6月議会 議案審議
◎一般会計補正予算(補正額 約4億398万)に反対 (質疑)
〇次期行政改革実施プランは審議会で策定すべき…意見聴取会の委員報酬は認められない
行政改革関係事務経費として、次期行革プランの策定のための意見聴取会報償費として14万3千円が計上されました。
のぐち議員は「意見聴取会をたった2回程度しか開かないということだが、新行政改革大綱で掲げた行革の目的を継承するものになっているのかどうか、審議会を作ってその検証も含めてしっかり第3者の観点で見直し、新たなプランを作っていくべきではないのか。また、市民団体がなぜ1団体なのか、団体だけでなく、市民公募での市民委員をなぜ考えないのか」と問いました。
担当部長は「現行の新行政改革大綱の継承を基本に新行政改革大綱策定時のように審議会を設置し、改めて諮問、答申を得ることは考えていない」と答えました。
これに対し、のぐち議員は「その時々の社会経済情勢の変化だけにとどまらず、市民生活の変化や枚方市の課題に対応した簡素にして効率的な市政の実現を推進するための審議会を作るべき」と求めましたが、市は、審議会ではなく、意見聴取会を設置し、市民団体を含むそれぞれの分野から意見をもらい、パブリックコメントを経て広範なご意見を募りながら、策定していくとの考えを示しました。
〇保育所給食費の実費支援を
広瀬議員が保育の無償化について問いました。
これまで保育料のなかに含まれていた給食費が実費負担となり、主食費と合わせて保育所等から徴収されることになります。国は年収360万円未満の世帯の給食費について月4500円の支援を決めましたが同一の保育料負担世帯でも、副食費の支援が受けられる世帯と受けられない世帯が生じます。この階層の第2子保育料は6500円です。国が示した主食費は月3千円で、仮にこの金額で実費徴収すると合計金額は7500円となります。
広瀬議員は中学校の給食費を上回るこの金額は大きな負担感を生む、また保育料と同じだけの実費負担が求められることになる。この矛盾、負担感を解消するためには、市長公約を実現し、第2子保育料の無料化で第3子と同様に給食費の負担をなくすのが一番だが、少なくとも給食費を無償にする努力が必要ではないかと指摘、担当部長は、「市単費での負担になることや給食費の対象から除外した国の考え方との整合性など難しい」と答弁。 広瀬議員は、保育料に含まれていた副食費を外す国の考え方そのものが問題だ。そこで生じる矛盾をできるだけ解消するのは自治体の果たすべき役割だと努力を求めました。
〇光善寺駅前の再開発…要望を反映した街づくりを
連続立体交差事業関連まちづくり事業経費として3,016万9,000円が計上されました。これは、光善寺駅西地区再開発に関するもので、地下埋設物調査などの設計業務の前倒しを行なう費用です。
つつみ議員は、特に26階建ての高層マンションの整備が予定されているため、区域内外との調和がとれた建物となるのかとの声や、区域内の計画に対してもより良い環境を求めて様々な声が寄せられていることを紹介し、枚方市の対応を問いました。
担当課は「現在、組合の設立認可に向けた手続きを進めているところ。寄せられた意見については全て再開発事業の施行者となろうとしている準備組合に伝える」と答えました。
つつみ議員は、26階のマンションができることで、風害などの影響も心配される。再開発については、住民からの要望などを充分ふまえた街づくりが行われるよう、枚方市としても努力してほしいと要望しました。
〇保育所民営化の土地購入…待機児童解消の効果乏しく
渚保育所・渚西保育所廃止・統廃合民営化に伴って購入予定の土地の測量、鑑定のための予算が計上されました。
松岡議員は「子どもにとって重要な環境に係る土地の広さなど示されないまま、保護者への説明もしていない状況で、購入する土地の測量などの予算の適正を図れるはずがない」と指摘。
そもそも、これまで民営化の理由を、「経費削減をして待機児童解消を図る。浮いた経費で子育て支援の拡充」としてきました。これまで民営化時には30名の定員増が行われてきました。しかし今回は2園の統合民営化にも係らず、わずか20名の定員増の計画です。
統廃合も、民営化も、また新たな土地購入(無償貸与)についても、その必要性は乏しいものです。
わずか2年余りに、新たな先生・新たな保育所さらに、90人定員から200人の大規模な集団の環境に置かれることになる子どもたちに大きな負担を背負わすような民営化計画はやめるべきと主張。
◎他の議案
〇総合文化芸術センター用地から産廃、開館時期の変更
