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定例市会報告

9月定例月議会

◎議案審議

〇市役所移転条例 賛成18 反対12で否決
   …庁舎移転は特別多数議決のため20人以上の賛成が必要

 26日、市議会に市役所を府民センター付近(枚方市大垣内町2丁目524番地)に移転する条例が提案されました。
 市役所の移転は地方自治法第4条により、特別多数議決となり出席議員の3分の2以上の賛成が必要となります。
 「市民説明もないまま勝手に移転を決めるな」と、多くの市民が傍聴に駆けつけるなか、質疑、討論が行われ、記名投票で採決。賛成18、反対12で移転条例は否決されました。
 市議会で市長提出議案が否決されるのは、昭和47年以来50年ぶり。市長の強引な行政運営が問われます。

 議員団を代表して広瀬議員が行った反対討論を紹介します。

〇市民おきざりの条例案に反対

第1に、住民自治に反する進め方についてです。

 本条例は現市役所の位置を枚方市駅周辺のまちのにぎわいづくりのために、現在の庁舎位置C街区から、府民センター等があるD街区へ、具体には大垣内町2丁目524番地に移すものです。
 地方自治法第4条に規定される庁舎の移転は、市民にとっても重大な問題です。だからこそ特別多数議決が実施されるわけです。にもかかわらず、市民説明もないまま、こうして議案が提案されること事態が間違っています。
 枚方市駅周辺再整備計画の見直しの際に市民説明会を開催するとされていますが、実施されたとしても来年3月から4月。すでに、本条例改正の手続きが終わってしまっていては、庁舎位置に関する市民意見は全く反映されないままとなってしまいます。
 加えて、多くの市民は土地区画整理事業によって市民の財産である公共用地が民間に明け渡されていく、結果的には売却されることを知らされてません。
 こうした進め方は極めて問題で、憲法に規定された住民自治に反すると言わなければなりません。市長の市民の声を聞く姿勢が問われます。

第2に、市民の利便性に反する点です

 市民との対話、市民説明会を先延ばしにする理由は何でしょうか。「何故、市役所が駅から遠くなるのか」この単純な疑問にまともに答えられないからではないでしょうか。「地方自治法第4条の2項には市役所の位置を定め又はこれを変更するに当つては、住民の利用に最も便利であるように、考慮を払わなければならない。」とあります。駅から5分の好立地、こんなに便利な市役所はありません。
 市はこの間、ウオーカブルな街づくり、歩きたくなる街づくりを進めると説明してきましたが、みんながみんな、どんどん歩ける元気な方や、ICTを使いこなせる方々ばかりではなく、市役所を駅から引き離すべきではありません。

第3に、老朽化が進む庁舎、建替えは急務であり、早急な整備実現のためにもC街区市有地内での整備を真剣に検討すべき点です

(庁舎の建替えは急務)
 市役所は、1960年(昭和35年)に本館が建設されてから、すでに筑後62年を迎えています。2018年(平成30年)の北部地震による損傷は、対策工事が実施されたものの未だに壁はひびだらけ。雨漏りにペットシートをひいてしのぐ状況です。今後、起こりうる大規模地震に対し最低限の耐震化は実施しているものの、災害対応の拠点、発災後の暮らしを守る拠点としての役割を果たせるのでしょうか。極めて心配で、市役所の建替えは急務です。
(C街区での建て替え検討を) 
 しかし、本条例改正では、市役所をD街区に移転をさせることになります。市が示すスケジュールでは、今後、新庁舎基本計画をまとめ、新庁舎の整備が完了しオープンするのは早くとも9年先、まだまだ先の話です。このため、位置条例の施行日は規則に委ねられています。
 市役所が移転するためにはB街区で現在整備が進められている新たな駅ビルの完成を待ち、そこに府民センターが移転し、その後に残された旧府民センターの建物を除却し、地盤のかさ上げ等を実施するため、上手く進んでも市役所本館は築71年目を迎えることになります、諸事情で遅れるリスクもあります、市役所は果たしていつ移転立替できるのでしょうか。
 D街区への移転建替えでなく、現在のC街区内の市有地を活用した建替え案を真剣に検討すべきです。

