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定例市会報告

12月議会 一般質問

一般質問は、12月15日〜20日の間行われ、
各議員が頂いた市民要望や市政の問題点など取り上げ、
市の姿勢をただしました。

〇のぐち議員

・部長職の公文書偽造に対し市長の責任を追及

 法令順守を指導監督する部長級職員が寄附をいただいた団体ではなく、代表者個人を紺綬褒章の候補者として推薦するために領収書を書き換えるという、公文書偽造事件を起こしました。
 のぐち議員は「事件を起こした部長は副市長付部長に横滑りしているが、このような異動について市民の理解が得られると思っているのか。そして観光にぎわい部長はその副市長が兼務し、部長不在の事態が起きている。観光にぎわい部は農業、商工、観光、文化振興、生涯学習と多岐にわたり、権限が集中する機構改革であり私は反対をした。その部長職を総務、教育子育て、市民福祉を所管する副市長が兼務できるはずがない。なぜ観光にぎわい部長を任命しないのか」と問いました。
 副市長は「観光にぎわい部は多岐にわたるが、緊急対応を図る観点から、担当次長、各課長と協力しながら、私自らが部のトップとして、その役割を担うことが最適と判断した」と答えました。
 のぐち議員は「平成28年度にも同じ部長級職員による大阪府迷惑防止条例違反での懲戒処分で、停職6月とするほか、任命権者の市長及び担当副市長の給料月額について1割の減給措置が行われた。同じ非違行為にもかかわらず、なぜ今回は市長みずからの処分をしないのか」と追及。
 伏見市長は「本事案への処分については、不適正な文書が作成された背景を総合的に勘案する中で、管理監督責任も含め様々な要素を踏まえて最終的な判断をしたものだが、多くのみなさまに多大なご迷惑をおかけした。一連の事態を深刻に受け止め、私の責任として不祥事の再発防止に全力で取り組み、市政への信頼回復に努めて行く」と答弁するのみで、自らの処分について「選挙で市民に審判を問う」と答えました。
 のぐち議員は、選挙で勝てばすべていいという無責任な答弁を厳しく糾弾しました。

・中央図書館・学校図書館の改善を求める

 一昨年、昨年と逐次資料費削減で減らされた新聞・雑誌は、その後、復活されたのか。また、図書館年報を見ると、中央図書館の利用が減少しているとして、中央図書館に相応しい資料が不足している状況について問いました。
 担当部長は「利用頻度の低い新聞・雑誌については、購入を取りやめ、現在もその対応を継続している。ニーズや利用状況など様々な観点から選書を行い、これからもバランスのとれた、魅力ある蔵書を構築していく」と答えました。
 のぐち議員は「利用頻度の低い新聞・雑誌については、購入を取りやめているとの答弁には驚いた。利用頻度が低くても必要な資料をそろえるのが中央図書館の役割だ。これでは40万都市にふさわしい司令塔は果たせない」と指摘。中央図書館としての資料確保を要望しました。
 また、漫画は寄贈を基本にするとの従来の答弁に、のぐち議員は世界に誇る日本の漫画文化を否定する枚方図書館の選書方針は思考停止しているとし、と図書館協議会設置と市民のリクエストに応えるために図書費の増額を強く求めました。
 学校図書館については、司書の全校配置と児童・教員同様にiPad貸与を求めました。また子どもたちが学校図書館でリクエストした公共図書館の蔵書を学校図書館で受け取るように提案しましたが、多額の費用がかかり困難との答弁でした。