総合文化芸術センターの建設用地から地中埋設物が発見されたため工期を当初の令和3年1月29日から3月19日に延長し、契約金額を1億8677万円に増額する契約の変更が提案されました。
広瀬議員が質疑を行い、地下埋設物の処理に関する経費と開館時期への影響を問いました。 担当部長は処理費として約2億7300万円、開館は令和3年の夏頃を予定していたが秋頃となる予定と答弁。
また、多額の経費を要するが、土地購入に際して地下埋設物の有無について調査はされなかったのか、また、売買契約において特約などつけていなかったのか。その理由も含めて問いました。
「土地購入は、平成5年から8年にかけて行われたが、土壌における廃棄物等の取扱いが厳格化される前に行われており、地中埋設物の有無についての調査や売買契約において特約が付されることがなかった」との答弁。
広瀬議員は「約74億円を投じて購入した土地に産廃が埋まっていて、その処分に2億7千万円もの巨費が必要となった上に開館時期まで延期される。昔の話で相手先に請求も出来ないとのことだが、少なくとも11月中旬に発見され4月17日にその量が確定されているのであれば、その途中で報告すべきではなかったか。 市民の皆さんから待ち望まれている施設でもあり、建設工事の進捗、開館予定時期がずれ込むことも含め説明責任を果たすべき」と指摘。
〇小規模保育施設卒園後の受け皿確保はできず
この間、市は待機児童解消目的の一つとして、2歳までの子どもを預かるための、小規模保育施設を増やしてきました。本来であれば、3歳児からの受け皿保育所は確保することが必要であるにも関わらず、国が離島などで、受け皿保育所の確保が事実上困難な地域について認めてきた、5年間の猶予を枚方市に当てはめて、受皿保育所を確保できない状況で、小規模保育施設を増やしてきました。
国が5年間の猶予を10年に延長することを認めたために、枚方市でも10年に延長をとの内容で、条例改正提案が行われました。
松岡議員が質疑を行い、市内の小規模保育施設のうち、3歳からの行先が確保できているのは、全16施設のうち、3歳からの受入れ確保できたのは4施設だったということを明らかにしました。
10年の延長で、小規模保育施設がまた増えていけば、受皿施設の確保がいっそう困難になる。待機児童解消は就学前まで受け入れる保育所を増やすべきと指摘し、条例改正に反対しました。
〇保護者説明会よりも条例改正を先行
枚方市立保育所民営化に係る運営法人選定審査会の委員定数について、改正提案が行われました。
松岡議員が質疑し、委員定数を7名から9名に改正する理由を問いました。
審査会で選定を行う渚保育所及び渚西保育所の民営化は、民営化後、統合を行うこととしているため、それぞれの保育所から2名ずつ委員を委嘱するため、2名増の、定数に変更するという答え。
当該の保育所に対し、(民営化・統合の)説明会を一度も開催しておらず、保護者の思いも聞いていないのに、条例改正を先行するのは納得できないとして条例改正に反対しました。
◎一般質問
のぐち議員
〇公約不履行は実績として評価を受ける?
少人数学級編成の拡充を、選挙時に公約し、市長になると公約から外したことに対して、また子育て支援公約の多くを実現しないどころか、取り組みも始めていないことをどのように市民に説明するのか問いました。
市長は「4年間で実現に至らなかったものがあるということも含め、私自身の実績として評価を受けることになる」と答えました。
選挙で当選すれば公約を守らなくてもいいという無責任な答弁は問題だと指摘。
市駅周辺再整備事業計画については、財源確保を検討し11月に提案するとしているが、他の実行計画に位置付けている「子ども医療費助成を高校3年生まで延長」などの事業はどのようにするのかと問うたのに対し、 市長は今後の施策展開は、しかるべき時期に方向性を示すと答えました。
〇市駅周辺市街地再開発事業は「基本計画」が市民的合意を得るまで延期すべき
枚方市駅周辺再整備基本計画が1年間先送りになったにもかかわらず、B街区の市街地再開発事業を進められている状況について、「基本計画」が市民的合意されるまで、B街区の都市計画決定は延期するよう求めました。
しかし、担当部長は、市駅北口駅前広場の拡充など広域中心拠点の形成、まちの魅力の向上などを実現していくため、民間主体による本事業を支援していくと答えました。
さらに「付近住民は現京阪用地及び駅北側の現住宅供給公社跡に計画されている商業施設から出入りする車両が、京街道へも流入することを大変懸念されている。京街道に車が流入しないようにするべき」と問いました。
