◎12月議会
〇一般議案の審議
・「ガザ地区における平和を求める決議」全員一致で採択しました。
《決議文》
パレスチナ自治区のガザ地区を支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との戦闘が始まり、2か月が経過しました。双方の応酬は、同地区において、人命を深刻な危機的状況にさらすとともに、市街地に甚大な被害をもたらしています。
こうした状況を受け、我が国を含む先進7か国のG7外相会合は、「テロ攻撃を断固として非難し、全ての人質の即時解放を求める」とした上で、「同地区の人道危機に対処するため、戦闘の人道的休止と人道回廊の設置を支持する」旨の緊急声明を発表しました。
本市は、全世界の平和と安全が人類共通の念願であるとする「非核平和都市宣言」を行っており、このたびの紛争に関しては、いかなる理由があろうとも、一般市民への攻撃と非人道的行為は正当化できないと言わざるを得ません。
よって、本市議会は、これ以上人道危機が悪化しないよう、国際法に基づき、事態の早期鎮静化と人道状況の改善を図るとともに、一刻も早く紛争を終結することを求めるものです。
以上、決議します。
・議員報酬の引き上げに反対しました
12月定例月議会初日に、人事院勧告に従って職員の報酬等の引き上げ議案が提案され採択されました。同時に議員から提案された(共産党・維新の会を除く)議員報酬の引き上げに関する議案については、以下の討論をおこない反対しました。
討論
議員提出議案第1号 市会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について反対の立場で討論します。
一般職の給与や期末勤勉手当は、人事院勧告で示された国家公務員に適用される俸給表の改定に準じて、改定を行うことになっています。これは、地方公務員法に定められた均衡の原則によるものであり、法的根拠が明確です。
また、市議会議員の報酬などについても、同様に人事院勧告で示された国家公務員に適用される改訂に準じて行うことが基本と考えています。
しかし、現在、枚方市では、議会改革懇話会において議員報酬についての議論がされていることや物価の高騰で景気が悪化し、市民の暮らしが一層厳しくなっている状況下で、市議会議員の期末手当を引き上げることは市民の理解が得られないと考え討論とします。
〇補正予算の質疑
・環境影響調査 令和7年まで期間延長…枚方市周辺整備
環境影響評価は、「枚方市駅周辺再整備調査設計等事業」として令和4から5年の債務負担行為で、1億2千万円の限度額を設定しているにも関わらず、今回、債務負担行為で「環境影響評価業務委託」として7千万円を限度額とした異なる事業名称や金額で計上されています。
つつみ議員:令和5年度の予算を減額したのか、今後の予算執行はどうなるのか。
担当部長:枚方市駅周辺再整備基本計画を改定し、都市計画決定の時期を令和5年度から令和6年度に見直したこと及び、7月の環境影響評価審査会の審査を経て、調査内容等が確定したことから期間を令和7年度まで延伸し限度額を7千万円とするもの。
つつみ議員:審査会の意見でも、「整備計画の説明が全体的に具体性に欠けている」との指摘もありそもそも計画そのものについて納得できるものにはなっていない。C街区のみに整備を絞れば、こうした7千万円を限度として要するアセスの予算そのものも不要だ。位置条例が否決されたにも関わらず、環境影響評価など、事業が進められていることに対して納得がいかない。
・子どもが喜ぶおやつに…留守家庭児童会
留守家庭児童会室のおやつの提供に関する補正予算が提案されました。
9月に可決された1億8千万円の債務負担行為(令和6年4月から令和10年3月までの4年間分)に3億円を加え、4億8千万円とするものです。
今年度からおやつ代(2000円)を保護者から市が一括徴収し、提供を行う方式に変更しています。このため、これまで各児童会で子どもたちの嗜好や行事などに合わせて柔軟におやつの準備ができていたものが出来なくなり、誕生会のケーキがないなど子どもたちからも不満の声が寄せられていました。
広瀬議員は増額された予算の内容を問い、質や量、そして子ども達が喜んで食べられるものになっているのか、児童会の生活が楽しくなるように、誕生会やクリスマスなど季節の行事への対応も含めて子どもの意見も反映させてほしい、加えて、物価高の中でおやつ代への支援も、と求めました。
・公民連携で校内に子どもの居場所
不登校対策の居場所づくり事業費として20万円が計上されました。これは、五常小学校において民間事業者が実施している「子どもの居場所」に対する支援で、企業版ふるさと納税により寄付者のメリットを確保し、運営事業費にあてるものです。
広瀬議員:今後どう事業を進めるのか。責任主体はどうなるのか。
担当部長:五常小学校の居場所づくり事業は、民間事業者が無償で地域コミュニティの事業として始めたもので、この取組が持続可能な事業となるよう試行的に行う。
今後は公的施設を使用する際の留意点や企業からの寄附もどの程度集まる見込みがあるかなどを確認し、特定の団体のみではなく、他の民間事業者からの提案も受ける形で、不登校児童・生徒の多様なニーズに応えられるよう取組を進める。主体は民間事業者となる。
広瀬議員:子どもにかかわる問題であり、こうした市の関わり方でいいのか疑問だ。子どもに関わる問題であり、丁寧に進めるべきだ。
〇一般質問
●松岡議員
・介護保険料の引き下げを
高齢者健康福祉計画第9期の見直しがすすめられており、保険料負担の軽減を求めました。
松岡議員:介護保険料が払えず、10割の利用料負担を求められる方が増えている。保険料の引下げが必要だ。第9期計画の保険料額等について聞く。
健康福祉部長:必要となるサービス量を確保する観点から「介護保険料は引き上げる必要がある」と想定している。基金の活用などにより、軽減に取組みたいが現時点での基準月額の試算では「6200円から6600円程度」と見込んでいる。
松岡議員:この23年間で保険料は倍以上の引上げで、異常だ。保険料の引き下げ、払えない人を増やさないよう減免の拡充を求める。
松岡議員:第9期計画策定においてニーズ調査を行った(2022年)。そのなかで「外出を控えている理由」で前回(2019年)から増えているが?
