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定例市会報告

9月議会 一般質問

 9月16・17・21・22日の4日間、一般質問が行われ、議員団から各議員が質問にたちました。

〇のぐち議員

・二度と感染爆発を起こさないためにもPCR検査拡大を

 新型コロナウイルス感染症の感染状況と対策について、感染者が最大119人となった第5波の状況を問いました。
 保健所長は「7月中旬から再び急激に増加し、8月の発生届の枚方市民分の平均は1日当たり63件、最多は1日当たり119件と、第4波と比べ約2倍となった。増加により、保健所の(注)積極的疫学調査のため感染者本人に連絡が数日を要する状況となったが、8月23日からは、翌日までに電話連絡を実施し、感染者の不安の緩和に努めた」と答えました。
 のぐち議員は、二度とこのような事態を起こさないためにはPCR検査の徹底が必要であり、濃厚接触者でなくても検査をするよう求めました。
 保健所長は「これまでも、状況に応じて濃厚接触者の如何にかかわらず必要な検査を実施してきた。また、濃厚接触者の定義は国が基準を示すため保健所としての変更は困難であり、行政検査としては柔軟に対応しており、今後も感染拡大防止に努めていく」と答弁。
 のぐち議員は「検査の軽視が大阪で過去最悪の死者を出す結果となった。各市でPCR検査自費検査への補助をしている。寝屋川市でも予定している。また、泉佐野市では無料で検査を受けられるPCR検査センターを設置している。枚方市でも取り組むように求めました。
 また抗原検査について、保育所など就学前施設職員や教職員に一人2個渡して健康管理に使用しているが、定期的に週2回検査を実施するように求めました。

・困窮する子育て世帯へ支援を

 ひとり親家庭、多子家庭、生活困窮者家庭の厳しい実態を示し、豊中市は「とよなかっ子応援特別給付金」、明石市では一人10万円の生活困窮者への特別給付金を支給するなど全国で独自の支援策を行っている。枚方市としても独自の支援金・給付金制度を創設するように求めました。
 福祉事務所長は、長引くコロナの影響により、減収となり生活にお困りの方には、住居確保給付金や社会福祉協議会で行っている緊急小口資金等の支援を案内しており、本市では現金給付ではなく、プレミアム付き商品券無償引換え券付ハガキの送付の配布を行ったと答えました。

・公正な入札制度を求め、同一入札への参加制限拡大へ

 「2事業者、3事業者の同族事業者が等間隔で入札し、落札しているとの情報があり、市に確認すると同一経営者の制限をしているだけだった。事態を把握しているのか」と問い、入札価格がほぼ等間隔で並ぶこともあるとの答弁があり、これを受けて「国の資本関係、人的関係のある事業者の入札制限について通達がある。議会事務局に依頼し、実施した中核市調査では62市中61市から返答があり、来年4月実施予定の那覇市を含め39市が制限を設けている」と改善を求めました。
 総務部長は「第三者の視点からの公正性疑義が生じないように国土交通省の通知を踏まえたうえで一定の資本関係、または人的関係のある複数のものの同一入札への参加制限について来年度から制限の対象を拡大する予定で検討を進めており市ホームページにおいてその旨周知を図っている」と答えました。
 のぐち議員は、大阪市は夫婦、親子が代表者である会社等は同一入札に参加できないとした厳しい制限をかけている。枚方市も同様にすべき、来年度といわず本年度から実施するようにと求めました。

・市民不在の市駅周辺大型開発を追及

 枚方市駅周辺再整備事業について、区域内の通路1号の車の通行はやめて市道の歩道とすべきと求めたのに対して、困難であるとの答弁でした。 のぐち議員は、区画道路から通路1号への大型車両侵入は物理的に困難で、危険でありやめるべきだ。通路1号は現在と同様の運用にして市が管理すれば問題も解決できる。住民との丁寧な話し合いをしないのは2025年大阪・関西万博に関連するインフラ整備計画の中に、この枚方市駅周辺地区第一種市街地再開発が指定されているからではないか。万博開催時に間に合わすことよりも住民合意のもとに進めるよう要望しました。
 市ホームページに結果報告があるC街区アンケートについて、回収数が35件では調査としては成立していない。目的が果たせていないわけだから、再度やり方など工夫して取り組むべきだと求めましたが、再度の実施をする予定はないとの答弁でした。
 まさに形だけの市民参加であり、市民不在の姿勢を厳しく批判しました。

