8月議員団視察報告
◎年中無休で夜9時まで開館…武雄市立図書館は、まるで喫茶店と本屋
図書館への指定管理導入で注目をあびた武雄市。「武雄図書館」と書かれた駐車場入り口の案内板に「民間の喫茶店」のロゴがあり、図書館の外観の素晴らしさとのギャップを感じました。
ここでは館内にある全ての本(販売用・貸し出し用ともに)をコーヒーを飲みながら読むことができ、年中無休と夜9時までの開館で、市民生活を豊かにすると説明されましたが、まるで喫茶店のある本屋さん。たくさんの本が手が届かないほど高く並べられた本棚から、本を選ぶ気になれませんでした。
もともと蘭学館というレンガ造りの場所があり、佐賀藩鍋島氏が、集めた貴重な蘭学の資料を展示していました。当初、残す予定だったものが、喫茶店や全蔵書を開架する方針で、今はレンタルのCDやDVDの場所に。また、子どもたちに読み聞かせや、ゆったりと集中して本に親しむための「子どもスペース」がなくなりました。
入館するとすぐに、喫茶店と販売用の本が並びます。その奥が貸し出し用、つまり図書館のスペースですが、司書の姿は少なく、代わりに「貸し出しも販売(レジ)も自分でできるセルフカウンター」が並んでいます。無人の機械では、貸し出し時に、市民の皆さんの声を聞くという役割が果たせるとは思えません。
当時の市長は、市議会への報告なしに民間企業(TUTAYAを運営するカルチャーコンビニエンスクラブ)との基本合意の締結を発表し、指定管理の導入をわずか1年で進めました。2年前には、市民病院の民間移譲を行い、今年4月には、民間学習塾との一体教育を進めようとするなど、維新政治の先取りが進められています。
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