公民館存続の賛否を問う住民投票条例が
賛成8人で否決される
最後まで十分な説明がないまま公民館条例を廃止し、
生涯学習市民センター条例が可決
昨年の秋以降、突然に市が公民館を廃止し、所管を市長部局に移管し、原則有料の公の施設にしていくという「生涯学習の再編」問題について9月議会で審議されました。
「なぜ公民館ではダメなのか」「有料の施設にして市民の学習権を奪わないで」という市民の疑問や声に応えないまま、10月から教育機関としての公民館が廃止される結果となりました。
市民の権利である住民投票条例に賛成
日本共産党議員団を代表して広瀬議員が賛成討論を行いました。(以下賛成討論要旨)
「枚方市は昨年の9月以降一貫して市民が『公民館の利用者の声を聞いて欲しい』『きちんと本来審議すべき公民館運営審議会で審議して欲しい』と再三にわたって、強く要望したにも関わらす、結局最後まで公民館の存続そのものについては市民の声に耳を貸しませんでした。
直接請求署名に賛同をされた多くの皆さんは、『市民協働』の街をつくるというなら、決定した政策を押しつけるだけではなく、市民意見を聞き判断をして欲しいとの訴えに共感をされたものだと思います。
市民には自らの権利である直接請求権を行使する他、市民意見の反映を求める手だてが残されなかったわけです。
8名の請求代表者と、1449人の受任者の皆さん、寄せられた26250名の署名に心から敬意を表し、寄せられた思いに賛同を表明する」
教育への行政の介入となる
生涯学習市民センター条例に反対
生涯学習市民センター条例に石村議員が反対討論を行いました。(以下、討論要旨)
「この間の再編は間違いだらけであったことは、委員会討論で指摘をさせていただいた通りです。
委員会の質疑を通じ、昨年の8月24日に社会教育委員会会議にこの問題を諮問する以前に、市長部局と教育委員会事務局が公民館廃止と市長部局への移管、有料化の方針決定をしていたことが明らかになりました。これは行政の教育への介入であり、教育基本法第10条に違反する行為です。
さらに、市と教育委員会はこうした重要な協議を行いながら、その記録を一切残していません。これは情報公開の観点から極めて問題です。
教育基本法第10条第2項は教育委員会の仕事を「教育の目的を遂行するに必要な条件整備確立」と定めました。枚方市はもちろん教育委員会であろうとも教育機関である公民館を直接支配、命令してはならないということです。
憲法、教育基本法、社会教育法の理念は、国民が自ら自己形成し、その力によって地域社会をよくし、国をよくし、そして平和や民主主義を大切にすることのできる国際的人間にならなければならないことを明確に位置づけています。社会教育を限定したものにすり替え教育機関である公民館を廃止することは、教育基本法改正の先取りであり、憲法の理念に基づく教育権の保障のない生涯学習市民センター条例には反対である」と討論しました。
間違いだらけの生涯学習再編
21日の総務常任委員会で議案25号「枚方市立生涯学習市民センター条例」案について、日本共産党議員団としての討論を中西議員が行いました。(以下反対討論要旨)
今回の生涯学習の再編は間違いだらけです。
そのひとつは、公民館を廃止して生涯学習市民センターにするという政策決定過程の間違いです。社会教育委員会議ではわずか4人の賛成で決定しました。
2つは、公民館運営審議会委員、公民館活動委員会、利用者などの公民館関係者関係者が反対しているのに、教育委員会議はわずか10分程度の会議で公民館廃止を決定しました。
3つには公民館運営審議会への諮問事項であるにもかかわらず諮問しませんでした。
4つには市民協働、市民参加といいながら利用者、公民館運営審議会にも諮らずに市民の声を聞かずに公民館廃止を行政内部で先に決定し、そのことを前提に計画がすすめられたことです。
これまでの枚方の公民館は、社会教育の主体は市民であるという枚方テーゼを実践する場所として発展してきました。
その結果としてボランティア活動や人形劇を初めとする文化活動や平和運動などの住民運動など様々な市民活動が発展してきました。
まちづくりの主人公は市民であり、その市民が主体的に学び・活動する場所として憲法で定められた教育を受ける権利を保障する教育機関としての公民館を廃止することは市民の権利侵害につながります。
公民館は、その設置根拠からいっても「学び」を通して地域振興の中核機関としてまさに「生涯学習による協働のまちづくり」を一翼を担ってきたのです。
このことは正当に評価され、発展させられなければなりません。
市民の学習権保障を優先する公民館ではなく、「まちづくり」の名の下に行政主導ですすめる公共政策を優先させる生涯学習市民センターの設置は、今国が進めている国民のための教育から国家のための教育へ変質させる教育基本法改悪と本質を一にしたものです。
市民のための、市民が主人公の公民館から、行政のための生涯学習市民センターへと変えていく本条例案には反対、また、提出された修正案については提案理由と同じ主旨で、賛成することを表明します。
