9月議会
◎決算特別委員会
2019年度決算審議は、9月30日、10月1・5・6・8日の5日間で開かれました。
議員団からは、つつみ・松岡議員が委員として質疑を行いました。
〇一般会計
松岡議員
・商店街対象の商工支援策、ニーズに合わせ根本的見直しを
2019年度は、消費税10%に増税となった年です。元年度の商工支援策等について質しました。
初めに、低所得者などに対して、消費税増税による負担緩和として国が実施した「プレミアム商品券事業」の枚方市の実施状況を確認しました。
担当課長は「全体経費の約3億円のうち、人件費等の事務経費で、約2億円、全体の約64%。商品券の申請率は約42%」と答えました。これでは、低所得者への負担を緩和する目的も達成されず、市内事業者への効果もほとんどなかったことになります。また、枚方市の事業者支援策は、商店街支援にとどまっていますが、市内事業者への支援策の実施状況を確認したところ、H30年度から大幅に減少していることが明らかになりました。
これに対し「予算を余らせている原因はどこにあるのか」さらに「商工団体からも要望があった商店リニューアル制度などの検討はしたのか」と質したところ、担当課長は「商店街ごとに取り組みが違う。毎年の執行状況は変動がある」「リフォーム助成は予定していないが、コロナ感染症で影響を受けている店舗の支援策に取り組んでいる」と答えました。
松岡議員は「商店街の存続が危ぶまれる中で、空き店舗にさせない、空き店舗をなくしていくことが必要だ。予算執行率の低い取り組みは根本的に見直しを行い、要望のあった商店リニューアル制度などの検討が必要だ」と求めました。
・子どもの権利を自治体として守れ…保育所統廃合民営化問題
渚・渚西保育所統廃合民営化に伴う、運営法人選定委員会委員報酬及び、統廃合に伴い、保育施設を建設するための土地の測量費用が計上されました。
この問題では、前回の走谷保育所民営化で、引継ぎに保育士が集まらず、募集要項が守られなかった例をあげ、今回の募集要項は改善されたのかと尋ね、「事前に職員の配置計画の提出を求めた」と答えがありました。
計画だけでは、保育士確保にはなりません。市のこれまでの対応は、引継ぎは、子どもが保育士に慣れれば良いという程度にしか考えてないのではないか、子どもたちの「継続した保育を受ける権利」を守れと主張しました。
また、測量を行った新園舎の面積は「約2,670u」とのこと。
これでは、現在の2つの保育所を合わせた面積よりも小さな規模となってしまいます。
松岡議員は「以前に園舎は2階建てにすると聞いているものの、子ども達が存分に走り回れる面積が確保できたとは思えない。児童福祉施設に関する定めでは、行政は常に最低基準を向上させることを求めている。また、何よりも、この統廃合民営化は、これまで市が示してきた民営化の合理性すらない。民営化によって浮いた経費を待機児童解消に充てることもできず、一部の子どもに保育環境の悪化を背負わせるだけだ。統廃合民営化計画は、見直し・中止をと要求しました。
・地域で公共のギャラリーなくすな…くずはアートギャラリー
くずはモール内に設置されているくずはアートギャラリーは、令和2年度末で閉館されます。
松岡議員は、決算委員会では、利用率や利用率向上に向けた取り組みを問いました。
担当課長は、令和元年度はコロナの影響もあり、実質利用率は約53%で、市として、企画展を充実させ、施設パンフレット等配布をしてきたと答えました。
松岡議員は、利用率が低下したというものの、調査をしてみると、減少が顕著なのは新規利用者であり、逆にリピート率は向上していて、宣伝不足ではないか。パンフレットの配布をしたというものの、アートギャラリーの廃止で市民が地域で芸術に触れる機会も減っていく。今後、総合文化芸術センターに集約させるというが、文化・芸術活動は裾野がなければ広がらない。まちから文化の灯を絶やすな。モール内で運営が無理なら、地域で公共の美術施設の確保をと求めました。
・LGBT支援・課題解決に向け改善を
昨年度から、住民の声に答え、LGBT支援事業が始まりました。
当事者等が集う、コミュニティスペースは一定の参加者で開催されているものの、電話相談は8件の利用にとどまっています。
