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定例市会報告

各委員協議会

 3月定例月議会前の委員協議会が2月13日〜18日の日程で開かれました。
 各議員の主な質疑を紹介します。

〇厚生委員協議会(松岡議員)

・引き上げつづく国民健康保険料 黒字は保険料引き下げにあてるべき

 来年度からの、国民健康保険料(案)が示されました。今年度に続き、来年度も府下統一保険料に向けて、ほとんどの世帯が引き上げとなります。
 市は保険料抑制のために、予定収納率を高く設定し、賦課総額を小さくしたこと、現在実施されている、保険料の急激な増加を抑える激変緩和策が令和5年でなくなるまでに、少しずつ保険料を引き上げる必要があるという考えを示しています。
 一方で、国保会計は、3期連続の黒字見込みで、これまでの累計は約7億円にもなっています。
 松岡議員の「国保の財政調整基金の設置提案理由と、基金は、保険料引き下げに活用することはできるのか」との問いに、担当課長は「保険料が集まらなかったときなどに対処できるようリスク対策だ。基金は引き下げに活用はできない」と答えました。
 この他、激変緩和策がなければ、現行の枚方市の一人当たりの平均保険料額約13万円が15万円程度にもなるということも明らかになりました。
 松岡議員は「統一保険料になるからと保険料の引き上げをし、この間黒字を出し、そしてリスクに備えるための基金は設置するが、保険料の引き下げには使えないということでは、国保料の統一化は一体なんのために、だれのためにやっているのかわからない。情報によれば、近隣の寝屋川市や富田林市では保険料据え置きの考えもあるようだ。枚方市でも保険料の引き下げ等が必要ではないのか」と引き下げを求めましたが、聞き入れられませんでした。
 市独自の子ども減免については、来年度は継続するものの、今後は府の制度化の状況を踏まえた検討としており、松岡議員は「府の制度化をまたずに、独自で軽減策を実施すること」を求めました。

・子育て支援拠点施設は早急に設置を

 昨年末に市民説明会等が行われた第2期枚方市子ども・子育て支援事業計画の最終案が示されました。
 計画では、各主要事業に対して、量の見込みを算出、計画期内での確保方策が示されています。
 その中で地域子育て支援拠点事業は、1期で計画した市内16か所の設置を達成できず、13か所設置にとどまっており、第2期案では、最終年の令和6年で16か所の設置を達成するとしています。もともと市は、保育ビジョンで、公・私立保育所(園)でバランスよく拠点施設を設置すると示していましたが、この間民営化を優先してきたために、公立保育所3か所の拠点設置ができていません。
 地域開放などがあるからという声も聞こえてくるなかで、地域開放などの子育て支援と、拠点事業の違いを問うたところ、「拠点事業は保育施設などで、子育てする保護者同士の交流や、相談・情報提供・助言などを行うことを目的としたもので、基本的に保育施設が開設している間はいつでも親子で来ることができる。一方地域開放は園庭などで遊べる場の提供」と答弁がありました。
 松岡議員は「拠点事業と地域開放とは取り組みが違うのに、拠点事業を1期での計画達成を行わず、さらに2期でも早期設置をさせない計画のありかたは、おかしい。在宅で子育てする方の支援として役割担う拠点事業の必要性をどう考えているのか」と副市長に答弁を求めました。
 副市長は、「在宅で子育てする保護者への支援は必要と認識している」と答弁。
 松岡議員は、計画の早期達成を求めると同時に、市民意見では、保育所民営化はやめてほしいという声が最も多いにも関わらず、この点が計画に一切反映させないことは許されないと意見をのべました。

〇建設環境委員協議会(広瀬議員)

・基本水量分も含め現状通りの減免維持を

 水道料金等の制度見直しの考え方や料金設定については、11月の協議会で示された素案のとおり、基本料金を口径別の基本料金とし、水量区分を見直し、基本料金に含まれていた基本水量8m3を廃止。小口径では8m3使用時の水道料金を現行と同一に、9m3以上の水量区分ごとに従量料金単価を1円増額します。3月定例月議会に条例の一部改正案の提出、4月から9月に新制度を周知し、10月より実施予定。
 行政改革プラン2020(案)に対する市民意見募集においても多くの意見が寄せられた福祉減免制度については基本料金(一月あたり税抜きで水道料金660円、下水道料金768円、税込みで計1641円)の減免は継続し、基本水量分の取り扱いは引き続き市長部局と検討すると報告されました。
 広瀬議員は、8m3(70円)の取り扱いについて、東京都では基本料金に加えて水道は8m3、下水は10m3までの減免を実施しており、基本料金と8m3までの料金を減免し現行と変わらない制度となるように求めました。

