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定例市会報告

委員協議会の報告

 12月議会前の各委員協議会が11月22日〜28日、開かれました。主な内容を紹介します。

総務委員協議会(広瀬議員)

○公共施設マネジメント」推進計画…施設総量の削減より定住促進を

 総務省からの要請を受け、市では保有する公共施設の総量適正化を図ろうしています。

 この視点で学校統廃合の推進が示されるなど、施設の廃止や民営化がより一層推進されるのではないか。人口ビジョンとの整合性はどうなるのかと問い、「人口推移が変わるようであれば見直していく」との答え。

 枚方市は他の中核市と比べても公共施設の保有面積が下から2番目に少ない状況であり、これでよいのかと指摘。これから意見募集が実施されるが説明会の開催は予定されていないことに対し必ず実施をと求めました。 

○総合文化施設運営計画の概要(案)…運営は指定管理でなく市が責任を

 平成32年度中の開館予定の総合文化施設について、事業概要や運営組織、収支計画等を示した「施設運営計画」の策定作業を進めており、その概要が説明されました。

 2月に計画(案)をまとめ、市民説明会を開催、インターネットアンケートを実施し、今年度中に作成する予定です。

 示された概要案では、施設名称(愛称)を公募しますが、ホールは事業者から施設名称を募り収入とすることを検討。施設運営は指定管理者制度を導入、メセナひらかた会館とともに指定管理に委ねることを検討しています。

 「運営は指定管理でなく市として人材育成も含め責任が持てる体制で。ホール名は事業者に募るのでなくわかりやすいものに」と求めました。

○未収金対策の強化…債権回収会社の活用は問題

 市税等の収入確保(未収金対策の強化)を全庁的に進めるため、債権回収条例の制定や債権回収会社(サービサー)・弁護士の活用などの方策を検討すると報告がありました。実施時期は今後の検討。

 市の債権には市税のほかに国民健康保険料など税外債権が154債権あり、そのうち30債権で滞納が生じています。滞納債権を有する担当課へのヒアリングにより、@延滞金の適正徴収、A徴収体制の充実、B競売・破産等の情報共有、C滞納債権の見極めが課題とされています。

 この点では「生活困窮により支払えない場合は市民の暮らしに寄り添った対応を進めてほしい。そのためにも債権回収会社の活用でなく、減免制度の充実や丁寧な納付相談が出来る体制をつくるべき」と求めました。

文教委員協議会(のぐち議員)

○香里が丘図書館建て替え…勝手に指定管理者制度導入するな

 老朽化の進んだ(築42年)香里ケ丘図書館の「香里ケ丘図書館建替え基本計画(素案)」に基づく、今後の予定と香里ヶ丘図書館建て替え基本計画(素案)概要の説明がありました。

その中で

@民間ノウハウを活用した魅力的かつ効果的・効率的な運営 Aランドマークになる建築 B斬新なアイデアが期待できる民間事業者が持つノウハウの活用 Cサービスの向上と効果的・効率的な図書館運営を実現するために指定管理者制度を導入することなどが提案されました。

 これに対し「指定管理者による運営が前提だが、これまでの経過をまったく無視している。既に導入している牧野・さだ図書館の半年間の検証結果を示してから、今後の指定管理者制度導入を進めるという議会での説明を無視している。まず、議会に対して検証結果を示せ」と求めました。

 「さだ図書館及び牧野図書館は、運営コストの総額を増加させることなく開館時間や曜日の拡大を実現した。丁寧な窓口対応や、ブックシャワーの導入などが好評、また、利用者アンケートでも、おおむね満足という回答だ。成果を出していると考え、複合館6館の図書館分館に加え、残る1館の香里ケ丘図書館にも指定管理者制度を導入する考えを本計画、素案で示した」と答弁がありましたが、「全く納得できない。アンケートの結果も検証結果も議会に示さずに勝手に判断したのは議会軽視だ。結果をまず提出するように」と求めました。

 また、図書館協議会に変わるとしている社会教育委員会議にも諮らずに作成されたこと、香里ケ丘図書館を南部地域における拠点図書館に位置づけることなどが図書館の第3次グランドビジョンとも大きく食い違っていることも指摘。

 さらに、十分に利用者・市民の意見を聞くためにワークショップ方式で市民と協働で計画策定をするべきだと求めましたが、社会教育部長は「ワークショップはしない」と回答。

○枚方市駅周辺から図書館がなくなる!?