〇広瀬議員

・妊婦さんにタクシー運賃助成を

 第5波のなか千葉県柏市でコロナ感染した妊婦さんの入院先が見つからず、赤ちゃんが亡くなるという痛ましいことが起こりました。広瀬議員は、分娩前のPCR検査の結果、陽性となった場合にどうなるのかと不安の声が寄せられていると現状を問いました。
 また、コロナ禍の妊娠、出産の不安は大きいことから、健診や分娩時の通院のためのタクシー運賃助成などの支援を求めました。
 保健所長は「9月13日現在、府下ではコロナ患者である妊婦受け入れ医療機関は22か所、その内、出産受け入れ医療機関は19か所あり、北河内圏域では2か所だが、実際は病床の空き状況による。受け入れ先の決定後、保健所から医療機関名等を伝え、医療機関までの移動手段は状態が安定していれば民間救急車を手配する。なお、今回の第5波、及び前回の第4波で入院できなかった例はない」と答えました。
 また、タクシー運賃助成については「妊婦健診や分娩時のタクシーの助成は、感染防止の一つとしては有効だが、通院方法はさまざまであることから、より効果的な方法を総合的に検討すべきだ。持続可能な支援のあり方について引き続き検討する」と担当部長が答えました。
 広瀬議員は「せめて分娩時の利用や、家族が抗原検査を気軽に受けられるようにするなど、安心につながる支援充実に努めて欲しい」と求めました。

・認知症支援の充実と加齢性難聴への補聴器助成を

 広瀬議員は加齢性難聴への補聴器購入助成を要望するとともに、認知症支援について、草津市の条例や明石市の「みんなで安心、支える、寄り添う認知症あんしんプロジェクト」@認知症の診断費用を全額無料に、A在宅介護を応援する給付金の支給、B認知症手帳を発行し総合的に支援、B家族サポートの充実で3つの無料券をお届け(@宅配弁当(20回分)、A寄り添い支援サービス券(10回分)見守り、話し相手、外出時の付き添い等)、B1泊2日のショートステイ利用券)を紹介し、総合的な支援充実に向けた市長の考えを問いました。市長は啓発の推進や、適切な医療と介護の提供ができるよう検討すると答えましたが施策の充実にはふれませんでした。

・中学校給食は全員喫食が基本

 市教委は中学校給食の今後のあり方について懇話会を設置し、今後の方向性を示す予定です。
 広瀬議員は大阪府下の自治体の状況と検討項目として示された費用対効果についてその意味を問いました。
 担当部長は「43市町村のすべての公立中学校で中学校給食が実施されており、うち、全員給食は32市町村が実施、選択制給食の中で、全員給食への移行を決定しているのは3市、全員給食への検討中が3市、その他が本市を含め5市だ。行政課題として、受託者が限られてきている中で、委託料や設備・備品の経費が高騰することが考えられることから、その費用対効果として持続性についての検討も必要」と答えました。
 広瀬議員は、中学校給食は教育として実施されるもので全員喫食が基本だと述べ自校直営を求めました。

・突然の「選択制ハイブリット型オンライン授業」、学校現場の負担増大、今こそ少人数学級を

 デルタ株により10代以下にも感染が広がるなか、2学期からの学校は対面授業とオンライン授業を併用したハイブリッド型授業が実施されています。(緊急事態宣言中)しかし、こうした方針が保護者に示されたのも学校現場に伝えられたのも始業式前日で様々な混乱を招きました。
 広瀬議員は「なぜ直前の方針決定となったのか。24日の教育委員会で議論はされたのか。夏休みの延長により準備期間を設ける、分散登校などは検討されなかったのか」と問いました。
 担当部長は「8月19日の新型コロナウイルス対策本部会議では、通常通り学校を開始することを報告した。しかし、保護者等から登校への不安の声が多数届き、翌日の20日から、教育委員会事務局において、ハイブリッド型授業について検討を行い、8月24日に教育委員へ確認した後、学校及び保護者へ周知した。登校への不安に対する対応と、ご家庭の事情で、登校せざるを得ない場合への対応を、両立させる、よりベターな手法として選択した」と答えました。
 これに対し「現場の意見も踏まえ早期に対応方針を教育委員会としても議論し決定すべきだった。現場の混乱や憤りは相当なものだったのではないか。ハイブリット型と言うが、資器材も不足し充分な対応ができていない。30日まで延長するが、少なくとも人的支援や必要な機材の確保など緊急に対応すべき」と求めました。
 担当部長は、9月からICT支援員を2名増員し、学校配分予算で資器材の確保は対応していると答えましたが、広瀬議員は、さらに必要な予算の確保をすべきと求めました。また、学校の多忙化解消にも最善の対応が少人数学級だと指摘。大阪府の少人数学級に対する動きを問いました。
 担当部長は、府は国に要望していると答えました。
 広瀬議員は15の都府県が動き出しているのに、大阪府は動かない。府が動かないなら市独自でも少人数学級の推進をすべきだと強く求めました。

