9月定例月議会
◎決算特別委員会(2021年度決算審査)
9月28日〜10月7日のうち5日間、2021年度決算審査が行われました。
議員団からは、のぐち・つつみ議員が委員として質疑を行いました。
主な内容を報告します。
◎のぐち議員
・市役所周辺大型開発のための「行革」で予算も人も削減する市政運営を追及
令和3年度普通会計決算の概況は、実質収支が25億円の黒字、単年度収支は8億円の黒字、そして、経常収支比率は3.4ポイント改善し92.3%となった。コロナ禍の影響で市税収入は、個人市民税や固定資産税の減などで5億円の減となったのに黒字となった原因について問いました。
担当課長は、市税の減収に伴い臨時財政対策債及び地方交付税が18億円増加し212億円となったことと、減少を見込んでいた各種交付金についても増加したためと答えました。
行財政改革2020の令和3年度実績効果額は約17億円だが、これは各課で活用できるのかとの質問に担当課長は「特定の事業に結びつかない」と答えました。
のぐち議員は、財政調整基金は126億の見込が10億円多い136億円となっている。市は財政調整基金からの積み替えで新たな行政需要へ対応する方針を示しており、大型開発の財源確保のために基金を増やしている。一方で他市では既に実施している子ども医療費助成年齢拡大(必要額は年間2億円)等を実施しない。まさに大型開発優先の決算だと追及しました。
・不当労働行為の事務事業は認められない
事務事業実績測定の範囲について質問、担当課長は市が実施する全ての事務事業を測定の対象だと答えました。
のぐち議員は、労働組合への不当労働行為と認定された府労委決定の取り消しを求めた裁判事務はどこに計上されたのか問いました。
担当課長は、大阪府労働委員会及び大阪地方裁判所の対応に要した人件費、旅費は、職員課運営事務と職員給与等管理事務という事務事業において歳出として含んで計上されていると答えました。
のぐち議員は、裁判事務が職員課運営事務などとは市民が納得できるものではないと強く改善を求めました。
・職員増と評価制度廃止を求める
職員の増減を問うとコロナ前の令和元年度から正職員は64人減、任期付き職員は15人、再任用が10人と人員が削減されていることが明らかになりました。
のぐち議員は、新型コロナ対応で令和3年度の事務応援の延べ人数は、事務職・専門職合わせて2727人だ。正職員の数を増やし組織体制の充実を図り、緊急時に備えるよう求めました。
また、職員制度が評価者が被評価者の納得を得ない中で、不明瞭な事案をもとに評価すれば。その透明性や納得性が確保できない。上司の評価を気にしながら仕事をしなければならない総合評価制度は、直ちにやめるよう求めました。
・公立保育所にクーラー設置を
公立保育所の修繕について保護者の皆さんからも様々な要望が出されています。
その中でも、洋便器の増設や電球のLED化、またエアコンの設置等はなかなか進まないと聞いているが、何が原因で進まないのか、また今後、どのように考えているのか問いました。
担当課長は、洋便器の増設は大規模な改修工事となり、市有建築物保全計画の実施年度も踏まえた検討が必要と考えている。照明のLED化は、予算の範囲内での対応が限られることから、歳児別の部屋ごとに優先順位をつけて、順次、設置している。また、エアコンの設置は、要望にもとづき順次設置しているが、扇風機を増設して対応していると答えました。
のぐち議員は「25億円もの黒字を計上しながら酷暑の中で小さな子どもが過ごす施設にエアコンさえつけられない。こんなひどい話はない」と早急な対応を市長に強く求めました。
・市民の知る権利を奪う行革はやめよ
図書館資料購入経費は令和2年度に比べて1193万円減額したが、利用状況を問いました。
図書館長は、令和2年度比較では、来館者は約50万人、貸出冊数は約110万冊、予約・リクエストは約7万件、それぞれ増加していると答えました。
のぐち議員は、利用が増えているのに予算が減り、購入冊数も減ってリクエストの待ち時間が増えるのは当然だと増額を求めました。
次に、雑誌のタイトル数について問いました。
図書館館長は中央図書館の購入雑誌は、令和元年度は264タイトル、令和3年度は133タイトルとなったと答えました。
のぐち議員は、この間新聞・雑誌を元に戻すように求めたが元年度と比べて半分になっている。これでは市民に必要な情報を提供する図書館の役割を果たせないと教育長に見解を求めました。
教育長は図書館の充実を図るとした中教審答申に基づき対応していく必要があると答えました。
のぐち議員は、市民サービスを削減することになる経常経費の一律削減はやめるよう市長に求めました。