松岡議員は、電話相談を先行して実施していた淀川区では、委託事業者提案で17〜22時の時間となっている。枚方市の15〜20時は検討する必要があるのではと聞きました。担当課は、実施してまだ1年なので、まずは現行時間で周知に努めると答えました。
松岡議員は、実績をあげてきた時間での検討の必要性と、個別相談なども必要ではないかと、事業の改善と拡充を求めました。
・「くらしの資金」はセーフティーネット、制度の拡充が必要
この間の議会で、市の「くらしの資金貸付制度」について、貸付件数が減少していることを理由に制度継続を疑問視する声があがっています。
これに関わり、令和元年度の相談の内容など質問をしました。
昨年度の相談件数は、132件で、その内、貸付に至らなかったのは123件。貸付に至らなかった件数のうち最も多いのが『他の借金』の61件、次に多いのが『一時的要件の不備』42件、次に多いのは『所得基準以下』の8件、これはどういった方なのか」と質しました。
担当課長は「一時的要件の不備は、一時的に生活が困っているのではなく、継続的に困窮状態の方、所得基準以下は、申請月において、生活保護基準である最低生活費を超えない方だ。いずれもくらしの資金の貸付だけでは、生活の立て直しが難しいため、生活保護制度を説明し、希望される場合には生活福祉担当へ引継ぎを行っている」と答えました。
この答えに対し「暮らしの資金は生活保護の窓口に足を運べない方にとっては欠かせない玄関口だ。窓口に来られた方には、生活全体の状況を聞き取り必要な支援につなぐ取り組みとなっているのか」と質しました。
答弁は「生活困窮者自立支援制度に基づく相談支援センターで初期相談を始めたことで、家計相談支援や就労支援、他の貸付など適切な対応に取り組んでいる」というものです。
暮らしの資金は、予期しない病気などによる一時的な生活資金不足による貸付制度で、社協などにある貸付と表面上は同様に見えますが、家計相談などにつなげるなどの必要な役割を果たしています。
松岡議員は、今後の継続した取り組みを求めました。また、いま高すぎる大学などの授業料が社会問題化しており、枚方市には大学が多くあるものの、奨学金などの独自制度がなく、他機関にお任せ状態です。
「生活保護基準は超えているが、学費を用意することが困難で有利子の学生ローンに頼るしかない人がいるのではないか。暮らしの資金の要件に就学に係わる資金の追加など、制度の拡充こそが必要だ」と述べました。
・差し押さえ禁止財産の差し押さえは許されない
債権回収課における差押えなどの対応について、市民から意見が度々寄せられます。
令和元年度決算では、162件の差押え処分が行われており、その対応状況について質しました。
答弁によると、差押えは、財産調査などを行ったときの情報で行い、直前の状況は確認しないとのことでした。
この答弁をうけ「相談に来られた方は、差押え時はコロナで収入がない状態であったにも関わらず、年金全てを振込日に差押えをした。しかも、債権回収課は、本人が滞納分を納付しに来たからと、納付に応じた。このお金は、社協のコロナ対策の生活資金借入金であり、返済に充ててはならないものだった。もっと丁寧な対応に改めるべき」と求めました。
続いて、「国税庁は、給与が預金口座に振込まれた後の預金口座の差押えは、実質的に給与の差押えになるとして、詳細な差押えの通知文を出している。市ではこの文書に基づいた対応はしていないのか」と質したところ担当課長は「通知は市に来ていない。これまで通り法令順守で適正に対応する」と答弁。
これに対しては「通知を確認するべき。国税庁と異なる対応が適正とは言えない」と改善を求めました。また、不動産差押えによる、庁内ポスター掲示についても、人権的配慮にかけ、やるべきではないと指摘しました。
・緑化植物園としてふさわしい位置づけを…鏡伝池緑地
指定管理者制度で運営をしている鏡伝池緑地公園(市民の森)は、全国的にも数少ない都市緑化植物園です。これまで、地域の方から、バス停がなくなって不便。地域の公園と差別化ができておらず勿体ないなどさまざまな意見が寄せられています。
緑地園の運営状況を尋ねました。
担当課長は「都市緑化植物園として、緑の相談所による情報の普及をはかるとともに、園芸講習会なども行っている。また、令和元年度は、自主事業で来園者を確保するために、樟葉駅からの直通バスの運行を限定的に行った」と答えました。
