3月7日、伊藤わか子議員が行った代表質問の概要をお知らせします。 平和・健康・安全・暮らしなど
多岐に渡り、市民の立場で質問
−具体性欠く、市長の回答−
自衛隊と「戦時体制」を整える「国民保護計画」を作るな
国民保護計画とは「平時から自治体が自衛隊と共に『戦時体制』を整えよ」というものですが、伊藤議員は「住民の福祉増進を担う地方自治体の役割を考え、また、非核平和都市宣言をしている枚方市として、このような戦争体制を整える計画作りを進めるべきではない」と、見解を求めましたが、市長は「市民の生命及び財産を保護するため、H18年を目途に作成する」と答えました。
更に「憲法記念日には現行憲法の内容を市民に知ってもらう講演会を開催しては?」との質問に対して「核兵器廃絶を内容とする『憲法のつどい』を開く」との回答でした。
一日でも早く全駅のバリアフリー化を
枚方市は、市内全駅のバリアフリー化を長期目標とし、当面、5駅3地区を重点整備地域として22年までにすすめる計画です。
伊藤議員は「さまざまな地域に高齢者や障害者は住んでおられるので、その方々が安心して外出し、社会参加出来るよう一日も早く、全ての駅のバリアフリー化を進めてほしい。その際、多様な立場の市民の参加・協働で、計画や整備を行い、利用者の意見をフィードバックさせる継続性が大切だ」と発言し、更に「駅周辺の安全対策が、地元の住民から要望されている。市として、市民の安全をどのように守ろうとしているのか」と質問しました。市長からは「検討を進める」との回答しかありませんでした。
小学校に配置する警備員の市負担分を早急に予算化せよ
寝屋川市の小学校で、また痛ましい事件が起きました。本来、学校は市民に開かれたものであるべきなのに、現在、市内の各学校では、校門の施錠などがされています。
伊藤議員は「府は来年度、府下の全小学校に警備員の配置を約束しましたが、枚方市としても、市の負担分を早急に予算化し、更に、市独自に各教室からの通報システムの整備を行う必要があると考えるが、いかがか」と質問しました。
市長は「多面的に防犯対策を考える」「今年度中に『さすまた』を配置する」と回答し、予算には触れませんでした。
星ヶ丘厚生年金病院市長は存続に向けて努力すべき
現在、国会では「病院も含む年金福祉施設の譲渡や廃止を行うための『独立行政法人』の設立」が提案され、一方では、自民党社会保障制度調査会の幹部会が「厚生年金病院10ケ所については、一律に売却対象としていた方針を見直す」としました。
伊藤議員は「市長はこの間、一貫して『国の動向を見極める』と、消極的態度だったが、この『決定』を受けてどのような努力をするつもりか」と問いましたが、「地域医療の重要性を認識しつつ、国の動向をみて対応する」の回答だけでした。
憲法9条は将来に渡って堅持する立場を表明
求められるこの発言に添った政治姿勢
昨年わが国が加盟した「東南アジア友好協力条約」には、日本の憲法9条と同主旨の原則があります。
伊藤議員は「日本の憲法9条は、いまや、世界とアジアの共有財産になっていると考えられるが、市長の認識は?」と質問しました。
市長は「先の二度にわたる大戦の経験の上に立って、日本国憲法が制定され、この憲法の大きな三つの柱の一つに第9条が規定されている、と認識しております」と回答しました。
更に伊藤議員の「市長ご自身は、憲法9条を守るべきと考えておられるのか」の質問に「将来に渡って、堅持する立場です」との回答がありました。
またイラク問題では、「自衛隊派遣については人道復興支援活動とはいえ、従来の国連主導の平和維持活動とは一線を面すものであり(以下略)」と回答するなど、市長の発言は評価できますが、今後の政治姿勢をこの発言に添ったものにしてほしいものです。
「公の施設」の管理・運営は公共的な団体か自治体で
民間業者になじまない時は公募するな
今後、枚方市も指定管理者制度により、市の外郭団体が管理している公の施設で指定管理の運営が行なわれます。
しかし、条例には条文化された合理的理由が有る場合は、公募によらない事がでるという条項があります。
伊藤議員は「民間事業者になじまない事業は積極的にこの主旨を適用すべきだが、この条項に該当する施設はどこか」と質問しました。市長は、「公募を行なわず、指定管理者を特定する場合は客観的に高度な技術を有するものや民間事業者で同種・類似のサービスを提供するものが存在しない場合などだ」と答弁しました。
伊藤議員は、営利企業でなく公共的な団体、自治体が直接管理・運営すべきだと要望しました。
知る権利を保障をするため情報公開制度の改善求める
枚方市情報公開制度にもとずき、住民が資料の公開請求をしても「部分公開」や「非公開」「情報公開制度の対象外」とされ、実際に条例第一条に規定されている「市政に関する市民の知る権利の保障」が主旨通りに行なわれていません。伊藤議員は、条例施行前の公文書は、公開しないとしている条例の附則二項の廃止と住民の行政への参加を促進するために、条例に「会議公開の原則」「情報提供の原則」「出資法人の情報公開」を追加すべきだと質問しました。大阪府の条例には、すでにこの条項は明記されています。
市長答弁は、次の党利です。
(1)条例適用除外の公文書については、平成11年9月議会に請願が出された状況も踏まえ、検討を重ねていきたい。
(2)平成14年4月1日からは、永住保存文書について、すべて公開対象としている。
伊藤議員は、市民との共有財産である市の情報をきちんと公開するために現在の情報公開条例を改正すべきと意見を述べ条例に「会議の公開」を明記すべきだと要望しました。
市政の「構造改革の3つの基本方針」で市役所の役割が大きく変質させられる!
2月28日枚方市議会の初日、市は「構造改革の3つの基本方針」を発表しました。
その3つの基本方針は上記のように1.行政改革(構造改革編)2.人材育成型の「人事計画」(案)3.財政運営の目標と見通しです。
3つの基本方針の特徴は、福祉を削り、人件費を削減し、庁舎の建て替え等、多くの建設事業費にまわす財源づくりです。
行政の役割が「サービスのコーデイネーターとして社会のセーフティネット的な役割に努める」という考えは、地方自治法に明記された「自治体の役割は住民の福祉の増進を図ることを基本とする」という精神を放棄するものであります。
市長の認識からは、厳しい市民生活を、どう守るのかの姿勢は見えません。
市当局から提案のあった「構造改革の3つの基本方針」
1.行政改革(構造改革編) |
☆平成8年から586人削減、その上さらに770人の市職員削減。市職員の4割削減。
☆あらゆる部門で民間にできることは民間に委ねる。公立保育所民営化、図書館運営事務の見直し。市役所の役割を「公共サービスの提供主体」から「サービスのコーディネーター、マネジメントする主体」に変更
☆公民館や駐車場の有料化。 |
2.人材育成型の「人事計画」(案) |
☆2013年までに職員770人削減する。
☆全職員に対し、勤務評価制度採用。
☆目標管理制度を「業績評価」として一時金に反映させる。
☆職員に求められる能力・知識はコスト意識。 |
3.財政運営の目標と見通し |
☆市税の徴収率の向上。
☆使用料・手数料は3年ごと改定判断する。
☆福祉サービスの充実については民間活用を基本とする。
☆福祉分野で市の単独施策は抑制する。
☆人件費、扶助費(生活保護・障害者支援費制度・児童福祉など)を抑制する。
☆建設事業費などを確保する。 |
|