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定例市会報告

12月議会

 12月定例月議会は12月8日〜22日開催されました。
 議案審議・一般質問などが行われました。

〇議案審議

・枚方市個人情報の保護に関する法律の施行条例
 市民の個人情報を守る自治体の役割が縮小

 つつみ議員が質疑・討論を行いました。
 国の「デジタル関連法」に基づき、枚方市個人情報保護条例の廃止と、国の法律を施行するための条例を制定するものです。
 施行条例となり、これまで独自に条例で定めていた個人情報の保護に関して国の法律通りに行うことが求められており、自治体独自の基準ではなくなり、個人情報の目的外利用についても審議会への意見聴取は行えず、まさに地方自治の侵害といえます。
 つつみ議員は、これまでの枚方市個人情報保護条例は、市民の個人情報を守り、基本的人権の擁護と信頼される市政を推進することを目的としてきたことから、本市が独自に条例を制定した意義と、条例が果たしてきた役割について質問しました。
 担当部長は「プライバシー権を守り、自己情報のコントロール権を保障するという役割を果たしてきた。改正法においても現行条例と同様の規定が設けられている」と答弁。
 つつみ議員は、これまでの条例を廃止しなければならない状況について市長の考えを問いましたが、個人情報の内容、情報通信技術の進展、社会情勢の変化に応じて、個人情報の保護を的確に行っていくとの答弁にとどまりました。

(反対討論の要旨)
 国の法律が個人情報の保護ではなく、個人情報の利活用に変質しており、民間への情報提供を優先していることや、要配慮個人情報も取得可能となる。枚方市の個人情法保護条例は廃止され、国の法律を施行するための条例に変わってしまうことで、これまで枚方市が独自に規制してきたことが出来なくなり、自治体の役割が縮小される。個人情報は個人の人格尊重の理念の下に慎重に取り扱われるべきと問題点を指摘し反対。
 問題点は
@膨大な個人情報を市民の了解を得ることなく、企業などの求めに応じて匿名加工され提供できるようになること。
A死者の個人情報に係る遺族の開示請求について
 限定的になる。別に制度を設けるべきであること。
B情報の目的外利用を行う場合、審議会に諮問する必要がなくなること等

・一般会計補正予算
 若者入院医療助成は新年度から直ちに実施を

 広瀬議員は、子ども医療助成のシステム改修について問い、22歳までの入院医療助成が含まれていないことを確認し、システム改修がいらないのであれば8月を待たず4月から実施をと求めました。

留守家庭児童会室・おやつ代にも物価高騰対策を

 留守家庭児童会のおやつ提供業務委託について、おやつの提供の責任はどこにあるのか。どういったおやつを提供していくのか、考え方を示されるのか。子どものし好や意見はどのように反映されるのか。未納時の対応はどうするのか問いました。
 学校教育部長は「おやつの提供は、厚生労働省が示す「放課後児童クラブ運営指針」にもとづき発達過程にある児童の成長に応じてアレルギー対応も含め市が適切に行っていく。おやつは補食としての役割もあることから内容、量について定期的なおやつの献立会議などを通じて、現場の状況等を把握しメニューに反映させていく。未納への対応は、おやつの提供を行わないということはないが、仮に滞納となった場合は「枚方市債権管理及び回収に関する条例」に基づき対応していく」と答えました。
 広瀬議員は「7200円の保育料と2000円のおやつ代9200円の負担は重い。学校給食では物価高騰の影響が生じないように対応をされており、おやつ代も対応すべき」と求めました。
 学校教育部長は必要に応じて検討すると答えました。

・イベント終了時の対応は主催者側で行うべき

 来年度から行う、総合文化芸術センター利用者に対する警備業務の委託料が債務負担として計上されました。
 これは、大ホールのイベントなどでラポール枚方前交差点における交通渋滞が生じないよう、安全に利用者を誘導するため警備員を配置するためのものです。
 つつみ議員は、本来、事業の主催者側に求めるものだとして、次期、指定管理者選定の際には、業務に含めるよう求めました。

・都市公園条例の改正
 営利での利用を可能に

 王仁公園プールの供用日以外にもプール利用を認めるとともに、運動広場、野球場も登録団体以外にも営利活動での利用を認める条例改正です。 広瀬議員は「なぜ営利に利用を拡大するのか、どう活用するのか、公園は市民のためのもので営利への利用拡大はふさわしくないのではないか」と問いました。
 土木部長は「フリーマーケットやキッチンカーなど指定管理者が行う自主事業等を促進させ、都市公園の魅力向上や賑わい創出に資するために行うもの」と答えました。
 広瀬議員は「公園はそもそも営利目的に活用するものではない。大阪城公園ではにぎわいや営利の利用を優先し、樹木の伐採等が行われている。営利事業を優先し、市民の憩いの場が勝手に改変されることのないように」と求めました。
 土木部長は市民の憩いの場となるような適正管理を行うと答えました。