・社会福祉施設の監査体制充実を求める
福祉サービス事業所の指導監査がコロナ禍において実地指導を見合わせていたと昨年9月の質問に対する答弁がありましたが、令和3年度の状況について問いました。
担当課長は、3年度対象となる施設数及び指導・監査を実施した件数は、介護保険サービス事業所1358施設のうち対象が約226施設で実施が6件、障害福祉サービス事業所727施設のうち対象が約242施設で実施が4件、社会福祉法人37法人のうち対象が12法人で実施が6件、認可外保育施設を含む保育サービス事業所138施設はすべてが対象となり38件の指導・監査を実施したと答えました。
のぐち議員は「令和2年度、3年度に指導・監査ができなかった分は令和4年度以降に繰り越されることになる本来、令和4年度、5年度に実施するべき指導・監査とあわせて実施するとなると、国の法律や通知に基づく頻度での指導・監査は難しくなる」と体制強化を求めました。
・小中学校の修繕は教育委員会が責任をもて
学校の補修・修繕は校務員の対応が困難な場合、各校務員のブロック長に要望を提出、各ブロック長が困難な場合は施設管理課に依頼し、そこが仕分けして施設整備室関係各課が担当する流れで、臨時的な場合は学校園から直接施設管理課に依頼することもできますが、学校の補修・修繕について、どこが全体の件数や対応内容を把握しているのか問いました。
担当課長は、施設管理課で受付した依頼内容は、施設整備室内の各課に振り分け、それぞれの所管課において対応し件数や対応内容は所管課で行っていると答弁しました。
のぐち議員は「本来、教育施設は教育委員会が把握すべきだ。基本的には教育委員会が維持・管理、修繕、補修すべき」と求めました。
・安全対策としてカーブミラー設置を
カーブミラーの新設要望数は令和3年度では、70件に対し、新設設置数は32件で半分となっているが、その理由について問いました。
担当課長は「カーブミラーは、見通しが悪い交差点や急カーブなどにおいて、車両同士の交通事故を防止するため、徐行や一時停止をしても見通し距離が取れず、ミラー設置位置の後背地の車両出入や車両通行の支障にならないなど本市が定める基準に基づき、関係者の同意を得た上で設置している」と答えました。
のぐち議員は、カーブミラーが設置されていたにも関わらず、カーブミラーが破損したため撤去され、復元されていない。地元から大変危険だと何度も要望されている。先日も接触事故が起きそうになったと聞いている。
設置基準より危険回避、安全対策を優先し早急に設置するよう求めました。
・健康福祉総合相談窓口の充実を
市役所別館1階にある健康福祉総合相談課と北部支所内の健康福祉相談センターの相談件数424件のうち庁内連携で紹介した217件(左表)以外について問いました。
担当課長は、他機関への紹介が無いものについては、各種支援情報の提供や、助言、悩み事を傾聴し、一旦終了していると答えました。
のぐち議員は、各地域に職員が様々な問題に対応するこのような相談窓口の設置が必要だと要望しました。
〇特別会計
(介護保険特別会計)
・市民の自主的な健康づくりへの支援を
介護保険特別会計での介護予防事業の実施状況とこれまで要望してきた地域での実施状況について問いました。
担当課長は、ノルディック・ウォーキングは、体験教室を年67回実施し、延べ1682人が参加。自主活動グループは123グループ 927人が登録。運動機能向上教室「ひらかた夢かなえるエクササイズ」教室は年253回開催、オンライン参加者が延べ2369人、教室会場参加者は延べ1148人。身近な場所として毎月1回、各生涯学習市民センター及びサプリ村野等の9か所で「介護予防のためのご近所運動教室」を実施。各地域包括支援センターが介護予防教室を生涯学習市民センターや地域の集会所、商業施設やドラックストアなどで実施していると答えました。
のぐち議員が生涯学習市民センターの経費ついて問うと、課長は実施事業者へ委託料として14300円、生涯学習市民センター使用料は公用使用のため免除になっていると答えがありました。
のぐち議員は「生涯学習市民センターや体育館で自主的に健康サークルなどをしている方も施設使用料を無料にして支援するように全庁で取り、むべき」と要望しました。
(後期高齢者医療特別会計)
・ひどすぎる後期高齢者医療費の改悪
後期高齢者医療特別会計について、保険料軽減されている人数と保険料軽減特例措置の見直しで、令和2年度に7.75割軽減の被保険者が、令和3年度は7割軽減となった保険料について問いました。