・上下水道ビジョンの見直し、下水道整備基本計画策定へ

 現行の上下水道ビジョン(令和3年まで)を見直し、令和4年度から水道と下水を分離した新たなビジョンと下水道整備基本計画(令和3〜10年度)を策定します。下水道整備計画では、重点項目として、老朽化対策、地震対策、雨水整備、汚水整備をあげ、年間約34億円の建設改良費を見込む予定。令和2年9月に素案をまとめ11月にパブリックコメントを実施。新ビジョンは令和3年度に素案の策定等を進める予定です。
 広瀬議員は、下水道の地震対策は重要な幹線で耐震化率が25.8%だが令和10年度末の目標数値はどうなるのかと問いました。
 担当課長は、来年度に簡易診断を実施し、結果に基づき計画的に実施する。令和5年度までに約1.6キロの耐震化を完了させる予定で、その時点では26.6%と答えました。
 広瀬議員は、5ヵ年で0.8ポイントの増加はごくわずかに思える。重要な課題であり、体制も整え推進をと意見を述べました。

・子育て・若者夫婦世帯の中古住宅(空家)活用に支援

 耐震化と定住を促進するために、既存の木造住宅耐震改修補助制度を改正し、若者世代空家活用補助制度を創設します。

〇木造住宅耐震改修補助制度・・旧耐震基準(昭和56年5月以前の耐震化基準)で建てられた木造住宅(所得要件あり)。耐震診断補助を4万5千円から5万円に増額。
 耐震設計と耐震改修や簡易改修をパッケージで補助する制度を創設し、補助申請の手続きの簡素化を図ります。また、屋根軽量化工事補助(上限20万円)を創設します。

〇若者世代空家活用補助制度・・市外から市内へ転入、市内在住で賃貸住宅から市内空家へ引っ越す方。対象経費は、旧耐震基準の中古住宅の取得、除去及びその跡地での新築工事費、もしくはリフォーム工事費。補助額最大100万円。
 広瀬議員は、耐震改修補助と若者世代の補助は同時活用できるのかと問いました。担当課長は可能と答えました。広瀬議員は、セット活用できることをわかりやすく周知するよう要望しました。

〇文教委員協議会(つつみ議員)

・社会教育部を廃止。文化財・スポーツを観光賑わい部へ

 教育委員会の機構改革として、2020年度4月から、東京2020オリンピックや大阪・関西万博を契機にスポーツ及び文化財資源を活用し教育の枠を超えた観光振興及びインバウンド拡大の促進を図るために、スポーツ振興課と文化財保存施策を観光賑わい課に移し、社会教育部を廃止すると報告がありました。
 さらに、効率的・効果的な事務執行体制の整備を行うとして、市立幼稚園事務を市長部局の子ども未来部に移管するとしています。また、これまで、子ども青少年課が所管していた「いきいき広場事業」を、教育委員会の留守家庭児童会などと一緒に放課後子ども課に移管します。
 公民館が生涯学習センターに再編された2005年の社会教育委員会議で、社会教育事業として位置付ける施策や事業についての答申が出されています。そこには、青少年教育、スポーツ振興、文化財の保護、図書館サービスなどがあげられています。
 つつみ議員は「今回、社会教育部を廃止するにあたって、社会教育委員会議にはかったのか」とただし、担当課長から「社会教育委員会より上の、教育委員会議で決めたので、問題ないと考えており、社会教育委員会議には、今後報告していく」と、驚くべき答弁がありました。
 これまで、市民と行政がつくりあげて、枚方が誇りにしてきた社会教育がなおざりにされている。社会教育委員会議にもかけずに決めたことは納得できないと批判しました。

・教育に競争と自己責任を持ち込む市長策定の「教育大綱」

 2016年度に策定した「枚方市教育大綱」の対象期間が4年間で、今年度が最終年度となっていることから、2020年度から2023年度までの新たな教育大綱を策定すると報告がありました。
 教育大綱は、市長と教育委員会と「総合教育会議」を開いて協議することとしていますが、内容の決定権は市長にあります。
 今回示された「教育大綱」のはじめに書かれている市長の言葉は、これからの時代を「高い能力や技術を身に着けたものが評価される一方で、そうでない者との格差がはっきりと分かれる競争の時代」として、教育に競争を持ち込むことが必要であるかのような内容です。
 また、市長の価値観として、子どもに教えること身に着けさせることが書かれていますが、子どもの人権への配慮もなく、教育に自己責任を持ち込むものとなっています。
 つつみ議員は「教育大綱の策定にあたって、他市では市民意見を聞いているが、枚方市でパブリックコメントなどをする予定はないのか」と質問しました。
 担当課長は「教育大綱は教育基本法に基づき市長が決めるものであり、次に策定する教育振興基本計画についての市民意見の聴取を行う」と答えました。
 つつみ議員は「(教育大綱は)一人ひとりの子どもの豊かな成長を保証する教育を実現させるために何ができるかを示すものだ。この内容で市民の理解が得られるとは思えない」と意見をのべました。

・地域の願い受け止め分室は残すべき

 枚方市立図書館の3分室(釈尊寺・茄子作・東香里)について、2017年5月に策定された「図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方」に基づき、廃止の方針が打ち出されました。
 その後、地元の方などから、閉室反対の声があがり、説明会でも納得できないとの意見が多数をしめました。
 これまで、地元への丁寧な対応を求めてきましたが、今回、閉室までの具体的な計画が報告されました。
 住民の反対の声を無視して、閉室ありきで進められている計画には納得できません。
 1つの分室にかかる経費も、当初の計画で示されていた1000万円から約670万円と修正されています。
 こうしたことも含め、早急に進めるのではなく、住民への丁寧な説明を行うことが必要です。
 子どもたちの読書離れが進む中、地域の分室の役割は大きくなっています。市は地域住民の願いを受け止め分室は存続するべきです。