公民館存続の修正案を提案
「公民館の存続の賛否を住民投票条例」が賛成少数で総務常任委員会で否決されたのを受けて野口委員は議案第25号「生涯学習センター条例」の修正案を提出しました。
この修正案の趣旨は、現在の公民館に「公民館としての機能」と「生涯学習市民センターとしての機能」を併存させようとするものです。
社会教育法に定める教育機関の公民館として使おうとすれば、従来通りの登録団体が原則として無料で使うことができる。
そのため、議案第25号の「センターの施設等を社会教育法に基づく社会教育事業の用に供すること」を削除する。社会教育事業の用に供し、公民館として使用する場合は、現行どおり無償使用となります。それ以外の用途に使用しようとする場合は、議案第25号の定める通りに有償使用とされてはどうかと考えます。
併せて、枚方市立公民館条例と枚方市立市民センター条例の廃止を削除し、2つの条例を存続させ、現行どおり公民館・市民センターとして使用できるように修正する提案を行いましたが、日本共産党(中西・野口委員)以外、全ての議員の反対で否決されました。
ドキュメント住民投票条例
8月5日(土)直接請求署名終了
8月10日(木)選挙管理委員会に署名を提出
8月29日(火)〜9月4日(月)署名縦覧
9月6日(水)選挙管理委員会が署名数を確認
9月7日(木)市長に本請求
9月11日(月)
市長に対して公民館存続の賛否を問う住民投票条例の本請求を行なう
9月12日(火)9月議会開会
生涯学習市民センター条例が提案され、総務常任委員会へ付託
9月14日(木)総務常任委員会
午前10時から生涯学習市民センター条例について審議、住民投票条例が提案されることから午後3時39分で質疑を途中で打ち切る
9月19日(火)本会議
冒頭、市長が直接請求、住民投票条例に対して意見表明、住民投票条例が提案され、総務常任委員会に付託される。
代表請求者の陳述人数が議決される
9月20日(水)本会議
冒頭に直接請求代表請求者8人を代表し5人が意見陳述。8人の代表請求者の意見陳述要旨が議場配布される
9月21日(木)本会議
一般質問終了後、午後1時から総務常任委員会が開催される。
まず住民投票条例の質疑が行なわれ、終了後、討論、住民投票条例に対する賛成討論を野口議員(日本共産党)反対討論を伏見議員(改革市民会議)と出井議員(公明党)、採決し中西議員・野口議員(日本共産党)のみ賛成で住民投票条例が否決される。
生涯学習市民センター条例の質疑を再開し、終了後、野口議員が生涯学習市民センター条例に対する修正案提出(生涯学習市民センター条例の中にある公民館条例とサンプラザ市民センター条例削除とある分を削除し関連部分の修正)、修正案の提案と質疑の後、採決、修正案に賛成し生涯学習市民センター条例に反対する討論を中西議員(日本共産党)、修正案に反対し生涯学習市民センター条例に賛成の討論を出井議員(公明党)
9月25日(月)本会議:最終日
住民投票条例賛成少数で否決
生涯学習市民センター条例可決 |
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日本共産党議員団 |
市政会議員団 |
公明党議員団 |
西村 |
中西 |
伊藤 |
石村 |
広瀬 |
野口 |
山原 |
願野 |
榎本 |
初田 |
梅崎 |
大隈 |
岡林 |
有山 |
大森 |
小野 |
池上 |
出井 |
森 |
公民館存続の賛否を問う住民投票条例の制定について |
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欠席 |
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枚方市立生涯学習市民センター条例の制定について |
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改革市民会議 |
自民党
清和会 |
民主連合議員団 |
民主市民議員団 |
○は賛成
×は反対 |
池上 |
高橋 |
伏見 |
森崎 |
千葉 |
若月 |
大槻 |
三木 |
津上 |
松浦 |
鷲見 |
三島 |
野村 |
河西 |
西田 |
堀井 |
公民館存続の賛否を問う住民投票条例の制定について |
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議長 |
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枚方市立生涯学習市民センター条例の制定について |
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退席 |
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