担当課長は、令和3年度2割軽減が8,321人、5割軽減が6,305人、7割軽減が22,291人で合計36,679人。令和2年度は、2割軽減が7,871人、5割軽減が6,014人、7割軽減が11,952人、特例措置である7.75割軽減が9,526人で、合計35,363人。令和2年度7.75割軽減の方の年額保険料は12,174円。令和3年度7割軽減の方の年額保険料は、16,233円となり特例措置の終了により4,059円増額となったと答えました。
のぐち議員は国に引き下げを求めるよう意見を述べました。
(国民健康保険特別会計)
・保険料引き上げとなる府下統一化はやめよ
国民健康保険料の減免状況と短期被保険者証と資格証明書の発行状況について問いました。
答えは、令和元年度が1742件、令和3年度が2219件、収入減少減免令和元年度は1094件、令和3年度は1105件、新型コロナウイルスの影響による減免は令和2年度は1921件、令和3年度は670件。本市独自である児童扶養減免は、令和元年度は644件、令和3年度は436件。短期被保険者証は令和元年度1182世帯、令和3年度895世帯、資格証明書は令和元年度495世帯、令和2年度325世帯、令和3年度182世帯というものでした。
のぐち議員は「保険料引き上げとなる府下統一化はやめるべき」と主張しました。
◎つつみ議員
(一般会計)
・保育所民営化これ以上すすめるな
枚方市は、令和3年4月1日に民営化が行われた渚保育所と統合するために、令和4年4月1日に、渚西保育所を民営化しました。
令和3年度は、渚西保育所の民営化に向けて、民営化前の10月から6か月間、民営化後運営する法人の担任予定者が公立保育所の職員と一緒に保育をしながら子どもの様子を引き継ぐため行う共同保育引継ぎなどが行われました。
これに関わって「渚西保育所の共同保育について、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が1月、2月に大流行した時期と重なっているが、引継ぎは計画どおり配置できたのか」と質問。
担当課長は「令和3年10月からの引継ぎ期間に0歳児から5歳児までのすべてのクラスに保育士1名ずつ配置した場合の総時間数は、3371.25時間であるのに対し、実際に配置した総時間数は、2923時間と、引継ぎ時間が足りなかった」と答弁。
さらに、引継ぎ時間が足りなかったことに対してどのような対策を取ったのかと問いましたが、渚西保育所の元所長が民営化後に園を訪問する回数を増やすなど、子どもが安心して新しい保育園に通えるようサポートしているとの答弁でした。
渚西保育所は、単に民営化しただけではなく、枚方市で初めての統合・民営化でした。民営化だけでも、保育士がすべて入れ替わるなど子どもたちや保護者に不安を与えているにも関わらず、統合を伴う、つまり大規模化するということで、環境の変化が苦手なお子さんにとっては、人の多さに圧倒されます。
それに加えて、コロナ禍における民営化ということで、結局、引き継ぎ時間が足りず引き継ぎの内容も十分できていません。
つつみ議員は、保育所の民営化はやはり一度立ち止まるべきではないかと市長に問いましたが、「就学前の教育・保育プラン(後期プラン)」に基づき進めていくとの答弁にとどまりました。
・進級進学時 タブレット引継ぎ作業に人員の確保を
枚方市内の小・中学校では、令和2年度から児童1人1台のタブレットを配布している点について「タブレット端末が破損・故障等した場合どのように対応されたのか」問いました。
担当課長は「この2年間に児童生徒のタブレット端末約3万台のうち60台程度の破損・故障機があった。児童生徒のタブレット端末が破損・故障した場合は、教育委員会保管の予備機で対応している」と答えました。
続けて進級時や進学時には、どのように対応しているのかとの質問には、
各学校の教員が中心となって引継ぎのための作業を行っている。この作業を支援するため民間業者に委託しGIGAスクールサポーター6名を配置しているとのことでした。
つつみ議員は「全校で6人は少ない、人員を確保するべきだったのではないか。結局現場の教師がやらざるを得なくなり、多忙化に拍車をかける結果となっている。今後はしっかり人員を確保するように」と求めました。
・小学校の図書館司書、予算確保し早期に全校配置を
これまで、学校図書館の環境整備や授業支援に向けて、学校司書の全校配置を求めてきました。
市は中学校の全校配置に加えて、令和3年度から小学校12校への配置を実施しました。
その効果と課題について質問。
担当課長は「貸出冊数について、学校司書配置小学校12校と未配置小学校33校を比較すると、児童一人当たりの貸出冊数が、配置校26.9冊、未配置校22.65冊であり、4.25冊の差がありました。このことから、学校司書の配置と貸出冊数との一定の関連性はあるものと認識している」と答えました。