担当部長は、地域の懸念に対応するため、準備組合に対し、具体的検討を進めるにあたり反映してもらうよう伝えていると答弁。
準備組合に検討を求めるのではなく、市民が納得できるように説明をすべきではないかと指摘。
〇カラス対策…箱形ネットへの補助制度継続を
カラス対策箱型ネットへの補助制度は購入費用の3分の1、1万円を上限とし、平成29、30年度限定で、実施し、それぞれの年度での補助実績は設置台数244台と250台となっています。
箱型ネットの普及により、これまで被害のなかった地域にカラスが狙いを変え、逆に被害の拡大につながっているとして、こうした地域でのカラス被害を防止のために、引き続き、補助制度を継続するべきと求めました。
〇高齢者の運転免許証自主返納と高齢者の外出支援の充実を
高齢者の運転免許証の自主返納状況とその支援状況を質問し、他市との比較を示しながら支援の充実を求めました。
継続的な高齢者の外出支援についてコミュニティバス、デマンドタクシーなど利用補助を、市も具体的な検討を、と求めました。
〇DV漏洩事件再発防止の検証委員会の設置を
ドメスティックバイオレンス(DV)を恐れて転居した女性の住所を夫に漏らした事件を取り上げ、その原因は、行き過ぎた人員削減などにある、と指摘。今後予定されている窓口のアウトソーシング化はさらに拍車をかけるのでは、と懸念を表明。
以前にも同じような情報漏洩が起き、市は猛省するとしたにも関わらず、また起きたと述べ、市の実施している事務全体について、第三者の視点から、審議会を立ち上げて検証するよう求めました。
市は審議会を設置する考えはない、と答弁しましたが、きっちりと検証し問題点を明らかにし対策を講じるべきと強く要望しました。
広瀬議員
〇大津の園児死傷事故を教訓に「お散歩ルート」なども点検を
お散歩や通園での交通安全対策の推進を求め、さらに従来から取組んでいる通学路の安全対策について、集団登校の集合場所が危険との声がよせられているとして危険箇所はどのように選定し取組んでいるのか、対策後の効果はどのように評価・判断されているのかと問いました。
土木部長は「大津市の交通事故後、保育所・保育園・幼稚園等の就学前施設の担当部署と協議を行い、散歩ルートや園外活動時に使用する道路等で危険と思われる箇所の調査を行っており、今後、危険と思われる箇所について関係機関と情報を共有するとともに対策を検討していく」と答えました。
学校教育部長は「通学路の危険箇所は、学校点検に加え、校区コミュニティ協議会やPTA生活指導委員会等からの情報をもとに、児童の安全性を考慮して選定を行い、「枚方市通学路交通安全プログラム」に沿って、対策を講じている。対策実施後も、実際に期待した効果が上がっているか把握し、合同点検の結果等を踏まえて、対策内容の改善・充実を図っている。 今後も、学校を通じて保護者や地域の方々の意見を点検内容として共有し、通学路の安全確保に努める」と答えました。これに対し、取組方針や内容を情報発信し、自治体の姿勢を示すべきと市長に求めました。
〇妊婦医療助成の実施を
妊婦の外来診療への加算は、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な評価を行うためのものですが、加算をするなら公費でとの声が広がっています。
「“安心して子どもを産み育てたい”という願いに応えるには、妊産婦に対する医療費助成制度が必要だ。市として直ちに助成を開始すべき」と問いました。
担当部長は、医療助成は府の制度を基本として実施していると答えました。また広瀬議員は、市町村独自でも実施されていると市長に見解を問いました。
市長は「妊婦加算等の取り扱いを含め、現在、国で方針を検討されており、動向を注視するとともに、本市の財政状況を踏まえ、総合的に判断していく必要がある」と答えました
松岡議員
〇安心して預け続けることができる保育所を
10月から始まる、幼児教育と保育の無償化について質問
本来の無償化は子ども達が等しく質の高い教育・保育を受けられる機会を保障するもの。今回の無償化は、部分的で質もバラバラ、お金を配るだけでは偽りの無償化だと指摘。
無償化については、国会でも、基準を満たせていない認可外(無認可)施設への経過措置を設け、無償化対象園にできることに「子どもの安全は守られるのか」と問題となりました。これに関して、「国からは、無償化対象施設の基準は、各市で条例で定めることができる。市の認識を」と質しました。
担当部長は、現状19施設中で3施設が市内では基準を満たせていないが、条例制定し、対象外の園となればその園の保護者負担が大きく、公平性の観点から、条例は制定しないと考えを示しました。
