上からの道徳教育押しつけに反対
自民党清和会から出された『道徳教育の推進を求める意見書』の内容は「昨今、青少年の暴力やいじめの問題、犯罪の低年齢・凶悪化が進んでいるが、その要因として家庭内における孤立した育児環境の問題、地域連帯意識の希薄化等が考えられ、加えて学校教育等における道徳教育の取り組み強化が求められている。よって、政府は、我が国の将来を担う子どもたちの健全な心身の育成を図る観点から地域、家庭及び学校における道徳教育を強力に推進することを強く求める」というものです。
競争教育にさらされている子ども達
伊藤議員はこの意見書に反対の立場で討論を行いました。討論の要旨をお知らせします。
「日本社会の直面している危機には、道義的危機という問題があり、子どもたちに最も深刻な形で影響を及ぼしている。
国連子どもの権利委員会は、日本政府への勧告の中で、『極度に競争的な教育制度によるストレスのため、子どもが発達のゆがみにさらされている』とする厳しい批判を寄せている。
子どもたちが、自分が人間として大切にされていると実感でき、自らの存在を肯定的なものとして安心して受け止められるような条件を家庭でも地域でも学校でも作ることこそが求められているのであって、提案されている意見書のように『上からの強力な道徳教育推進』では解決できない」