〇松岡議員

・電話での引継ぎは不十分、コロナ禍の民営化は中止を…保育所民営化問題

 渚保育所民営化に続き、今年度は4月から渚西保育所で、施設長予定者による引継ぎが実施されているものの、緊急事態宣言が発出されていない期間は、わずか2ケ月程度しかありません。引継ぎ状況を聞きました。
 担当部長は「緊急事態宣言中は電話で引継ぎを実施」「保育所の行事等が適切に行えるように進めている」と答弁。
 昨年度の「書面」引継ぎに続き、今年度も、コロナを理由に電話で引継ぎを行うことが「適切」と判断をしています。
 松岡議員は「子どもの姿も見ず、現場にも通わず適切な引継ぎとは意味が分からない。そもそも募集要項に、引継ぎは『保育所に行く』と記載されているではないか。コロナ初年度と同様の引き継ぎを続けており、コロナを理由にするには都合が良すぎる。民営化は即刻中止を」と強く求めました。

・コロナ対策に専念せよ

 また渚西保育所と同時に、阪・桜丘北保育所の民営化についても説明会などを進めています。
 緊急事態宣言がなされた8月2日以降、臨時休園となった市内保育所等の施設数は、述べ82施設にのぼり、毎日、市内どこかで休園となっているような危機的な状況です。
 松岡議員は「保育園で大規模なクラスターもおきている状況で、保育現場では子どもを守るために、心身ともに負担を背負い保育が行われている。また、濃厚接触者となる保護者の負担も大きい。市民には、人との接触を減らすために、自粛を呼びかけ、飲食店や保護者も生きるための仕事が続けられなくなるかも知れないような状況。東京・大田区では、コロナ禍を理由に民営化が延期された。枚方市は、民営化とコロナから子どもを守ることとどちらを優先するのか」と市長に答弁を求めましたが、「十分な感染対策と丁寧な対応で民営化は実施する」との答えでした。
 大田区の民営化延期理由には、十分な事業者応募も見込めないことも含まれています。
 松岡議員は、民営化を(強引に)進めるのではなく今は、コロナ対策に専念するべきだと主張しました。

・生活困窮者を置き去りにしない…医療提供体制の確立を

 コロナ禍で仕事を失った方の内、約3割が、失業期間が一年を超えているとの報道がありました。
 松岡議員は、経済的な理由で医療を受ける機会が制限されることがないよう、無料や低額で診療できる「無料低額診療事業」について問いました。
 「先日、府内で無料低額診療事業を実施している病院に、コロナで失業し食べ物もなく『ホームレスでも見てもらえる病院』と検索して、病院に運ばれてきたという話を聞いた。また、日雇い労働でしのいできた男性が、コロナのワクチン未接種では現場にいれてもらえず困り果て、市議に相談に訪れ、無保険の相談者に、接種券の手配と、無料低額診療事業を実施する病院を案内するとその場で号泣されたという話もある。枚方市では実施の病院はないが、府下の実施状況はどうか」と尋ね、担当部長から「府下33市のうち、20市で実施している」と答えがありました。
 府下の半数以上の市では、無料低額診療事業を実施している医療機関があることになります。この事業は、医療費は実施病院の負担となりますが、税制上の優遇措置を受けることができます。
 松岡議員は「枚方市は、健康医療都市として『すべての市民が健康で安心して暮らすことができる取組を進めている』とアピールしている。市内の医療団体を通じ、生活困窮者が医療を受けられる環境を、と呼びかけることができるのではないか」と市長に尋ねましたが、「これは、自主事業であり、医療機関に事業紹介を行うことは考えていない」との答えでした。
 松岡議員は「生活困窮者を置き去りにしない、医療体制の必要性」を強調しました。