指定管理者としても努力をしているといいますが、市民は活用に不十分さを感じているのではないでしょうか。
本来は、市が直営で運営をしながら、こうした課題解決をする必要があり、指定管理者にお任せは無責任です。
松岡議員は「都市緑化植物園として市がしっかり位置付けを行い、地域資源活用のために、多くの方に利用していただけるよう、市の責任で通年運行のバスを復活させることが必要」と改善を求めました。
つつみ議員
・新行政改革(4年間)で140億円の効果額、暮らし向上の実感なくサービスは低下
2019年度は新行政改革実施プランの最終年度となっているため、どのように総括しているのか問いました。
「目標効果額約74億円に対し、実績効果額は、約140億円と目標を上回り、民間のノウハウの活用による市民サービスの向上や、効率的・効果的な行政運営に向けた行政サービスの最適化にも大きく貢献した」と答えがありました。
これに関わって「行政改革で保育所の民営化や指定管理制度の拡大、駐車場の有料化などがおこなわれ、140憶円の効果額をあげ市民サービスを向上したといわれても、市民には全く実感がわいていない」と指摘しました。
10月からの消費税の引きあげで、暮らしに大きな影響を与え、生活保護費の引き下げや、マクロ経済スライドによる年金の実質減額なども行われました。
「枚方市が、市民の暮らしを支えるために実施された事業はどのようなものがあるのか」と問いましたが、「国が進める幼児教育・保育の無償化や、低所得者に対する介護保険料の軽減。また、地域における消費を喚起するため、プレミアム付き商品券の発行を行った」との答弁にとどまりました。
消費税の増税で落ち込んだ経済に、新型コロナが追い打ちをかけた形となっており、暮らしを支える自治体の役割は重要だと指摘しました。
・駐車場有料化で市民は負担増、指定管理者は予想より120%の増収
2019年度より、総合スポーツセンター、渚市民体育館、伊加賀スポーツセンターの3施設については、指定管理者による管理運営が利用料金制に変更され、駐車場についても有料化されました。
それぞれの施設の利用状況が減少していることについて見解を問いました。
担当課長は「特に個人利用については前年と比べ、総合スポーツセンターでは約13.4%の減、渚市民体育館では約9.2%の減、伊加賀スポーツセンターでは約12.9%の減となっている。空調工事や新型コロナの影響もある。駐車場の利用料は3施設とも予想より120%の増収となっているので有料化が直接の原因とは考えにくい」と答えました。
つつみ議員は「市民からすれば、施設使用料も払い、駐車場料金も払わされている。施設利用者の駐車場料金は無料にするべき」と意見を述べ、さらに総合スポーツセンターの駐車場の出入り口の見直しや藤阪テニスコートの手洗い場の設置について要望しました。
・児童発達支援センターの清掃は委託でなく職員を増やすことで
2019年4月から開園した、市立ひらかた子ども発達支援センターは、幼児療育園とくすのき園の機能を有した児童発達支援センターです。民間に委託された清掃業務について保護者から意見が多く出されていたことから、対応について質問しました。
センター所長は「清掃にあたる者の指導育成に努め、委託業者が適切に業務を執行するよう努める」と答えました。人員を増やし、保護者や子どもたちが安心してすごせるようにするべきと求めました。
・公立幼稚園の預かり保育、待機ださない柔軟な対応を
公立幼稚園で、預かり保育の時間を延長した事で、預かり保育を希望される方が増えています。しかし、一方では、預かり保育を利用したくても、人数制限や優先順位があるため、利用できなくなったとの声もあります。
「現在、どれぐらいの頻度で預かり保育が利用できない人が発生しているのか、また、その状況をどのようにして解決していくのか」と質問。
担当課長からは「昨年度の状況は、公立幼稚園7園のうち、抽選による利用日の決定が必要であった園は、1園が31年度中に1回のみ、また、もう1園は、毎月、恒常的な抽選となっていた状況で、利用できなかった人の人数は、月によっても異るが、10名程度といった状況。利用できない状況には、課題であると認識しており利用調整や弾力的な運用も含め、検討したいと考えている」と答えがありました。