そもそもの基準も、あくまで最低の基準。 子どもの安全ではなく、保育料負担の公平性が優先されるのか。条例制定にむけた取組みをすでに行っている自治体もある。保育水準を落とさず、親の願いであるは安心して預け続けることができる保育所をと求めました。
〇2期連続の黒字見込み…暮らしの実態にあわせた保険料に
国保の広域化方針のもとで、低所得者層では2年連続の引き上げとなりました。
統一化を大義名分にした引上げでは、今後さらに、払いたくても、払えない保険料になる。国保会計は、H29年度決算は、実質収支で約6億円の黒字だとして、H30年度の決算見込みを尋ねたところ、単年度の収支でも約2億円の黒字見込みと明らかに。
保険料統一化に突き進む枚方市に対し、黒字分は保険料引き下げに使うべきと主張。市が独自で実施している、児童扶養減免についても問いましたが、「広域で進めている検討中の減免制度に移行する考え」が示されました。
「児童扶養減免をなくしてしまえば、市民に大きな影響を与える。引下げに向けた自治体独自の公費投入は、国も、府も否定することができない。関係団体の調査では、府民は社会保険料が最も負担に感じているという結果がでている。住民の暮らしの実態に合わせた保険料にするための自治体の役割を今後も果たすべき」と求めました。
つつみ議員
〇避難所の環境、人間らしい生活環境の保障を
大阪北部地震から1年がたちますが、災害を教訓に、昨年から防災マニュアルなどの見直しが行われています。
避難所の開設、運営について学校や地域との連携がとれないと現場が混乱するが、この点の改善はできているかと質問 担当部長は、自主防災組織ネットワーク会議の中で、地域コミュニティと意見交換。また、担当する避難所に行き、学校長等と鍵の開錠を含めて現地確認を行っていると答弁。
福祉避難所は、基本的に全介助の方が避難対象ですが、ラポールひらかたでは、避難スペースが2階にあり、避難者を階段で運ばなければいけません。また、被災した段階で、まず、小学校などの一次避難所に行かなくてはならず、現実的ではありません。
ラポールひらかたのような福祉避難所へ直接行けるようにする、病院との連携を図るなどの手立てを考えるべきではないかと質問。 担当部長は、福祉避難所の開設にあたっては、要配慮者の特性等を第1次避難所で聞き取り把握する事になっていると答弁。
これに対し「現実は動くのが大変な方もいて課題はある。吹田市では、福祉避難所の運営に関する諸課題について『福祉避難所調整会議』を開催し、福祉避難所に指定した施設の方、行政が検討・調整をおこなっている。枚方でも、こうした話し合いの場を設け、様々な課題の解決に向け努力を」と求めました。
避難をしようと思ったときに避難所まで安全にいけることが第一です。
ある自治会では、避難所までのルート確認を含めた防災マップを、国土交通省淀川河川事務所が任命する淀川管区内河川レンジャーの支援で作成しています。それぞれの地域にあった防災マップの作成ができるように支援を求めましたが、自治会に周知するとの答弁にとどまりました。
〇引きこもり等の相談窓口は40歳以上も対応すると周知を
市では「ひきこもり等子ども若者相談支援センター」で相談を受けていますが、ホームページを見ても、対象が中学校卒業後、30歳代までの若者とその家族となっている点を取り上げ、「ホームページや広報などを使って、40歳以上の方についての相談も対応しているということを周知できないか。また、ひきこもりに係る講演会や、合同相談会などを開催、一人でも多くの方が相談しやすい環境をつくることができないか」と質問。
担当部長は「川崎市の事件以降、センターにはひきこもりに関する様々な問い合わせ等がある。40歳以上の方の相談についても市のホームページに記載することとした。関係機関などが連携し、シンポジウム等を開催する予定で、それぞれの活動内容等を知っていただき、できるだけ早く相談機関や支援機関につながっていただけるよう、取り組む」と答えました。
親が高齢になるほど、当事者の方も生活面、経済面で不安が募る。できるだけ、相談窓口を広くし、相談という第1歩を踏み出すことのできる環境を作り、発信していくことが必要だと要望しました。
◎請願審査
〇「新香里ケ丘図書館に指定管理者制度を導入するのではなく、市が責任をもち直営で運営することを求める請願」
6月17日に文教常任委員会(つつみ議員)で審査されました。付託されていた「枚方市立図書館条例の一部改正」議案とあわせて質疑・討論を行い、条例には反対、請願には賛成をしました。