学校司書の方が、ほかの学校と掛け持ちで図書館運営を行うのは時間的にも大変です。
子ども読書活動推進計画の中のアンケート結果では、もっと利用したいと思う図書館として、司書や図書館スタッフのおすすめや特集コーナーがある、気軽に相談できるとなっています。
「一定関連性があるということならば、学校司書を全校に配置するべきではないか」と教育長に見解を求めましたが、現在の配置状況を維持していくとの答弁のみで、司書配置の拡充については答えませんでした。
つつみ議員は「子どもが一番長くいる学校で、本にふれあい親しむ機会をより多く取ってあげることが大切だ。そのために、予算をしっかりつけて司書を配置するべき」と求めました。
・ケースワーカーの増員で丁寧な対応を…生活保護
令和3年度の生活保護ケースワーカーにおける最大受持ちケース数は、自立103人、高齢235人となっています。
令和4年度は高齢が198人人と少し減っていますが、いずれにしても大変な人数です。
受持ちケース数が増加する中、コロナ禍での生活保護世帯への訪問状況はどのように行われていたのか質問しました。
担当課長は「生活保護世帯への訪問活動は、基本現地への実地訪問となているが、緊急事態宣言などが続く中、感染拡大防止対策として電話での生活状況の聞き取りを行った。緊急時や直接面談が必要な場合は現地訪問を行っていた」と答弁。
生活費を切り詰める為に電話の契約を解約したが生活福祉課との連絡もとれず、ケースワーカーに相談し、暑い中歩いて市役所の保護課の窓口まで来たという相談者の声を紹介し「電話での聞き取りだけでは不十分で、電話連絡がつかない場合は時間をおかずに訪問するなどの対応をおこなってほしい」と要望。
ケースワーカーの適正基準といわれる受け持ちケースは80人です。担当するケースワーカーの人数が少ないと対応が厳しく、適切な支援に影響するため、必要な人員配置についてどのように考えているのか質問しました。
担当課長は「正職員、任期付職員で対応しているが、これに加え、年金調査員や健康管理支援員、面接相談員などの会計年度任用職員を配置することで、ケースワーカーの負担軽減を図るとともに、生活保護行政の体制強化に努めている」との答弁にとどまり、ケースワーカーの増員について言及しませんでした。
つつみ議員は「負担軽減を図るということだが、ケースワーカーを増やさないと厳しいのではないか。給与が低く身分が不安定な非正規職員が生活保護業務を支える構造の是正が必要だ。より丁寧な対応を行うためにも、正規職員の増員と配置を」と求めました。
・「生活再建型滞納整理」をすすめよ
新型コロナの収束はみられず、さらに物価高で経済状況は厳しくなっています。
枚方市の税や保険料などの差し押さえの件数は令和2年度は2546件、令和3年度は2739件と増加しています。
債権回収について、枚方市の包括外部監査では「生活再建型滞納整理」(※)という考え方が示されています。
資力の乏しい方などに対して、「生活再建型滞納整理」を進める必要があると市の見解を問いました。
担当課長は「本市においては、債権回収課及び納税課の窓口に健康福祉総合相談課のパンフレットを常時、設置するとともに、納付相談において、滞納者の生活状況や滞納原因について聞き取りをしたうえで、必要があると判断した場合には、健康福祉総合相談課等への案内をおこなっている」と、これまでと変わらない答弁が返ってきました。
つつみ議員は「今後も相談件数は増えてくると思う。案内をする総合相談課の職員も増やして、対応してほしい。また、納付の相談に来られる方は、深刻な場場合も多い。ぜひ丁寧な対応をしてほしい」と求めました。
・エフエムひらかたの閉局は命守る役割の放棄
令和3年度で、市から株式会社エフエムひらかたに対する放送委託が終了し、2月に閉局、3月に会社も解散となりました。
エフエムひらかたの役割と市としてこれまで放送委託料を払い続けてきた理由を問いました。
担当課長は「市政情報を広く届けることを目的に、番組の企画・制作・放送業務を委託してきた。インターネットやSNSの発達で情報伝達手段としての効果を最大限に引き出すことは困難と判断し、令和3年度で放送委託料の廃止を決定した」と答弁しました。
大規模災害時の情報収集の手段として、ラジオが果たす役割は大きく、昨年七月に熱海市で発生した土石流災害では、地元のコミュニティーFM局「エフエム熱海湯河原」が、番組内容を変更して地域密着の情報を発信し続けました。また、静岡の災害でも、エフエム清水が災害情報などを流しています。
