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枚方官製談合事件…
「計画的で悪質、談合の端緒つくった」
中司前市長、初田元府議に有罪判決


 2007年7月の逮捕から1年10ヶ月の歳月を経て、4月28日、大阪地裁で中司宏前市長・初田元府議に対する判決がありました。

市民に無用の支出

 初田元府議に対しては談合と収賄罪で「懲役3年6か月、追徴金3000万円」(検察側の求刑は5年)中司前市長には談合罪で「懲役1年6ヶ月 執行猶予3年」(検察側求刑は2年)とそれぞれ有罪判決が言い渡されました。
 中司前市長への裁判長の判決主文の朗読は1時間25分に及びました。
 裁判長は「市の最高責任者が市議(初田元府議のこと)とともに業者側に工事の受注調整を積極的に働きかけ談合の端緒をつくった。警察官まで引き込んだ刑事責任は軽視できない。役割を分担し、長い時間をかけ、慎重に敢行された計画的犯行であり、枚方市民に無用の支出をさせた。反省の態度がない」と断罪しました。
 中司前市長は「正しく判断していただけなかったことは残念」と記者に述べ、即日控訴しました。

副市長は無罪 加担の動機なし

 裁判長は副市長についは「前市長から談合について具体的に打ち明けられた可能性は低く、自己の仕事に忠実であった」と無罪を言い渡しました。

99年メトロ会談で「天の声」

 判決では、事件の流れを以下のように述べています。
 事件の端緒をつくったのは、1999年末に前市長、元府議、大林組顧問らが初めて集ったホテルメトロでの会談。特定の建設業者とつながっていた市議(当時)の利権を排除するため協力を求められた大林組が、清掃工場への受注意欲を示した。前市長がこれを容認したことから大林が「天の声」と受け止め、以後、森井顧問が動き出した。
 1回目の入札が不調となった後に、大林側が予定価格を60億円まで引き上げることを、元警部補、元府議を介して要求してきたこと。
 2回目の入札では、追加工事を含め56億まで予定価格が引きあがり大林が入札に参加したこと。
 大林が談合の選手になる条件(隣地の確保や設計協力)を得ていたことから、仮称第二清掃工場の落札価格は、予定価格の98.4%にあたる55億6000万円の高値となり、市民に無用な支出をさせた。
 弁護側は公判の中で、大林組以外に受注を希望した業者はなく、談合ではないと主張していました。これに対し、裁判長が市の最高責任者が関わる「官製談合」と認定しました。

市議会で追及し続けた党議員団

 (仮称)第2清掃工場の建設工事に関し、建設委員協議会や議案審議の際に、満足な資料を示さず、不明朗であると反対したのは、日本共産党議員団だけでしだ。
 初田元府議の判決の際に裁判長が、「共産党から議会で突き上げがあるので(予算の増額は)むずかしい」と元府議の証言を引用しましたが、党議員団は常に市政のチェック機関としての役割を果たすべく努力をしてきました。
 市の最高責任者が談合の端緒をつくったと断罪したことで枚方官製談合事件の一審は終わりましたが、前市長、元府議が控訴したことから、高裁の場で争われることとなります。
 引き続き裁判を見守りつつ、新たに判明した事実の真相解明にも責務を果たすため奮闘します。


 


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