〇広瀬議員

・修学旅行費用に困らないよう就学援助費の前倒し支給を

 「ひとり親世帯の方から3万円近い小学校の修学旅行費の一括払いが大変だったとの声を聞いた。就学援助を利用しても、修学旅行費は事後払いで、中学生では5万円から6万円前後の費用を旅行会社に支払う必要がある。この間、入学準備金については早期支給が出来るよう改善されたが、修学旅行費も同様に納入期限に間に合うよう前倒し、負担を軽減する。あるいは、保護者が直接、納入をしなくてすむよう出来ないのか。また、旅費の支払いがされていなかった場合、どう対応しているのか」と問いました。
 学校教育部長は「修学旅行費の事前払いは、当該年度の就学援助対象者が確定する前に、修学旅行等の宿泊学習が実施されることもあるため課題がある。また、修学旅行費の支払いが期限までにされなかった場合は、できるだけ早くお支払いいただくよう、保護者に促している」と答えました。
 広瀬議員は市長にも政治家としてどう考えるのかと問いました。
 市長は教育委員会の答弁の通りだが、協議していくと答えました。
 広瀬議員は、困難だからと簡単にあきらめず、(行政は)誰一人取り残すことのないように、子ども達のために知恵を絞ってほしいと強く要望しました。

・ヤングヶアラーの実態調査を行い、相談窓口と支援策の創設を

 ヤングケアラー支援について、まず実態調査と認知度を上げる取組、そして相談窓口の設置や家事援助等の支援など、具体的な支援策の構築を進める必要性について、市の取り組み、見解を問いました。
 担当次長は「ヤングケアラーであることを自覚していない、また支援につながっていない子どもや家庭へのアプローチ、認知度向上がさらに必要であると考えており、全市的な調査による実態把握や窓口の明確化、調査等で把握する実態に基づき必要な支援策の構築が必要であると考えている」と答えました。
 広瀬議員はヤングケアラーがネガティブなイメージとならないよう正しく認識しもらうこと。子どもの発達段階に応じた調査が行えるよう求めました。また、既に要保護児童対策地域協議会でアプローチを進めている子どもたちがいることから、無料のヘルパー派遣や相談窓口の設置など必要な施策の構築も同時に進めてほしいと要望しました。

・王仁公園の再整備…子どもの権利保障し意見反映を

 王仁公園は令和4年度もプール運営を中止することになりました。 
今後のあり方を検討するとして1年限りの指定管理者募集を行いましたが、これはコロナ禍のなかプール運営を含めると応募が無かったためです。
 広瀬議員は公園の再整備について検討状況を問いました。
 土木部長は「公民連携による事業手法の検討など、より魅力的な公園となるよう検討を進めている。現在、民間事業者にサウンディングを行い、参入の意向を確認しつつ、現状の市民ニーズを把握するため、アンケート調査を実施している。今後、それらの結果を踏まえ、素案を取りまとめ、次回の建設環境委員協議会でご報告した後、パブリックコメントを実施し、今年度末に基本方針を策定する予定」と答えました。
 広瀬議員は「アンケートではプール運営についても意見を求め、赤字であっても運営すべきかどうかとの内容の問いかけになっていた。赤字との表現は適切ではない。
 子どもを守る条例が制定され、子どもの意見反映が位置づけられたが、子どもの意見を踏まえる特段の努力もされていない。政策形成過程にも子どもの権利をしっかり保障していく必要がある、遊びや余暇を楽しむ権利を保障することも大切だ。格差と貧困が広がる中で無料や低廉な料金でそれを保障するのは行政の役割ではないのか。こうした点も踏まえ今後の再整備につなげて欲しい」と求めました。

・小学5年生でクラスの人数が倍に…少人数学級の推進、学校支援の充実を

「市民団体からいただいた少人数学級推進に関する要望書によると、来年度の5年生は、樟葉北小では19人から38人に、山田東小も18人から36人とクラスの人数が一気に倍の人数になり、開成小が27人から40人、菅原東小が39人、船橋小も39人とコロナ禍の中で教室にギッシリの状態になる見込みだ。こうした学校が12校紹介されている。市は独自の少人数学級の推進を行わないとの判断だが、このままで良いのか。独自の少人数学級実施のためにこれまで市独自で何名の教員を確保されてきたのか。また、次年度は市独自で何名の教員を確保する見込みか」と問いました。
 学校教育部長は「今年度、市独自の少人数学級編制のため、市独自で確保した教員数は75名。来年度は、現時点では65名と見込んでおり、現在、採用選考を実施している。
 少人数学級は国・府に求めるとともに、指導方法の工夫やICTの活用等、様々な手法を用いて、教育環境の充実に努める」と答弁。
 広瀬議員は、市は約6千万円の財政負担の軽減となるが、学校には人的支援が不足しており充実にあてるよう求めました。