公立幼稚園で預かり保育を行うことで、3歳児の受け入れ先を確保し、幼稚園でありながら保育所の役割を果たしていることの矛盾が出ています。
つつみ議員は「保育所の待機児童をなくすことと、公立幼稚園を望む声にこたえること、どちらも行政の役割だ。一方のニーズにこたえ、一方を切り捨てるというやり方は納得できない」と、預かり保育や公立幼稚園の入園についてもしっかりと対応していくよう求めました。
・医療ケアコーディネーターの増員と受け入れ先への支援を
医療的ケア児は、人工呼吸器の使用や経管栄養などにより、医療的ケアを受けながら生活する子ども達です。支援に関わる機関は、病院や学校、福祉施設など広範囲に及び、包括的な支援が求められますので、市のサポートが重要です。
昨年度から、市内の基幹相談支援センター1か所にコーディネーターを配置して事業を実施していますが、日常的な相談窓口として積極的に活用してもらうには、コーディネーターの増員を図る必要があります。
これに対し「大阪府の医療的ケア児等コーディネーター養成研修の受講は、市町村の推薦が必要となっているが、これまで市の推薦を受けて養成研修を受講した方はいるのか」と問いました。
担当課長は「市の推薦を受けて養成研修を受講された方は、昨年度が1名、今年度も1名の方が受講している」と答弁。
研修をうけ今後増員がされることになれば、医療的ケア児等も含め、重症心身障害児の受け入れが可能な児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所も増やす必要があります。
これに関して、市内で受入れが可能な事業所は状況と事業所自体を増やすための支援策について問いました。
担当課長からは「昨年度末の時点で、市内の重症心身障害児を受け入れる事業所は、児童発達支援が4か所、放課後等デイサービス事業所が7か所となる。現時点では、事業所を増やす等の取り組みはないが、医療的ケア児等の受入れ先確保等の支援策については、検討課題と認識している」と答弁がありました。
つつみ議員は「現状の受け入れ状況では、十分とはいえない状況。検討課題と認識しているのであれば、受け入れる事業所を増やすには、人員の確保も含めた支援を」と求めました。
・図書館充実のために購入費の増額を
2020年7月の香里ケ丘図書館のリニューアルオープンのためにの図書購入費が十分であったのか、資料(左記)を要求し質疑を行いました。
まず、図書購入費資料で、香里ケ丘図書館が、他の分館と比較すると金額が少ない理由について問いました。
図書館副館長は「香里ケ丘図書館蔵書については、開館に向けて補強することを念頭に、休館期間中は、200万円弱の執行とし、他の図書館に振り分け執行した。なお、2019年度当初予算で図書購入費として約1万冊分1500万円の予算を計上している」と答えました。
これに対し「本来は開館までにしっかり準備することが必要だ。2020年度の当初予算には、『子どもに本を届ける基金繰り入れ金分』となっている。子どもに本を届ける基金は、本予算とは別に児童書などを購入するために使うべき。本来は基金を使うのでなく、財源を確保するべき」と意見を述べました。
さらに「5年間の図書購入費は、5800万円程度でかわっておらず、分館がリニューアルされ、中学校に司書を配置し、本に親しむ環境の整備をすすめながら、購入費が増額とならなかったのは納得できない。中央図書館と分室を除いてすべての図書館が指定管理業者の管理となっている。分館や分室が、地域の図書館として役割がはたせるよう、選書については十分な検討をするべき」と指摘しました。
また、「自転車駐車場に屋根を付けてほしい」「図書館の窓から見える崖は、いつになったら当初の計画のように緑になるのか」について早急な対応を求めました。
・学校の空調設備改修、災害に備え検討を
2019年の台風21号で小中学校の空調の室外機840台に大きな被害がありました。
「復旧の際には室外機の設置場所等どのように実施したのか」と質問。
担当課長は「復旧については、国の補助金を活用しており、現状復旧が補助条件であるため被災前と同位置での復旧を実施した」と答えました。
また、今後、大型台風が上陸した場合、今まで同様に室外機が校舎屋上にあることで同じ様な被害が発生する可能性があり、今後の対応について質問しました。