〇総務委員協議会(のぐち議員)

・自治体本来の役割を放棄…市民不在の機構改革提案

 市は市民サービス向上や行政課題への対応強化をはかるとして大規模な機構改革を提案しました。
 その特徴は@部の上に危機管理監と子育ち支援監を置く。A現在の市民安全部を市民生活部に改編し、住民異動や税に関する手続き等に関わる部署を集約することでワンストップ化し、さらなる市民サービスの向上を図る。
B地域共生社会の実現に向けた健康(保健)・福祉・高齢者施策を組織横断的に推進する体制整備として健康部、長寿社会部、福祉部を統合、健康福祉部を設置。C産業文化部を観光にぎわい部に改称し、教育委員会から文化財課とスポーツ振興課を移す、というもの。
 のぐち議員は、@について「監」の位置づけが不明確と指摘。Aについて今の庁舎では、市民室や国民健康保険室、年金児童手当課などの部署をワンフロアに集めることはできず、ワンストップにはならない。市民が窓口を回るのではなく、職員が市民の所に来るのか、どうサービス向上を図るのか問いました。
 担当課長は複数の手続きが必要となる市民に、ワンストップで受け付けができる体制の整備などについて検討を進めていくと答えました。
 のぐち議員は、結局目的は人員削減、保険料の徴収強化だと指摘しました。
 Bについて、地域共生社会の実現というのならば、北部リーフのような地域拠点を作り、そこに各部署から職員が行けばよいのではないかと問いました。
 担当課長は「関係部署を集約することで、効果的な施策推進を図るとともに、複合的な課題を抱える市民により迅速かつ的確な対応ができるよう、体制整備行う。健康福祉の総合相談支援窓口は、重要な位置付けと考えており、地域における相談窓口の在り方についても、今後検討していく」と答えました。
 今回の機構改革も全く市民の目線が欠けている。名前だけ変えてやっているように見せかけるものだ。特に賑わい観光部は消費税10%増税やコロナウイルスの影響で市内経済が深刻な状況なのに「産業」の名称はなくすべきではないと指摘しました。

・行財政改革プラン2020…市民の声を真摯に受け止めよ

 昨年11月に発表されたプラン案には「水道料金・下水道使用料福祉減免の廃止」をはじめ、図書館3分室の廃止、さらなる公共施設駐車場有料化、福祉バスの見直し、学校施設開放事業の有料化(電気料など)、公立保育所毎年民営化、小中学校管理運営包括委託(留守家庭児童会室・校務員業務・放課後事業など)が含まれ、プラン実施で生じた「行革効果額」を市駅周辺再整備事業の財源にすることに市民の大きな怒りが沸き起こりました。
 プラン案に対するパブリックコメントに316件の意見が寄せられました。
 今回示された最終案では、水道料金・下水道使用料の福祉減免制度の見直しは「見直しの実施にはさらなる検証・検討が必要なことから、現時点では、取組目標を『見直しに向けた検討』」に変更。
 駐車場有料化については「有料化の実施にはさらなる検討が必要なことから、現時点では、課題名及び取組目標を『有料化に向けた検討』」に変更」となりました。
 のぐち議員は、パブリックコメントにたくさんの意見が寄せられているが、どのように受け止めているのか、意見の中には不利益が生じるという切実なものも多かった。どう改善するのか問いました。
 担当課長は、行政の各分野、多くの課題に様々な観点から、意見をいただいたものと考える。利用される方にもこうした考え方について理解をいただきながら、具体的な検討を進めていくと答えました。

・国際化施策を進めるために国際交流センター設置を

 国際化施策に関する考え方(案)策定の過程について、のぐち議員は、外国籍市民の意見や要望を把握し、国際化施策へ反映すべきだとただしました。
 担当課長は、「考え方」は、あくまで総合的かつ体系的に国際化施策を推進していく指針として定めるもので、3月に実施予定のパブリックコメントにより、市民の意見や要望の把握に努めたいと答えました。
 これに対し「関係団体やボランティアの意見を聞いて作ったとのことだが、その範囲の外にいる外国籍市民の声は聴けていない。直接外国籍市民の意見を聞いていないのは不十分だ。パブリックコメントは外国語でも実施すべき」と求めました。
 また、この「考え方」では外国籍市民が集える場や日本人市民と交流できる機会を日常的に設ける点の整備について、触れていません。外国籍市民、ボランティアの交流と情報発信の場として、国際交流センターが必要ではないかと質問。
 担当課長は、外国人市民等と交流機会を増やすことが重要であると捉えており、今後、様々な形で機会の充実に努めていくと答えました。
 のぐち議員は、答弁のような消極的な姿勢では市民の皆さんや団体の皆さんが蓄積してきた経験や様々な力を発揮できなくなると批判しました。

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