第4に、住民自治や市民の安全、安心よりも「にぎわい」優先になっている点です

(駅前のにぎわい最優先)
 しかし、必要な庁舎整備は枚方市駅周辺再整備のなかに位置付けられ、庁舎整備の緊急性よりも、駅前のにぎわいづくりが最優先されています。
 かつては、近鉄百貨店の閉鎖で寂れた市駅前の状況からも、駅前のにぎわいづくりは大きな課題となり、市民の皆さんからも駅前に商業施設や、にぎわいづくりを求める声があがりました。しかし、今はどうでしょうか。旧近鉄がT−SITEに代わり、総合文化芸術センターが整備され、B街区整備で北口ロータリー周辺から市駅ビルへと新たな街づくり、にぎわいの拠点が整備をされつつあります。「にぎわい」はもう十分ではないでしょうか。
(ふってわいたアリーナ整備の危うさ)
 先の全員協議会でCD街区の街づくりについての考え方が示されました。結局、民間に駅前1等地を明け渡し、将来の街づくりに大きな支障を生じさせかねないタワーマンション整備をも可能とする開発案です。市民への説明、対話を拒む一方で、民間ディベロッパーとはサウンディング型市場調査と称して対話を進めてきました。結局、市民の声や知恵は反映されず、民間ディベロッパーのもうけを最大に保障する開発案となっているのではないでしょうか。
 6月の議会では民間提案により、5000人規模のアリーナまで市役所と合築で整備する案まで検討するとの話が示され、民間では採算が合わないから公設公営でと求められ、にぎわいのためにと調査費まで計上しました。
 この間、枚方市は、財政が厳しい、財政が厳しい、そう言って、この間、行革のためにと計画にも無かった公立保育所の民営化を進め、保護者の怒りをかってきました。あの保育所民営化は一体何だったのか、あらためて怒りを感じられるのではないでしょうか。
 企業版ふるさと納税、寄付をあてに公設公営で検討すると言いますが、庁舎とアリーナの合築を前提に経済波及効果が算出され、もっともらしく効果があると説明するのは欺瞞です。

第5に、長期財政との整合性についてです

 現段階でも総事業費、855億円(市費負担369億円)もの事業費を要するまちづくり案にどれほどの賛同が寄せられるでしょうか。
 枚方市はやるべきことが出来ているでしょうか。年間2億の子ども医療助成の拡充費を捻出できない自治体が、3億の教育予算を削り支援教育に混乱を与えている自治体が、今なお中学校給食の全員喫食が出来ていない自治体が、優先してやるべきこともやらずに大風呂敷を広げた大開発に乗り出す。まさにギャンブルです。
 長期財政の見通しがもっともらしく示されていますが、実施すべき予算は決断が先送りにされ含まれていません。新名神の開通に向け新たな道路整備が進むJR沿線の街づくりも進めなければなりません。そうした時に、市駅周辺への過剰投資はバランスを欠く財政運営ではないでしょうか。

最後に、枚方市役所の移転を決定することは、CD街区も含めた大開発事業にゴーサインを出すことになります

 本来、市駅周辺で解決すべきことは何だったのか。狭隘なロータリーをはじめとする渋滞問題、そのロータリーに面して市街地開発により整備したビルが老朽化していること。そして何より市民の命や安全を守るための庁舎の建替えや枚方消防署の建替え整備です。
 このまま移転に踏み出せば、本当に必要なことには手が打てないまま、財政面でもひっ迫し、市民ニーズにも応えられない、まともな自治体でなくなっていくことを強く危惧します。

 以上の点から、庁舎の移転には反対だと述べ討論とします。

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