担当課長は「小中学校の空調機は、更新時期が近づいており、室外機の設置位置を含め自然災害に対応できるよう検討し設備の更新を実施していく」との答弁でした。
つつみ議員は「室外機は屋上以外への設置を検討することと、体育館などの空調設備の設置」を求めました。
〇特別会計
つつみ議員
・黒字分は保険料引き下げのために繰り入れを…国保特別会計
2019年度の国保特別会計は、単年度の収入から支出を引いた形式収支は3億円の黒字となっています。国民健康保険は保険料が収入の2割をしめる世帯もあるなど、高い保険料で暮らしが圧迫されているのにもかかわらず、枚方市は黒字分を保険料の引き下げに使わず、繰り越し分と合わせて、基金に積み立てました。
この点を「2019年度黒字になった理由と、なぜ、保険料の引き下げに使わず基金に積み立てたのか」と問いました。
担当課長は「黒字になったのは、滞納繰越分の保険料収納が多かったことと、保険者努力支援制度(※)分の特別交付金が獲得できたことなどがある。基金設置の目的は、万一保険料が十分に収納できず、大阪府に納付する事業費納付金の財源に不足を生じたときに備えるため」と答えました。
つつみ議員は「滞納繰り越し分の収納も増えたということだが、保険料の収納状況が評価されるからといって収納ありきの対応でなく、払いたくても払えないという方に対しては、ていねいな対応をするべき」と求め、さらに「基金の目的が不足分の補填のみであり、黒字分を市民が払える保険料にするために使わないという市の考え方には納得できない。保険料は市で決めるものということを忘れず、保険者としての役割を果たすべき」と意見をのべました。
・減免率の拡充を…後期高齢者特別会計
後期高齢者医療の、収入減少による保険料減免制度は、事業の不振、事業の休業又は廃止、失業等により、保険料の賦課のもととなる所得額が前年比で30%以上減少し保険料の全部又は一部を納付することができないと認められる場合となっています。減免率は30%から70%の間で所得割額が減額となります。
一方、国民健康保険の減免についても、条件は同じですが、減免率は所得割額が30%から100%の減免となります。
これに関連して「国保と後期高齢者医療制度では、同じ条件でも減免率が違う。ほとんどの方が75歳以上になれば後期高齢者医療制度に移ることになる。減免率を国保と同じにすることはできないのか」と質問。
担当課長は「後期高齢者医療の減免は、保険者である大阪府の広域連合が、後期高齢者医療に関する条例によって減免率を定めており、その基準に沿って行っている」と答えました。
つつみ議員は「国保、後期高齢者医療とも保険料が高く、被保険者の負担が大きくなっている。減免率の拡充について広域連合に対して要望し、市民の負担軽減に努力を」と求めました。
・歯科検診の周知を
無料で受けられる歯科健康診査受診状況の受診率が、2018年度は43市町村の中で41番目であり、2019年度はさらに下がっているため、対象者への周知など、どのような取り組みを行ったのか質問しました。
担当課長は「高齢者の口腔疾患及び口腔機能低下の予防として重要であると認識しており、広域連合との連携協力の観点から、広域連合が府下の被保険者に受診案内を郵送する時期にあわせ、『広報ひらかた』への掲載やホームページなどで周知した」と答えましたが、つつみ議員は、結果的に受診率が低いままとなっていると指摘、原因をしっかり認識して対応に当たり受診率の向上に努めるよう求めました。
・消費税の増税と新型コロナの影響で減収
市として ひらかた病院への支援を…市立ひらかた病院事業会計
2019年度の市立ひらかた病院事業会計は、新型コロナウイルス感染症の発生が病院収益を悪化させ約3,000万円の損失です。
「新型コロナ感染症患者を受け入れるために確保した病床の空床に対する国からの補助金の補助単価と対象病床数について」質問。
経営企画課長は「1床当たり16、190円となっており、3月23日から31日までの9日間、延べ22床分となっている」と答弁。
この補助金は、コロナ禍で受けた収益減をカバーするには、あまりに低額です。
つつみ議員は、今後、国が予定している補助金をしっかり確保するよう求めました。また、消費税の増税による影響額について聞いたところ、正確な数値の把握は困難としながらも、消費税の改正に合わせて改定された診療報酬の額も加味すると、概算で約2、200万円になると考えていると答えました。