つつみ議員は「誰一人取り残さないために情報弱者といわれる方にも届くツールが必要。
委託料の廃止によるエフエムひらかたの閉局は、市民の命を守る自治体の役割をはたしていない」と強い意見を述べました。
〇特別会計
(水道事業)
・大口需要者の地下水利用の切り替えを
令和3年4月から「水道料金の大口需要者割引制度」が開始されています。
この制度の概要と、割引制度を利用した事業者数を問いました。
担当課長は「過去の使用水量等、一定の要件を満たす大口需要者を対象とし、対象となる大口需要者の水道使用水量の実績に基づき、個別に基準となる水量を設定し、この基準水量を超えて使用した部分の従量料金単価を割引するもので、主に地下水利用から水道使用への切り替えや事業拡大などに伴う水道の使用水量の増加分を効果の対象としている。令和3年度は52社が申請している」と答えました。
つつみ議員は「平成26年度に地下水くみ上げの規制見直しで、地下水利用が広がり水道の収益に大きな影響を及ぼした。大口需要者が水道利用に回帰するよう引き続き努力を」と求めました。
(病院事業)
・コロナ禍でのメンタルヘルス体制の整備を
病院事業会計は、令和2年度に続き、令和3年度も、新型コロナ受け入れ交付金などの影響で純利益を計上していますが、損益計算書では、医業収益を費用が上回り、赤字となっています。
赤字になった理由と経営改善について問いました。
「医業費用が収益を上回った理由は、給与費や材料費が増加したことによるもので、特に、コロナに関連する検査試薬などの増加によって、薬品費が増加したことが挙げられる。引き続き、新型コロナと通常診療の両立に取り組み、医業収支の改善を進めていく。具体的な取組内容については、現在策定作業中の「第3次中期経営計画」の中で、地域医療連携の強化など改めて定めていく」との答えでした。
つつみ議員は「地域のかかりつけ医からの紹介がないと定額負担が必要となる。この負担金額が引きあがっており、市民負担軽減のためにも地域との一層の連携の強化が必要」と指摘。
また、連日の激務にあたる職員の方へのメンタルヘルスについても質問。
担当課長は「メンタルヘルス支援チームを立ち上げ、新型コロナウイルス感染拡大の時期において、職員のこころのケアのために健康チェックを行い、産業医の指導の下、必要に応じて面談を実施した。」と答弁。
つつみ議員は「職員のメンタルサポート体制の整備は、労働環境の改善など現場で働く皆さんの意見も聞きながらさらに進めてほしい。また、患者さんはもちろん、家族の方への心のケアについても丁寧な対応を」と要望しました。
●共産党議員団としての2021年決算への討論
・大型開発優先・市民福祉切り捨ての市政運営に反対
令和3年度普通会計決算の概況は、実質収支は25億円の黒字、単年度収支は8億円の黒字。経常収支比率は3.4ポイント改善の92.3%となっている。
こうした財政状況において長引くコロナ禍で厳しい生活、営業を送る市民、事業者を応援し、コロナ対策で奮闘した職員を励ます市政運営ができたかという観点で、期待を大きく裏切る市政が進められていた。令和2年3月に策定された行財政改革プラン2020で実施されていた人員削減と市民サービス切り捨てで枚方市駅周辺再整備基本計画が令和3年3月に策定されたことで一層拍車がかかっている。
行革2020で始まった経常経費の見直しによって、例えば図書館では市民に必要な雑誌、新聞を提供できずに2年が経過している。このような市民サービス切り捨ての行革効果額が財政調整基金に積み立てられ、新たな行政需要にこたえるためとして市駅周辺再整備事業費に割り当てることになる。このような大型開発のために市民福祉を切り捨てる市政運営はやめるべき。
〇枚方市駅周辺再整備事業について、市民合意もないままに市役所新庁舎をD街区に移転することを前提に一方的に事業を進めたこと。
〇職員の削減をすすめたこと。
〇生活保護職場でケースワーカーの適正配置ができていない。
〇大阪府労働委員会が認定した職員労働組合に対する不当労働について、認定取り消しを求める訴訟費用の支出。
〇学校トイレ清掃業務において委託事業者が他の事業者に丸投げし、従事者への賃金未払いが発生したこと。
〇旧統一教会への生涯学習市民センターの貸し出し許可をしたこと。
〇保育所、学校などの修繕等が先送り。
〇学校図書館司書の配置が不十分
〇保育所民営化の引継ぎが不十分
などの理由で一般会計に反対。後期高齢者医療制度は特例軽減が廃止され負担が増えたため反対。介護保険料が引き上がったため反対。その他の会計については賛成する。
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