健康福祉部長:前回比較で、「その他」が11.8%から49.4% へ大幅増加で、そのほとんどがコロナ感染症が理由。次いで「聞こえの問題」を理由とされており、女性は減少したが、男性は3.4%から11.7%に増加している。
松岡議員:増加しているのは、コロナ以外では聞こえの問題だけであり注視すべきだ。
交野市では2023年4月から補聴器購入助成制度が始まっている。認知症対策に効果的な補聴器購入助成をなぜ実施しないのか。最低限、聴覚検査を特定検診に加えるべきではないか。
健康福祉部長:特定健康診査は、40〜74歳の生活習慣病の予防を目的としている。後期高齢者は国の法令に基づき実施しており、聴覚検査を加えることは困難。
松岡議員:他市では独自検査で実施している。やれない理由がない。実施を求める。
・
松岡議員:国がようやく保育士の配置基準を改善すると聞くが、どんな内容でどのように進めようとしているのか 。
また、2004年度に保育所を民営化する際に、公民格差のあった1歳児の保育基準を6対1から5対1に変更することとあわせ、3才児の保育基準を15対1から20対1に後退させた。私立では国の補助を活用しながら15対1の配置を、ほぼ全ての園が実施しており、公立の保育士配置が遅れたままになっている。改善を進めるべきではないか。
子ども未来部長:1歳児の職員配置基準は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1への改善を検討すると示されている。現在実施に関する通知などはないが、今後確定された場合には、公定価格上、職員を充足した場合に加算が適用される仕組みとなる。今回の改善は、配置基準の改善ではなく、加算であることも含めどのような対応が必要であるか検討したい。
松岡議員:今回の国の改正は国民の強い要求によるものだ。今の保育に対するニーズは、保育の量の拡大とともに、安心して預けることができる保育士の配置基準の改善だ。早期の実施を求める。
●広瀬議員
・障がい者の「親亡きあとの支援」を
広瀬議員:障がい者の親亡き後等に備えた「地域生活支援拠点等の整備」は今年度中の整備を目標としているが、めどは立っているのか。また、くすのき園の民営化の際にショートステイの機能を整備するとしていたが、どうなっているのか。
福祉事務所長:親亡き後等に備えた「地域生活支援拠点等の整備」は、「緊急時の受入れ・対応」「体験の機会・場」の2つの機能について、整備に向け、現在調整を行っている。
また、ひらかたくすの木のショートステイ事業については、利用希望者も見込まれることから、早急に開設するよう、法人に対して働きかけを行っている。
広瀬議員:「8050問題」が「9060問題」になろうとしている。早期整備へ市の責任を果たしてほしい。
寝屋川市などでは、親亡き後の支援について検討の場を設けて議論、検討を進めておられる。枚方でもこうした場を設置し、取組の推進をはかるべきではないか。
福祉事務所長:親亡き後の備えについては、「枚方市自立支援協議会」幹事会でも議論しており、現在のワーキンググループを「親亡き後」に特化した検討機関とすることも含めて、検討するとしている。
広瀬議員:ぜひ、設置し施策の推進をはかっていただきたい。
・不登校支援の充実を
広瀬議員:今年度、不登校支援として校内の居場所づくりにかかる予算が計上されたがどう配分されたのか。中学校には校内適応指導教室(校内ルポ)があるが、小学校における校内ルポの設置状況及びそれにかかる人的支援について、次年度の見込みを含めて聞く。
学校教育部長:小学校では、各校独自の校内ルポが15校に設置され、そのうち4校には5名の不登校支援協力員を配置している。
校内ルポのような取り組みが全校で展開できるよう、次年度に向けては、不登校支援協力員の配置拡充や、校内ルポの環境整備に向けて取り組んでいる。また、10月に文部科学省から示された「不登校・いじめ緊急対策パッケージ」の内容が、政府の補正予算に反映されたことから、この補助金を活用した不登校支援の強化を検討している。
