2002 年 9 月
住民基本台帳ネットワークシステムの施行延期を求める意見書
本年8月5日から稼働している住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)に対しては、その施行以来、全国の自治体で住民からの問い合わせが殺到しています。本市の住基ネット相談センターにも、この8月だけで約850件もの市民からの抗議や意見が寄せられています。
近年の急速な高度情報化に伴い、個人情報の漏えいや流出、不正使用が深刻な社会問題になっている中、こうした住民の不安は当然です。
さきの国会で審議が始まった個人情報保護法案は、住基ネットにより国民すべてに番号が付され、全国的なコンピューターネットワークにその情報が流通することから、プライバシー侵害も起こり得ることを考えて、住基ネットの施行に向けて法整備を行う趣旨で策定されたものです。
しかし、同法案は、個人情報の保護の基礎となる個人情報のコントロールに関する規定が不十分であることや、マスコミ等のメディアの活動を不当に規制するなどの問題点が指摘されており、さらに防衛庁における情報公開請求者の違法リスト作成事件が重なったことにより成立に至っていません。
このように個人情報保護法制が未整備なまま住基ネットが施行されたことは、極めて遺憾なことと言わざるを得ません。
よって、政府は、国民に対する責任を果たすため、個人情報が十分に守られるような条件が整うまでは住基ネットの施行を延期するよう強く求めます。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成14年9月27日 枚方市議会議長 中 村 巧
〈提 出 先〉総務大臣
|