香里ケ丘図書館は、2020年夏ごろ開館予定で建て替えを進めています。それと同時に隣接する香里ケ丘中央公園の旧バラ園は、みどりの広場として整備され、指定管理者制度を導入して一体管理を行なおうとしています。
つつみ議員は、今回、単体の施設である香里ケ丘図書館に指定管理者制度を導入する方針を決めるにあたって、社会教育委員会議で審議されたのかと質し、 担当部長は「香里ケ丘図書館に指定管理導入することについては、建替え基本計画の策定時に意見をいただいている」と答弁。
これに対し、つつみ議員は「『第3次グランドビジョン』にも『市立図書館運営の基本的な考え方』にも、単体の施設である香里ケ丘図書館への指定管理制度の導入については、書かれていない。案の段階で意見を聞いているのにも関わらず、方針を変更し、進めるのであれば、社会教育委員会議でしっかりとした議論が必要だったのではないか」と指摘。
さらに「図書館と生涯学習センターの複合館は、それぞれの施設の窓口を一本化することで、効率化を図ることができるとして、指定管理者制度を導入した。香里ケ丘図書館は図書館単体での施設であり、指定管理者制度の導入でどの程度のコスト削減になるのか」と質しました。
社会教育部長から、図書館内に設置する「多目的室」や隣接する「みどりの広場」との一体運営とすることから、これまでの経費と単純に効果額を比較することは難しいと答弁がありましたが、これに対し「公園の管理は、芝生の管理など今以上に管理費がかかり、図書館との一体管理といっても経費の削減は考えない。
また、すでに指定管理者制度が導入されている6分館について、職員数は80人、そのうち正規職員は26人。正職員は館長やサブリーダーのみで、他の職員はすべて非正規ということになる。多くは、時間給での仕事で年収が正規の2〜3割程度というワーキングプアを生み出してしまっている」と指摘しました。
提案された条例は、新たな香里ケ丘図書館の2階に多目的室をつくり、他の生涯学習市民センターと同様に有料の施設にするという内容となっています。
図書館法第17条は「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価も徴収してはならない」としており、枚方市の市立図書館内にある集会室は、現在も無料で利用されています。
このことを前提に「『図書館法』でいう『公立図書館』とは施設全体をさすのではないか。入館料をとってはいけないのであれば、図書館の2階にある集会室も無料で提供されるべきではないか」と質しましたが、明確な答弁は得られませんでした。
公立図書館としての単体の施設である香里ケ丘図書館の中に有料の部屋があるのは、図書館法に照らしても納得できない無料にするべきと主張。
香里ケ丘図書館に指定管理者制度が導入されれば、分館すべてが、指定管理業者による管理となり、分館の地域の図書館としての役割、地域文化の継承など、枚方市の職員のスキルがなくなってしまうと市の考えを問いました。
担当部長は「中央図書館の各フロアで、オン・ザ・ジョブ・トレーニング等により、スキルアップを図って育成する」と答えました、継続性もなく、分館の役割をはたせず、枚方市の社会教育、図書館行政の大きな後退であり到底納得できないと反対しました。
〇条例改定案(枚方市図書館条例の一部改正)に対する党議員団の討論
第1に、教育機関である図書館は自治体が直接運営するのが原則で、指定管理者制度は導入すべきではない。業務の専門性、地域のニーズへの対応、持続的・継続的運営の観点から、各施設の機能が十分に果たせなくなることが懸念される。
第2に、指定管理者制度導入の検討、効果検証も不十分な点です。先行導入館6館の効果検証も不十分。指定管理者制度の導入が市民サービスの向上につながるとされるなら図書館運営協議会を設置し、市民に明らかにすべき。
第3に、建て替え後の新香里ケ丘図書館に指定管理者制度を導入することにより、地域の分館すべてを指定管理者に委ねる点です。図書館で働く市の職員は全て分館での職務を経験する機会さえ持たなくなり将来の枚方の図書館行政、運営に責任を持てない。
最後に、隣接する香里ケ丘中央公園の一部をみどりの広場として管理運営を切り離し、図書館と一体に指定管理者に委ねようとしているが管理運営費が示されていない。指定管理者制度の導入目的とされるコスト削減が出来ない可能性がある。市が直営で管理していてもイベントなどの協力は可能で、みどりの広場を切り離し図書館と一体に指定管理を導入する必要はなく、(同時に提案されている)都市公園条例の一部改正にも反対。
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