〇つつみ議員

・南部地域での待機児増加…保育ニーズへの対応を

 枚方市では、若者への定住促進を進めており、住宅開発が広がる香里地域では若い世代の転入が増えています。  女性の就労率が8割を超え、保育所の入所を望む声が多く、待機児童も増加しています。  「令和3年11月1日現在で、希望する施設を利用できていない児童数は、市全体で399人。香里ケ丘地域を含む南部エリアの待機は、市全体の約4割となっている。現時点でこれだけの待機が出ているということは、すでに保育ニーズに対応できていないということ。入所希望で保育所に入れなかった方について、どのように対応されるのか。待機児童ゼロに向けての対策はあるのか」と質問。
 担当部長は「私立保育所等の施設改修による75名の定員増に加え、利用調整の中で、この4月から開始した一時預かり事業の空き枠を活用した就労応援型預かり保育、また、本年10月に開設した臨時保育室など様々な保育資源を案内し、保育の利用につなげていく」と答弁。
 これに対し「臨時保育室は、公立さだ西幼稚園の後を活用して開設されたが、共産党議員団は、保育所としての整備を求めてきた。いま、南部地域で待機児童が多くなっており、見込みが甘かったのではないか。小規模保育所卒園後の受け入れ枠も不足している。幼稚園の預かり保育での対応も条件的に厳しい場合がある。保育を希望される方には、保育所での受け入れ枠の確保を行うべき」と求めました。

・総合文化芸術センター駐車場、利用者への減免措置を

 総合文化芸術センターは、オープン以来、多くの方に利用されていますが、別館も含めて、利用できる駐車場の料金が高いとの声があがっています。
 市は、現在の料金設定にした理由について、隣接する病院の利用者の動き等も勘案し、病院駐車場料金との均衡を考慮したとしています。
 つつみ議員は「隣接する病院と同じ料金設定ということだが、隣接する病院では外来・入院当日・退院当日の患者については、優待料金が設定されている。総合文化芸術センターの利用者に対しても、同様に、優待料金を設定するべき」と見解を問いました。
 担当副市長は「施設利用者の今後の駐車場の利用状況等をふまえ、慎重に調査・研究する」との答弁にとどまりました。
 来年4月の再オープンするアネックスを利用すれば、施設利用料のほかに駐車場料金がかかることになり利用者の負担が大きくなるため、優待料金の設定などの検討を求めました。

・民間ビルの行政サービスは、利用者目線で整備を

 先日示されたB街区の民間ビルの5階6階の行政サービスの整備(案)では、5階と6階をつなぐエスカレーターがありません。なぜないのか問いましたが、担当部長はは「配置する施設機能の規模との調整やコスト等を総合的に勘案し、最も多い業務としては、乳幼児健診で来所される方を想定し、エレベーターの利用を促す」と答弁。
 6階の利用者が、健診の方が多いとしても、ついでに5階の図書館などに行かれる方もいます。
 この点で「5階と6階を移動するだけのために、エレベーターを待って利用しなければならず、利用する方にとっては不便。エスカレーターがないのは考えられない」と設置を求めました。
 5階に入る予定の図書館については「分館並みのサービスを効果的・効率的に提供する」となっています。開架図書、閲覧スペースなど、分館並みのサービスを提供するための図書館機能ついて問いましたが、検討中とするのみで、明確な答弁はありませんでした。
 つつみ議員は、駅前にできる図書館は、市民からの期待も多く寄せられている。約1年間ずっと検討されているが、と述べ分館並みとする図書館の機能の充実を要望。
 行政サービスの設計については今年度中とされています。市民が利用しやすいよう、現在の案の見直しを求めました。