広瀬議員:来年度に向けて、学校内での支援拠点は充実しているが、学校外の拠点については示されていない。フリースクールは費用負担が伴うこと、JR側には公民共に支援の拠点がないことが課題だ。保護者の負担軽減、学校外の居場所づくりも進めてほしい。
民間支援団体との協力、保護者の支援も重要だ。こうした点からも、支援団体との意見交換、交流の場を設けることは必要ではないか。
学校教育部長:不登校の子どもたちを支援している団体等から、支援の現状や課題を聞くことは大切だ。今後、民間支援団体と連携し、多様な居場所づくりにつながるよう協力関係を築いていきたいと考えている。
広瀬議員:ひきこもり支援ではネットワークがつくられており、不登校支援でもぜひ取組んでいただきたい。
・ますます広がる近隣市との差…枚方でも交通運賃助成の実施を
広瀬議員は、総合交通計画の見直しにあたり、地域の声が充分に反映できるようタウンミーティングなど懇談の場の設置やフォーラム等の開催など市民参加で策定を進めるよう求めました。
また、近隣市の交通運賃助成等への取組状況を問い、交野市では来年度の予算のなかで、交通運賃助成の対象者を、75歳以上から70歳に拡大するとともにタクシー利用券の利用も選択可能とすること、妊婦さんへの外出支援(タクシー1万円分)も充実されることを紹介し、近隣市との差がさらに開いていると、枚方でも公共交通運賃助成の実施を強く求めました。
●つつみ議員
・急がれる老朽化した市役所の建て替え、
市駅周辺再整備計画は見直しを
市役所庁舎は、現在修理が行われていますが、外壁の落下や雨漏りなど、老朽化への対応は急務です。
つつみ議員:市の計画では建て替えは10年以上先になる。今後の市庁舎老朽化への対応と改修計画はどのようになっているのか。
市駅周辺まち活性化部長:市有建築物保全計画に基づく更新工事等を計画的に実施するほか、必要な修繕等を行うことにより、機能を維持するよう適切に管理に努めている。
つつみ議員:保全計画では令和7年度に外壁の更新が予定されていたが老朽化で前倒しとなっている。保全計画に加え緊急的な改修には、さらに費用がかかる事になる。庁舎はできるだけ早く建て替える必要がある。現市有地での建て替えを求める。
・行財政改革を理由に福祉施策を削るな
枚方市は、平成14年から黒字を維持しているのにもかかわらず、行財政改革をすすめ生み出した効果額を市駅前再整備などの基金に計上しています。
つつみ議員:行革の名目で水道福祉減免廃止など福祉施策の削減を進めては暮らしに影響する。自治体の役割を果たしているといえるのか。
伏見市長:市民サービスの向上を図る上で必要。
つつみ議員:例えば、行革で削減される精神障がい者への交通費補助は1日110円とわずかだ。誰一人取り残さないための福祉施策を削減ることは納得できない。見直しを求める。
・高齢者の通いの場、利用ニーズに合わせた支援を
高齢者にとって「今日行くところがある」のはフレイル予防にも必要です。
つつみ議員:「高齢者居場所」や「街かどデイハウス」などの充実が求められるが支援体制の強化について伺う。
健康福祉部長:今後は高齢者の介護予防や社会参加の促進がより一層図られるよう、支援体制の在り方も含め支援の充実について検討していく。
つつみ議員:「街かどデイハウス」は25年間続いてきた事業だ。利用者の声や現場の意見もしっかり聞き高齢者の通いの場への支援を引き続き行うよう求める。
●みわ議員
・子ども食堂…市の支援拡充を
枚方市は、すべての小学校区で、子ども食堂の開設をめざしています。子ども食堂の意義や実施状況、補助金の引き上げなど要望しました。
みわ議員:開設している小学校区の数と参加者の状況は?
子ども未来部長:現在20団体が22か所で実施、16の小学校区で開設。参加の状況は、1回の最大は177人、平均は約38人。
みわ議員:全小学校区で開設するには、あと28新設が必要。開設にむけて条件を満たすことは必要だが、「申請がややこしい」との声もあり改善を求める。
物価高騰の中で、補助金の引き上げの検討は?
