し、その上で、食材料費の価格上昇分を補助するが、中学校給食の物価高騰に伴う対応について伺う。
おいしい給食課長:中学校給食におきましても、小学校給食と同様に、学校給食費支援事業費により、食材料費価格上昇分を補助しており、令和6年度においても継続して実施していく。
みわ議員:中学校給食の全員喫食・無償化事業は早くとも3年後、遅ければ4年後になる。義務教育における負担の軽減は同等にするべき。
 中学校の給食費の無償化に相当する経済的負担の軽減について伺う。
企画課長:中学校については、まずは、全員給食の実現に向けて取り組みを進めるとともに、無償化に関しては、国の検討状況や今後の市の財政状況等を見極めながら、適切な時期に判断していく予定をしている。
みわ議員:国に要望するとともに、それを待たずに支援が必要だ。
 近隣市である高槻では、家庭からお弁当を持参している方への支援を行う予定。豊中は、修学旅行費や、行事費、ドリルなどの副教材費を無償にするなど、取り組んでいる。子育て支援の抜本的強化を求める。

・少人数学級について

みわ議員:少人数学級充実事業講師配置、3億9,416万4千円について、前年度と比べると4,508万円の減額となっているのは何故か?
教職員課長:少人数学級編成にかかる市費任期付き講師の人件費の減少によるもの。
みわ議員:少人数学級編成に必要な講師の人数が減少するということだが、しかし、その講師が足りていない。不足は何人か?
教職員課長:現時点で10名程度不足となる見込み。教員不足の場合は、特別支援教育支援員等の確保に努める。
みわ議員:令和6年度は、特別支援教育支援員を30人に増員して配置とある。この支援員は、通級指導教室設置校だけでなく、市独自の少人数学級編成(ダブルカウント)に係る講師が配置されない学校、不登校支援協力員が配置されない学校に配置すると聞く。人員は確保出来ているのか。
児童生徒支援課長:特別支援教育支援員の配置校を小中学校49校にまで増やすが、すべての学校に通年・短期任用人員を配置できる見込み。
みわ議員:ダブルカウントに係る不足や不登校支援協力員が不足するところも含めて、配置できるとのこと。
 今回は、緊急の対応だが、今後、ダブルカウントを必ず実施できるよう人材の確保を強く要望する。

・商工振興について

みわ議員:商工振興費1億7,606万3千円について伺う。
 コロナ禍で影響を受けた事業者に対し、実質無利子無担保で融資を行う制度(ゼロゼロ融資)の返済期限が迫り、事業継続が困難になり倒産、休業など危惧する。支援策はあるのか。
商工振興課長:地域活性化支援センターにおいて、経験豊富な専門家やアドバイザーが、無料で指導・援助を行うための委託料を計上している。
みわ議員:事業者向けに、様々な相談に応じるということだが、相談だけでなく、事業者を直接支援できる制度をつくるべきだ。

・子どもの居場所づくり

みわ議員:子ども居場所づくり推進事業費、498万9千円について伺う。
 子ども食堂の補助制度を拡充するということだが、内容は?
子ども青少年政策課長:子ども食堂の開催1回あたり、20食未満は5500円、20食以上は7000円の補助金として交付していたが、提供食数の増加を踏まえ、40食以上は1万円の区分を新たに追加する。
みわ議員:参加者平均38名だから、40食以上に新区分を設けたことは評価するが、物価高騰もある。実施状況をみて更なる支援の検討もいるのではないか。また、子ども食堂の全校区開設に向けて、支援強化を。

・地域支援交通の充実を

 地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデル事業経費が、86万円計上されました。
みわ議員:ボランティア輸送として、地域の特性に応じた移動手段の確保を、地域が主体となって推進できるように、自動車保険の費用や運転者講習費用等を補助している。事業実施から継続的に支援してきたが、これまでの実績を踏まえて、事業の現状と課題を伺う。
土木政策課長:この事業については「氷室台自治会」と「NPOすがはらひがし」の2団体に補助を行なっている。
 「氷室台自治会」では、令和3年度の事業実施以降、利用者が増加しているが、「NPOすがはらひがし」では、利用者の減少も見られる。
 2団体と意見交換等を重ねる中で、両団体ともに、運転手の高齢化や後継者不足の問題を抱えており、次世代の運転手の確保が課題。
 運転手の確保へ、ボランティア輸送への理解を深め、地域の方々が支えあっていく機運の醸成を図る必要があり、地域と連携して周知啓発にとりくむ。
みわ議員:地域の足を守るために、大事な取り組みだが、しかし、氷室台地域だけでの問題ではない。市内各地で、移動が困難な高齢者が増えており、外出を支援する対策は、市全域に関わる課題だ。
 隣の寝屋川市では、タクシー業界と連携し、成田地区、仁和寺地区、河北地区の3地区を対象に、自宅、バス停、スーパー、病院などの目的地まで、70才以上の高齢者、また妊婦、身体障がい者は、地区内を無料で送迎してくれる「ねやがわ乗り合い事業」を行なっている。こうした対策こそ必要だ。