 市立中央図書館市駅前サテライトが、関西医科大学との施設貸借契約が平成29年3月末で満了することから廃止となり、隣接する枚方市立総合福祉会館(ラポールひらかた)の1階福祉用具展示コーナーに移転、「サービススポット」として来年4月からオープンするという報告がありました。

 サービススポットには開架図書はなく、予約図書の受け渡し、予約受付だけとなります。

 「共産党議員団は中央図書館の開館にともない市民会館3階の枚方図書館を廃止したことに反対し、市役所周辺に図書館を設置せよと求め続けてきたが、そのたびに『市駅前サテライトがある』と答弁されてきた。サテライト利用者の半数が予約図書の受取だが、年間12万人もの来館者がある。これを廃止するのだから、代替施設を探すべき」と求めました。

 これに対し社会教育部長から「総合文化施設開館後の市駅周辺公共施設再配置時には、枚方市駅に更に近接した場所への施設移転を検討する」と答弁がありました。

建設環境委員協議会(松岡議員)

○空き家・空き地に対する市独自の対策…氏名公表は慎重な議論必要

 「空家等対策の推進に関する特別措置法」が、昨年11月に施行されたのにともない、枚方市でも、「空家等対策協議会」を設置、今年3月に「枚方市における特定空家等への対策について」の答申が出されています。

 枚方市では「答申に基づき、独自制度をつくる」とし、独自制度に対してのパブリックコメントが実施されてきました。

 枚方市の制度の特徴は、法にはない「空地」や「空き長屋」も含められ、「緊急安全措置」「協議会の意見聴取」「氏名等公表」が追加されています。

 「法より丁寧な対応になっていると説明するものの、氏名等公表は法律にないものだ」と、公表の必要性や、具体的な公表内容を尋ねました。

 担当課長から「公表は所有者に空家などの適正な管理を促すため」「内容は所有者の住所・氏名・特定空家の所在地・措置内容。公表はホームページなどで行う」との答弁。

 「市民意見でも、特定空家にさせないことを求めており、まずはそこをしっかりする必要がある。ホームページ等での公表は、瞬時に世界中に明らかにされるものである。法を超える市の制度化はもっと慎重な論議が必要だ」と求めました。

○都市計画マスタープランの立地適正化計画…広く市民意見を聞くべき

 都市計画及び、立地適正化計画について今回初めて、市内を7つに分割をした「地域別構想」が示され、「広く市民の意見を伺うため」として、公述や住民説明会の提案がされました。

 しかし、実際の説明会は、楠葉・南部・菅原3か所の生涯学習市民センターと、メセナ枚方(2回)の5回だけです。

 また、公述・意見書提出のための、素案設置がされるのは、支所・市役所のみという状況です。さらに、募集期間が年末・年始となってることも指摘をし、「これでは、広く市民の声を伺うことにはならない。あり方について再検討を」と求めました。

厚生委員協議会(つつみ議員)

○子どもの学習支援事業…安易に委託せずに直営の運営を

 枚方市では、今年2月から、市内の中学生に対して「学習支援事業」を行っています。

 毎週土曜日の午後に開催されていますが、開催場所が1箇所だけのため、遠くて通いたくても通えないという声があがっていました。

 平成29年4月から、開催場所を2か所にし、管理運営をシルバー人材センターなどに委託すると報告がありました。

 「子ども達により良い環境を整備するという視点がぬけており、安易な事業所選択としか思えず納得できない」と意見をのべました。

 学習支援事業にとりくむ自治体は増えており、教室を運営する中で、子どもの様子から生活面での問題点などを把握し、他の部署と連携することで必要な支援に結び付けています。

 教室運営が委託になると、子ども達の様子を把握することができなくなりますが市は「委託事業者と定期的な会議を持ち生徒の出席状況や教室の運営についてなどの意見交換や情報の共有を行なう。また、自立相談支援センターと連携を強める」とするにとどまり、子ども達によりそい、支援に積極的につなげる努力をする姿勢が感じられません。情報の把握はできても、職員が直接かかわってこそ、他部署との連携も可能となります。

 教室の場所を増やすことは引き続き行うべきですが、あくまで直営を前提とし、安易に委託を行なうべきではありません。

○待機児解消…小規模保育増やすだけでなく抜本的に施設増設を

 年度途中の保育所の待機児童解消策として、保育需要が増大している3歳児未満児を中心として受け入れ児童数を増やすことを「枚方市子ども・子育て支援事業計画」に反映し進めていくと報告されました。

 平成29年度は、1・2歳児124人(内小規模保育所84人)、3〜5歳児20人を増やし、平成30年度は1・2歳児8人、3〜5歳12人を増やす計画となっています。

 さらに平成30年度に、市立枚方保育所の定員増で20人の増員を予定しています。

 「今回、小規模保育施設の増設と認可外保育所の事業認可で84人の受け入れを増やしたが、小規模保育施設は1・2歳児のみで3歳からの受け入れがどうなるのか心配される。子ども達もなれた園を変わらなくてはいけないといったことを考えると、小規模保育施設の増設は限界がある。抜本的な待機児童の解消が求められておりそのためには保育所を増設させるべき」と主張。

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