部長:府の支援や民間事業者の支援、フードドライブも実施している。補助額については、運営状況はもとより、こうした状況を踏まえて検討する。
みわ議員:子ども食堂の参加者の平均は38名です。枚方市の補助金は、20食以下5千5百円。20食以上は何人参加しても7千円しかありません。大東市では、60食以上は、月6万円を上限に、1回1万2千円の補助金。
物価高騰のいまこそ、補助金の引き上げを強く求める。
・気候危機打開へ…省エネの普及をいまこそ
日本一暑い街の枚方から、地球温暖化対策さきがけの街への思いで、対策を要望しました。
みわ議員:太陽光発電の市民への普及状況は?
環境部長:大阪府との連携で「太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入事業」を実施。市域212世帯の参加で、大阪府下では、2番目の登録数。
みわ議員:市民の意識が高い。寝屋川市は上限12万円で太陽光設置の補助金があるなど、府下11の自治体が実施。枚方市でも再エネ補助金の実現を求める。
・ジェンダー平等…男性の性被害対応を
社会的・文化的に作られた男性のジェンダー観のもとで、見えにくい男性の性被害について質問し、支援窓口の充実を求めました。
みわ議員:性暴力に遭った人が適切に支援を受けられる場として「大阪SACHIKO」がありますが、男性では18歳以下の子どものみの対応。男性成人の性被害についての相談窓口など体制は?
市長公室長:令和4年5月から大阪府「おおさか男性の性被害相談」窓口が開設。適切な窓口で支援が受けられるよう努める。
みわ議員:枚方市で実施中の「男性のための電話相談」を拡充し、適切な支援を受けられる体制を要望する。
・村野駅西地区の都市計画、市民の合意を大切に
12月3日、6日に「村野駅西地区における都市計画に関する市民説明会」が開催され、参加しました。
この地域は、サプリ村野があり、田畑が広がる約20ヘクタールの土地です。開発計画では、住宅が中心で、田畑は、ほぼ無くなります。
現在、地権者が中心となり、準備組合が立ち上げられ、まちづくりが進められていますが、説明会では「地権者の思いが反映されていないことがある」「市からの説明の中に、地権者内で、充分に議論できていないこともある」「地域の意見は反映されるのか」「田畑を残してほしい」など多数の意見が出されました。
まちづくりは、地権者の合意はもちろんのこと、市民への理解と合意が何より大事です。
12月議会の一般質問で、村野駅西地区の開発について、とりあげ「住民合意を大切に」と求めました。
〇最終日議案審議
最終日(12月22日)は、学校体育館のエアコン設置、福祉施設等への性被害防止対策に係る設備についてや、物価高騰対策支援、医療関係事業者への物価高騰対策支援、住民税均等割りのみ世帯・低所得者の子育て世帯給付金事業など提案がされました。
・物価高騰対策
医療・福祉事業者への支援は一定の理解をするものの
いまこそ、市民の暮らしを支える施策を求める
枚方市の物価高騰対策支援などについて、内容を確認するとともに、生活者を支援するよう要望しました。
みわ議員:物価高騰対策として、枚方市は、国の交付金(約6億4千万円)を活用して、医療・介護・福祉施設に支援する内容だが、その支援内容と根拠を伺う。
健康福祉部長:国の推奨支援メニューで例示された、病院、診療所及び薬局670カ所に対し、病院に50万円、その他に30万円。介護及び障害サービス事業所1,184施設に、入所30万円、通所20万円、訪問10万円など補助を行なう。
この事業の検討にあたって、ヒアリングで把握したところ食費等で、平均2割もの負担増、光熱費等の高騰も継続していること。全国保険医団体連合会のアンケートで、9割以上の医療機関が電力料金が上がったと回答し、経営悪化に拍車をかけ、人材確保に影響があると確認した。
子ども未来部長:私立保育園や認定こども園に20万円、小規模保育施設に10万円の補助を行なう。
みわ議員:影響が生じている事業者に支援を行なうことは一定理解するが、国の交付金活用メニューとして、学校給食の保護者負担軽減や、子ども食堂への支援、公共交通事業者支援も示されている。また、この間、交付金で水道料金の減免を実施してきた。なぜ、今回、こうした支援がないのか伺う。
総合政策部長:今回の補正予算では、市民の暮らしに欠かせない福祉施設等を対象にした支援策を講じることにした。なお、水道料金の減免期間を延長した場合、補助金(水道事業・建設改良費交付金)の採択基準を満たさないので見送った。
みわ議員:建設改良費に対する補助金の交付条件は、料金回収率(100%以上)が採用されているため、これ以上、水道料金の減免を続けると、回収率が100%を超えないので、交付金の対象から外れるというのは、納得のいかない話。
前回は、交付金を活用して学校給食3学期無償化も行なった。くらしが大変な時に、しっかりと生活を支える施策を求める。