・PFOS及びPFOAの原因解明と血中濃度の疫学的調査を

 公害対策に要する経費のうち、「公害調査・指導経費」として2,691万6千円が計上されました。
みわ議員:この中の「河川地下水等環境調査委託料」について、10月の決算特別委員会での松岡ちひろ議員の有機ふっ素化合物、PFOS(ピーフォス)及びPFOA(ピーフォア)の質問に対して、「暫定指針値を超える値が測定された」と答弁。令和6年度における河川環境調査の計画はどうなっているのか。
環境指導課長:有機ふっ素化合物(PFOS及びPFOA)については、河川環境調査の結果、環境基準点3地点、準環境基準点4地点の全7地点を測定地点として、2年間のローリング方式で測定を実施してきた。その結果、7地点中5地点で暫定指針値を超えたことから、令和6年度からは、毎年度、全ての地点で測定を実施する。
みわ議員:「毎年、全地点での調査を実施」とのことだが、暫定指針値を超えていることから、市民から健康被害を懸念する声もあがっている。原因を特定する調査も必要だ。市としてはどうするのか。
環境指導課長:PFOS及びPFOAはすでに製造等が原則禁止されているものの、分解されにくく、蓄積性が高く、過去の影響と考えられる。今後、国の動向に注視し、府とも連携し、環境調査を実施していく。
みわ議員:暫定基準値を超えている枚方から積極的なとりくみが必要ではないか。WHO・国際がん研究機関は、PFOAについて「発がん性がある」に分類した。アメリカでは、血中濃度の基準を設けている。日本でも疾病との因果関係を調査し、対策をとるべき。
 枚方市自ら、調査とともに血中濃度の疫学的調査の実施するよう求める。

《企業・特別会計》

●広瀬議員

・国保・後期・介護の保険料…物価高のなかトリプルアップ

 厳しい物価高のなか、国保、後期、介護の保険料の改定が実施され(議員団は反対)全ての世帯で引き上げとなります。
広瀬議員:平均的な年金世帯でどの程度の引き上げとなるのか。
国民健康保険課長:夫の厚生年金受給額が月額約14万5000円(年間1,740,000円)、妻の国民年金受給額が5万6000円(年間672,000円)の方の令和6年度の大阪府統一保険料率による国保年間保険料は、5割軽減が適用され、夫婦2人で年間95,780円となり、令和5年度より11,380円上がる。
後期高齢者医療課長:同モデルケースでは、均等割額5割軽減が適用され、夫51,560円、妻28,586円で、世帯合計は80,146円となり、令和5年度より2,334円上がる。
介護保険課長:市民税非課税世帯の介護保険料では、夫は「第3段階」で年額51,600円、妻は「第1段階」で年額21,500円、世帯合計は73,100円となり、令和5年度より2,300円上がる。
広瀬議員:どの制度の保険料も増額改定となり、なかでも国民健康保険料の負担が非常に大きくなっている。令和6年度より府内の保険料を統一されるためだ。負担を軽減するため「財政調整事業」が実施されるが、どのようなものでどう反映されているのか。
国民健康保険課長:「財政調整事業」として、府と市町村の国民健康保険特別会計における財源配分等の見直しを図り、府全体で統一保険料の抑制や平準化を行う。この取組により、令和6年度の一人当たりの保険料額は約5,100円抑制されている。
広瀬議員:財政調整事業を実施しても、保険料は大きく増加しており、保険料が支払えなくなる市民が増えるのではないか。新年度から保険納付課がつくられ、現在の債権回収課の場所で国保、後期、介護の納付窓口が一つになるが、現在よりプライバシーが守られ、丁寧な納付相談ができるスペースを確保できるのか。
市民生活部長:納付相談の環境整備については、4月に向けて現在も調整を行っているところだが、限られたスペースの中で、少しでも納付相談をされる市民の負担を軽減できるよう配慮していく。
広瀬議員:減免制度も充実させていけるよう取組を求める。