〇松岡議員

・市駅周辺再整備財源確保のためのFMひらかた閉鎖は承服できない

 FMひらかたの来年2月末の閉局に対して市民の方から、閉局を惜しむ声が寄せられています。
 阪神淡路大震災の教訓を機に枚方市の呼びかけて設立されたFMひらかたは、開局から約25年となります。
 市は、放送委託料の削減を繰返し「自立経営を目指す」とし、この間市の職員の出向を行い、運営にも関与してきましたが、自立経営も事業譲渡にも失敗をしました。
 松岡議員は「市が実施したアンケートでも、市民の約70%が災害時にFM局は必要と答えており、市民の大半から理解を得られる委託料だった」と指摘し、「FM局が担っていた災害時の情報伝達機能の確保をどう考えているのか」と質しました。 担当部長は、防災行政無線や、MCA無線、臨時災害放送局の開設だと答えましたが、どれも、ラジオと同等の情報伝達方法とは言えるものではありません。 松岡議員は「代替策の確保をしないままの、閉局に理解ができない。廃止するとしても、委託料はせめて全額災害時の情報伝達の拡充などに活用すべきではないのか、また、FMひらかたで努力を積み重ねて来られた職員の皆さんの、職場を奪い、人生に大きな影響を与えたことをどのように感じているのか」と市長に問いました。
 市長は「株主を初め、社員の皆様には、25年にわたり運営いただいたことに深く感謝をする」とは答えたものの「持続可能で魅力的なまちづくりを進めるために、時には痛みも伴う。税金を効果的に使うことが市長の責務。FMひらかたの閉局には筆頭株主として責任を果たしていく」としました。
 効果的な代替案も示せないのに、これでは単なる削減です。
 松岡議員は「結局、市駅再整備の財源確保が目的だと言わざるを得ない。『ラジオは娯楽でなく福祉。地域で安心して暮らせる情報の提供を行いながら、災害時には命を助ける』(福島県富岡町の元臨時災害放送局担当者のコメント)のが、市長に求められる第1のことだ」と市長の姿勢を批判しました。

・保育現場の環境改善を行い、保育士不足の解消を

 コロナ禍で保育は「社会を支える」重要な役割を担っていることがはっきりしました。国は、来年保育士等に対して、月額9千円ほどの賃金引上げを実施すると示しましたが、現場から不十分との声が上がっています。
 厚労省のHPによると、保育士試験合格者が、保育士として働く場合の重視する点は「仕事量が適正」であることを最も多く選んでいます。
 「賃金引上げだけではなく、保育の質の向上のためにも、長きにわたり改善がされていない、保育士の配置基準の改善を」と求めました。 
担当部長は、1歳児の職員配置を市独自ですでに、手厚い配置を行っていること、さらにICTの導入や、おもちゃの消毒庫の設置等を行い、環境改善に努めていると述べました。
 また、保育現場は、コロナ禍でも密集・密接で、面積基準の改善についても求めましたが、面積基準の改善には、施設の建て替えなどが必要で、困難と答えました。
 松岡議員は「1歳児の配置改善のための補助金は、長く改善をしておらず、大阪府の最賃を下回る状況で、すぐに改善が必要である。4歳児以上の30人に1人の保育士配置基準についても、小学校では、35人以下学級によって、すでに30人以下のクラスとなっている。保育現場の根本的な、環境改善を」と求めました。

・ビル風対策…まず安全の確保を

樟葉駅前周辺では、ビル風によって、歩行が困難となるため、対策を求める要望が市民から届いています。
 枚方市は、既存の建物に対して、風害に対する法的規制が無いことを理由に、風害である証明ができても、何の対処もできないという姿勢です。
 松岡議員は、現状は、建築時にどこまで対応できるのかが問われるにも関わらず、枚方市の環境アセスメントの対象事業は、豊中市等よりも面積が大きくなっており、せめて、施工区域の面積を小さくすることを求めるとともに、歩道は公共物であり、安全に通行できない所は、安全確保を優先するべきと求めました。

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