・事業系ごみ処理手数料条例の一部改正
 引き上げとなる内容に反対

 のぐち議員は、今回の手数料改定の影響を受ける市内の事業者数と、事業系ごみ処理手数料を10kgあたり90円から150円にすると、事業者はどれくらい費用負担が増えるか問いました。
 担当部長は「市内の事業者は4000社程度あり、その事業者をごみの排出量別に見ると、一月あたりのごみ排出量が300kgから400kgまでの事業者が最も多く、仮に一月あたり400kgのごみを排出する事業者では、単純に計算すると一月あたり2400円の事業系ごみ処理手数料が増えることになる」と答えました。
 「コロナ禍の影響などの社会経済状況の中で事業系ごみ処理手数料の改定は、事業者の費用負担が増す。事業者に対する負担軽減策等の支援を講じるべきではないか」と求めましたが、具体的な支援についての答弁はありませんでした。
 のぐち議員は「府下各市の状況は近隣市の交野市、寝屋川市、高槻市が90円、80円という状況で枚方市だけ引き上げられるという事では、到底事業者の理解が得られると思えない。
 まして今の物価高騰、高熱水費の値上げが続いているもとで事業者にとって、市が事業系ごみ処理手数料を改定するとなると、事業者にはさらなる負担となる。特に、零細な事業者への影響は非常に懸念するところであり、今手数料の改定を実施するべきではない」と反対しました。

・生涯学習市民センターと図書館の指定管理者の指定に反対

 図書館の指定管理について、のぐち議員は企業名を冠にしたイベントが実施され、公立図書館として相応しくないと指摘し、見解を問いました。 担当部長は「このイベントは、楠葉、津田、御殿山、菅原の生涯学習市民センター・図書館の指定管理者で図書館業務を担う構成団体が4分館合同による事業を企画したイベント名。市の確認が十分でなかったことを踏まえ、チェック体制の強化を行うとともに、事業者には、今後このようなことがないよう指導した」と答えました。
 のぐち議員は「イベント実施について公立図書館として不適切な運営をしていることを市としてチェックできていなかったことが明らかだ。
 生涯学習市民センターについては「利用者目線に立った魅力ある提案がなされており、現状のブラッシュアップに加えて新しい提案が多数なされている」「ビジネス系講座など新たな提案」と書かれているが全く内容がわからない。また電波が届きにくい諸室におけるポケットWi-Fiの貸出など早期に導入できるよう取り組んでいくと提案があったというが、(私たちが)何年も前から要望してきたことで直営の方が早く対応できる。
 生涯学習活動の拠点である生涯学習市民センターと市民の知る権利を保障する図書館は、市として責任を持って直営で運営すべきであり、指定管理の指定については反対」と意見を述べました。

・「生活困窮者等終了準備支援」「生活保護受給者等就労支援」に成果連動型の委託契約…事業者選定の審査会設置条例
 成果主義では質の向上は図れない

 枚方市は、来年4月から「生活困窮者等就労準備支援事業」や「生活保護受給者等就労支援事業」に、成果に応じて委託料を支払う成果連動型の委託契約を実施をする考えです。事業者選定を行う審査会の設置をするための、条例の改正案が示されました。
 松岡議員は「民間委託は、サービスの向上と経費削減が目的だ。何故この事業に成果指標を設定するのか。就職決定率が50%に到達できていないというが、相談員の人数的な確保とスキルの継続こそが必要」と市の考えを問いました。
 担当部長は「就労だけを成果ととらえるのではなく、成果を可視化し、実効性のある取組みをする。相談員の数は、民間事業者の提案で決定する」と答弁。
 また、審査会では何を決定するのか、どのように評価するのか。これまでの委託料と比較して、総額で削減となるのではないか。委託期間があるのに、更新で事業者が変われば、成果は図れないのではないかと質すと、「成果指標や、評価方法、委託料の総額は、審査会で決めることになる。契約期間内で一定の評価は可能であり、成果連動型を導入して、事業内容の提案をうけることで、民間活力が発揮できる実効性のある事業となる」と答えました。
 市の事業であるのに、あまりに無責任。事業者任せです。
 松岡議員は「成果連動型では、企業は常に成果を見ることになる。利益をあげ、成果を向上させようと思えば、利用者や企業側労働者にしわ寄せがいく。成果指標では質の向上は図れない」と反対をしました。

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