・特別養護老人ホームの待機解消…第9期計画の整備目標は不十分

広瀬議員:第8期計画における「特別養護老人ホーム」の施設整備目標と実績、第9期における目標数、および特別養護老人ホームの待機の現状を聞く。
介護保険課長:第8期計画では「地域密着型特別養護老人ホーム」を3カ所で87床の整備を見込んでいたが、1か所で29床の整備実績となっている。
 第9期計画は、「広域型特別養護老人ホーム」に併設しているショートステイからの転換を10床、「地域密着型特別養護老人ホーム」を1か所で29床の整備を見込んでいる。なお、第9期計画策定時に確認した待機者数は529人となっている。
広瀬議員:これでは全く足りない。在宅介護の限界点をギリギリまであげ、その他のサービスで対応するとのことだが、それで特別養護老人ホームの待機は解消されるのか。有料老人ホームでは高くて利用できないと、限界を超える老々介護や介護離職を招いてきたのではないのか。
市長:介護保険制度は、社会全体で介護を支えることを目的に創設された公的保険制度であり、市には要介護者のニーズに応じて、適切な介護サービスの提供を行うことが求められている。今後も更なる高齢者人口の増加、また、高齢者を支える現役世代が急減することを見据え、必要なサービスが提供できるよう取り組む。
広瀬議員:大阪府の資料で比較すると、同規模他市に比べ枚方市の待機状況は100人以上多い。にもかかわらず、第9期の計画は3年間で39床の整備目標しかない。求めている人に対して必要なサービス提供が出来てこなかった。続く、第9期の計画は目標さえ不十分だ。
 これでは必要なサービスの提供は出来ない。

●みわ議員

・上下水道料金の福祉減免制度…廃止検討は許せない

 水道検針業務、窓口・収納業務などの委託料として、2億436万円、下水道の委託料として1億861万6千円が計上されています。
みわ議員:まず、これらの水道検針業務、窓口・収納業務の委託内容について伺う。
営業料金課長:主な委託内容は、水道メーターの検針業務、窓口・電話などでの各種手続きの受付や料金徴収業務など。
みわ議員:徴収業務の委託についてだが、家庭の状況によっては、払いたくても払えない方もいる。水が止まることは、命にも直結する。払えない方に対して、どのような対応をしているのか。
営業料金課長:一括で支払いが難しい場合には、分割納付による入金の相談に応じている。また、給水停止予告通知書を投函する際や、給水停止を行う際には、仕事やくらし、お金のことでお困りの方に、福祉事務所などの相談窓口を掲載した文書も合わせ渡している。
みわ議員:徴収分割納付や福祉事務所などの相談窓口を掲載した文書を渡して丁寧に対応しているとのことだが、大阪市では、生活困窮者等の経済的支援を必要とされている方に、柔軟に対応している。福祉行政部門と綿密に連絡体制を確保するために、連携協定を締結し、異常を発見したときは、区役所へ即時通報する体制をとっている。さらに、2か月請求だったものを「毎月点検・毎月請求制度」を導入して、滞納額の減少と無断退去の早期発見、何より、滞納料金が少額になったため、市民にとっても払いやすく、市も「回収率の向上の一因」としている。他市の取り組みも参考にして対応の検討を求める。
 もっとも、水道は、ライフラインだ。上水道料金の福祉減免制度の廃止が、行政改革の課題として上がっているが、福祉の視点からも廃止は許されない。

・市立ひらかた病院、病棟の再開を求める
…看護師の育成とともに労働環境の改善を

 4階西病棟に続き、3月1日から、6階西病棟も、夜勤の看護師不足などを理由に、休棟しています。収益の減少に対する対策とともに、看護師の確保、育成にむけて、問いました。
みわ議員:今回の休棟によって予想される収益の減少に対して、どのような取り組みを考えているのか伺う。
経営企画課長:地域医療連携による紹介・逆紹介による患者数や診療単価の向上と共に、病床の利用率を上げていくことで、減収額を最小限にとどめたいと考えている。
みわ議員:北河内唯一の公立の総合病院として、役割を果たして頂きたい。頼りにしている患者さんに安心して医療をうけていただくためには、病棟の再開が重要。だが、令和6年度に採用予定の新人看護師の育成には、半年は必要だ。どのような取り組みをするのか。
総務課長:新人看護師については、「新人看護職員研修ガイドライン(国)」に「基づいて、研修を行う。また、夜勤については、入職後一定期間が経過してから、先輩の看護師と一緒に行い、必要な能力を段階的に身に付けられるよう取り組む。看護師の研修状況を踏まえながら、1病棟の開棟を目指す。
みわ議員:看護師の育成には、一定の期間が必要だということは再確認した。いま、全国の看護師から、労働現場の深刻な現状の告発が相次いでいる。医療従事者の確保は、労働環境の改善、人員の補充、心理的安全性の確保が不可欠。
 公立病院としての役割を発揮し、安全、安心な医療を提供するために、改善を図り、休棟病棟の再開にむけて着実にとりくむよう要望する。

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