つつみ議員は、新型コロナの影響も大きいが、消費税増税がなければ収支はもっと改善していたと指摘し、今回のコロナ禍を教訓にしっかりと備え、今後も感染症医療機関としての役割をしっかりと果すとともに、市民の命を守る病院として市全体でしっかり支援するように求めました。
松岡議員
・市立ひらかた病院駐車場・駐輪場料金――市民の声に沿って見直し検討を
2016年に、ひらかた病院の駐車場・駐輪場が有料化され、2021年には契約更新が行われます。
これまで市民から寄せられた声を病院としてどう捉えているのか尋ねました。
担当課長は「有料化した当時は、有料化への苦情や無料の延長を求める声や、設備面での要望など多数ご意見を頂いた。2019年度では、駐車場に関する意見は減少しており、料金体系など多くの方に認識いただいたと考える」と答えました。
これに対し「有料が知られたことと、納得したこととは別の問題だ。これまで契約期間中は見直しができないと言われてきたが、病院としてこの間の市民の声をうけ、見直しを考えるつもりがあるのか」と質しました。
担当課長は「受益者負担の観点で有料化にした。継続することが基本だ。しかし、料金体系については、患者の声にも耳を傾けつつ、適宜検証し、本院に来て頂きたい環境を整える観点から見直すべきところは見直すなど必要な対応を行っていく」と答えました。
党議員団では、当初から有料化に反対をしてきました。今後受診者に来て頂きやすい環境を整えるということであれば、他の病院のように、受診者は無料。そして巡回バスの運行もするべきです。
・統一化となっても児童扶養減免の継続を
2024年からの統一保険料を理由に、枚方市では、独自の減免をなくしてきましたが、児童扶養減免については、2019年度も継続がされてきました。
松岡議員は「2019年度の第2回国保運営協議会資料には、今後の検討をすると記載があるが、今後の考えは」と聞きました。担当課長は「府下統一化となれば、独自減免は廃止する。府の会議のなかでは、多子減免の検討も進められており、状況を注視している」と答えました。
国は子ども減免については、自治体独自の判断で実施できることを示しており、全国的には子育て支援に位置づけを行うなどして、実施が進んでいます。松岡議員は「他市では、大学生まで減免の拡大を実施しており、制度廃止はするべきでない」と意見を述べました。
●討論 (2019年度決算に対する共産党議員団の討論)
2019年度は、10月から消費税の増税、生活保護費の切り下げ、年金の実質減額など、国民の負担増と給付削減が行われた。さらに、今年1月からの新型コロナの感染拡大が経済に大きな影響を与えている。
こうした中で、民間委託をすすめ、指定管理者制度の導入を進めることで職員を減らし、市民に受益者負担を押し付けるやり方は、自治体が市民の暮らしを支える役割を果たしているとは言えない。公共施設の駐車場の有料化や、生涯学習市民センターと図書館への指定管理者制度の導入、公立保育園民営化の推進など、財源の確保が前提となっており市民の暮らしに寄り添ったものとはなっていない。そうして生み出した財源を枚方市駅前の再整備のために基金として積み立てていくことは、市民理解が得られるとは思えず、再整備は市役所庁舎の建て替えなど最小限に抑えるべき。
以下、具体の問題点。
第1に、渚と渚西保育所の統廃合民営化。
第2に公立幼稚園の預かり保育事業について、1号認定で公立幼稚園に入園した保護者のニーズが置き去り。市立さだ西幼稚園の廃止。閉園後、待機児童用の保育室としていくが、本来は認可保育園を作るべき。
第3に新行政改革プランで、民間委託や有料化を進め、市民サービスの低下、市民負担を増やした。
第4に「学習支援事業」など、子どもの貧困対策が不十分。
第5に枚方市内業者の実態の把握が不十分なため、市内の商店や中小事業所へ取り組みができていない。
第6に債権回収について市民の暮らしに寄り添った対応となっていない・
以上の点から一般会計は反対。
そのほか、国保・後期高齢者医療特別会計には反対。他の特別会計及び事業会計については賛成。
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