・二酸化炭素削減に向け積極的な取り組みを

 国が4月に示した、二酸化炭素削減目標は、国連が示す2010年比で42%に過ぎません。全世界平均の45%より低い目標です。
 松岡議員は、世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることができる期限まで9年しかなく、枚方市の温暖化対策実行計画策定審議会では、環境団体などが示す50%程度の削減示し、議論を行うよう求めました。
 また、国は8月に、今後は新築戸建て住宅に太陽光発電設備を義務化する方針を明らかにしています。
 枚方市では、以前に実施していた太陽光発電補助制度が終了しており、その理由を聞きました。
 担当部長が、国の補助制度が終了したことなどが理由と答えたため、高槻市では、(国の補助制度がなくても)現在も市民ニーズがあるので今後も継続していくとされている、と紹介。既存住宅への対応として、太陽光発電や、窓の断熱など、枚方市の積極的な取組が必要だと求めました。

〇つつみ議員

・課題の多い「ひらかたポイント事業」より高齢者への交通運賃助成制度の復活を

 ひらかたポイント事業は、委託契約期間が令和4年3月末までとなっているため、今後の在り方について検討するとのことでした。今後もポイント事業を継続するためには、多くの課題があります。
 つつみ議員は「この事業は市民への周知不足で多くの方が利用方法がわかっていない。実際にポイントをためている方からも、使えるところが、どこかわからないとの意見が多くきかれる。今後、協力店舗の拡大や周知、京阪バスポイントに交換できることの周知など、カード利用を広げるための検討はどうなってるのか」と質問。
 担当部長は「ホームページだけでなく、アプリについても案内している。ポイント利用の協力店舗は320店舗。また、マイナンバーカードによる、自治体版マイナポイント事業との連携を検討している」との答弁。
 つつみ議員は「ポイントカードを持っている約9割が60歳以上の方という実態を考えるとアプリへの移行などは難しい。協力店舗も少なく身近に利用店舗がない」と指摘しました。
 この事業の事業費は、決算見込みで約1億5千万円です。事業を続ける際の事業費の見込みと運営形態についても質問しましたが、明確な答弁はなく、改めて結果を報告するとの答弁にとどまりました。
 「健康増進が目的なのか、経済の活性化が目的なのか、わかりにくく、十分な効果も示されない。事業に費やした費用は、人件費などを含むと約2億円となり、廃止された高齢者の交通運賃補助事業を十分継続できた金額となる。隣の寝屋川市や交野市では、実施されており、枚方市に、住み続けたいと思ってもらえるためにも、高齢者への運賃助成制度を復活させるべき」と求めました。

・香里ケ丘中央公園整備構想…トイレ改修など早期実施を

 香里ケ丘中央公園は、平成30年4月に示された「香里ケ丘図書館・中央公園の一体的な整備の考え方」及び「香里ケ丘中央公園整備構想」に基づき設計や工事を行っています。しかし、現在も運動器具設置や清涼感のあるトイレの整備、樹林地を活用したプレーパークの実施などの整備は実施されていません。
 つつみ議員は、整備構想について、市民説明会も行っている。早急に対応し、地域の核となる公園となるよう早期整備を要望しました。

・福祉避難所のコロナ対策、専門家との協力体制を

 今年5月、災害対策基本法などの一部改正が行われ、障害のある人などについては、普段から利用している施設へ直接的に避難したいとの声があることが指摘され、福祉避難所についてあらかじめ受け入れ対象者を特定するなど、ガイドラインが改正されました。枚方市では、22か所の福祉避難所が指定されていますが、現状では改正にそった、準備や周知がされていません。
 つつみ議員は「福祉避難所の開設について、だれがどのように判断するのか。新型コロナの感染が拡大している中でも受け入れは可能なのか」と質問。
 担当部長は「今回の法改正も含め検討している。支援が必要な方が、避難されてきた場合、一次避難所においてできる限りの配慮を行い対応する。 開設については、市長を本部長とする枚方市災害対策本部において必要性を判断し、要請する。また、感染症対策が可能か総合的に勘案したうえで受け入れ要請を行う」と答えました。
 ガイドラインの改正に沿った準備を早期に行うこと、新型コロナなどの感染症に対しては、事前に、協力体制を整え、開設後も相談できる仕組みをつくり、支援が必要な方が、安心して避難できる体制を整えるように求めました。

・ペットとの避難、行動や備えの周知啓発を

 枚方市の地域防災計画には、災害時の動物保護や収容について、スペースの確保に努め、避難所での適切な飼育の徹底に配慮すると記載されています。
 しかし、具体的な対応などについては、地域が方針を決めるとしています。
 つつみ議員は、地域の理解は大切だが、ペットを飼う人も増えているので、計画にあるように、枚方市が責任をもって対応するべきと求めました。
 また、平時からの備えや、災害時の行動について市民に周知してほしいと要望しました。

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